グロリアの紹介:1980年アメリカ映画。ジョン・カサヴェテスが監督し、監督夫人のジーナ・ローランズがタフなヒロインを演じるハードボイルド映画。組織の秘密を握る坊やを友人から預けられたグロリアがニューヨークの街で女一人、ギャングを相手に戦う。
監督:ジョン・カサヴェテス 出演者:ジーナ・ローランズ(グロリア)、ジョン・アダムス(フィル・ドーン)、ジュリー・カーメン、(ジェリ・ドーン)バック・ヘンリー(ジャック・ドーン)、バジリオ・フランチナ(トニー・タンジーニ)ほか
映画「グロリア(1980年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「グロリア(1980年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「グロリア(1980年)」解説
この解説記事には映画「グロリア(1980年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
グロリアのネタバレあらすじ:起・グロリアが子供をあずかる
マフィアの組織の会計士のジャックは今まさにプエルトリコ人の妻ジェリ、二人の子供、妻の母を連れてアパートから逃げようとしていた。金を横領しFBIに情報を流していたがことがばれてしまったのだ。そんなこととはつゆしらず、同じアパートに住む、ジェリの友達の中年女性グロリアがコーヒーを飲みに来る。二人の子供たちのうち姉は嫌がったが、弟のフィルを無理にグロリアに預ける。ジャックは組織の不正を記したノートをフィルに託し、男らしくタフに生きろと諭す。既に組織の男たちが建物に入ってきていた。窓からヤンキースタジアムの見えるグロリアの部屋に入ったフィルへ父から最後の電話が来た後、フィル一家の部屋は爆破され家族は死んだ。グロリアは荷物をカバンに詰め込み、でも猫はアパートの廊下に置き去りにして、警官や野次馬やマスコミをかいくぐってフィルを連れて逃げ、市内の別のアパートの部屋に落ち着く。
子供が好きではないグロリアと子供のくせに一人前のつもりのフィルは最初はなじめない。翌朝グロリアがお風呂をつかっているうちにフィルは部屋を逃げ出したが、新聞の一面に自分の顔写真が大きく乗っているのを知って引き返す。一方、テレビのニュースはグロリアが行方不明のフィルを誘拐したことにしていた。
グロリアのネタバレあらすじ:承・追われる身の二人
組織の人間たちはグロリアの友達だった。グロリアとフィルはグロリアの部屋の前でグロリアの名を呼ぶ男たちに気づかれないようにアパートを出る。犯罪歴のあるグロリアは警察には行けない。そのためフィルを放り出そうとしたところで組織に見つかってしまう。グロリアはフィルの命を守るために組織の男たちの乗る自動車に向けて拳銃で発砲し、自動車がひっくり返った後に来たタクシーに乗って逃げる。
グロリアのネタバレあらすじ:転・至る所にいる敵
銀行の貸金庫から金を取り出し、バスと電車を乗り継いでたどり着いた安宿に泊まる。始めはグロリアになじまなかったフィルも、彼女を頼りにするようになり、一つのベッドで並んで眠った。
翌日、二人はピッツバーグに逃れようと駅に行くが、二人が入った駅内のレストランの一つのテーブルに組織の人間たちが座るのに気づいたグロリアは、先手を打って拳銃を抜き、彼らの銃から弾丸を抜き出させてから厨房側へ逃げる。
さらに翌日、グロリアは迷う。道で寄宿学校にフィルを入れればよかったと言うグロリアにフィルが腹を立て、二人は別れてしまう。しかし心配になってグロリアがフィルを探すと、フィルが友達といっしょに組織の人間に連れていかれるところだった。グロリアはフィルを追ってアパートの一室に上る。フィルの友達の、組織の人間である父親を射殺し、他の男女を部屋に閉じ込めてフィルを救い出す。
地下鉄にも空港にも、どこにでも組織の目がある。その晩宿泊した高級ホテルでもグロリアは用心を怠らなかった。そしてフィルにとってグロリアがただ一人の家族になっていた。
グロリアの結末:命がけのグロリア
翌日、グロリアは決断する。組織のボスであるタンジーニに会いに行くことにする。フィルには、3時間半待って私が戻ってこなかったらホテルを出ろ、そしてピッツバーク駅で待ち合わせようと言う。父親がフィルに託したノートをもってただ一人、タンジーニのマンションへ向かう。グロリアとタンジーニはかつて愛し合っていっしょに暮した仲だった。
グロリアはフィルの助命を請うがタンジーニは承知しない。ノートを残してついにグロリアは部屋を出る。廊下でギャングを一人撃ちエレベーターに乗り込む。男たちが彼女の乗るエレベーターに上から、エレベーターの天井に穴が開くほど銃を撃ちまくる。
ホテルにグロリアは帰らない。フィルは靴下に隠した金を取り出して一人でピッツバーグヘ向かった。だが駅で列車を降りてもグロリアはいない。前に二人で墓地に行ったことがあるのでタクシーで墓地に行く。きっとグロリアは死んだ。誰かの墓の前でグロリアの霊に向けて話をするフィル。その時、黒い自動車が停まり、出てきた老婦人が「おばあちゃんにキスしないの?」と声をかける。フィルが駆け寄って抱き着く。銀髪のウィッグが脱げると、その下には金髪のグロリアがいた。
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