グリード ファストファッション帝国の真実の紹介:2019年イギリス映画。イギリスのファッション業界の帝王マクリディ卿は自らの60歳の誕生パーティをギリシャの美しい島で開きます。しかし、招待した有名人は現れず、側近のアマンダは彼のあくどいビジネスを嫌い、息子のフィンは父のビジネスの後を継ぎたい野心があります。パーティが開催され、盛り上がる中で意外な結末を迎えます。本作はファッション業界のスリランカでの地元労働者への搾取行為を批判的に描いた映画です。ストーリーはギリシャでのパーティ、その3ヶ月前のイギリス議会での公聴会、そしてマクリディの成功を振り返る関係者へのインタビューの3つで展開されます。イギリスのアルカディア・グループのフィリップ・グルーンがマクリディのモデルと言われています。また、キーラ・ナイトレイを始めとする有名人がカメオ出演しています。
監督:マイケル・ウィンターボトム 出演:スティーヴ・クーガン(リチャード・マクリディ)、アイラ・フィシャー(サマンサ)、シャーリー・ヘンダーソン(マーガレット)、エイサ・バターフィールド(フィン)、ニック(デヴィッド・ミッチェル) カメオ出演:アレクサ・チャン、キーラ・ナイトレイ、キャロライン・フラック、クリス・マーティン、コリン・ファース、ジェイムス・ブラント、スティーヴン・フライ、ピクシー・ロット、ファットボーイ・スリム、ベン・スティラー、ルイ・ウォルシュ、ほか
映画「グリード ファストファッション帝国の真実」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「グリード ファストファッション帝国の真実」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
グリード ファストファッション帝国の真実の予告編 動画
映画「グリード ファストファッション帝国の真実」解説
この解説記事には映画「グリード ファストファッション帝国の真実」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
グリード ファストファッション帝国の真実のネタバレあらすじ:起・強欲な実業家マクリディの誕生パーティ
イギリス、ファストファッション界の帝王リチャード・マクリディ卿(スティーヴ・クーガン)は、ビジネスの天才と紹介されます。彼とその一族はギリシャのミコノス島でマクリディの60歳(還暦)の誕生パーティを開催します。そのパーティには有名スターが招待され、古代ローマのコロシアムが再現されて剣闘士と戦うライオンも準備されます。
(3ヶ月前)英国政府はマクリディのビジネスでの不正を調査するため公聴会を開いています。彼の不正を追及する議員は、マクリディを”Greedy”(強欲)と批判する新聞のコピーを見せます。そこへ、マクリディを嫌う女性がケーキを持って現れ彼の顔にぶつけます。
(誕生パーティの5日前)マクリディはアマンダら側近とパーティの準備をチェックします。彼の母マーガレット(シャーリー・ヘンダーソン)と息子フィン(エイサ・バターフィールド)も到着します。フィンは父があまり好きでない様子です。パーティ会場近くには、シリア難民たちが浜辺でテント暮らししています。マクリディの伝記を書く作家ニック(デヴィッド・ミッチェル)もパーティに参加します。
(作家ニックのインタビューによる回想シーン)マクリディの母は、彼は恥ずかしがり屋だったと回想します。クリケットをするマクリディは良い選手ではなくチームメイトと校長から嫌われています。マクリディと母は校長と喧嘩し、学校を去っていきます。
1977年、マクリディはファッション業界で仕事をしています。交渉上手な彼はファストファッションの事業を拡大していきます。1980年のスリランカで、マクリディは地元の工場オーナーと交渉し、服を安い値段で生産することに成功します。しかし、その強引なやり方は現地住民と問題を起こします。
グリード ファストファッション帝国の真実のネタバレあらすじ:承・問題続出のパーティ準備
(パーティ4日前)マクリディの元妻サマンサ(アイラ・フィシャー)、娘リリーらパーティ参加者が島に到着します。しかし、芸能人でもある娘リリーはリアリティ番組の撮影も兼ねているようですが、撮影はうまくいきません。また、小型コロシアムの建設も進みません。パーティの準備は進みますが、招待しているスターの参加も実現しない見込みです。
(3ヶ月前の議会の公聴会)政治家は1980年代から1990年代のマクリディのファストファッションビジネスを問題視し、いくつかの会社が倒産し多くの人が職を失ったと批判します。
(作家ニックのインタビューによる回想シーン)マクリディが部下を怒鳴りつける仕事のやり方と、彼の従業員への過酷な扱いが回想されます。
(パーティ3日前)リリーは番組の撮影でシリア難民に食べ物を与え、難民とのふれあいのシーンをやらせ撮影しようとしますが、難民たちは言うことを聞かず警察がきます。コロシアムの建設も労働者がブルガリアらからの不法就労者でうまくいきません。ニックはスリランカ工場のお祝いメッセージをチェックします。スリランカ出身のアマンダはこの工場を知っていると言います。
グリード ファストファッション帝国の真実のネタバレあらすじ:転・マクリディの強欲ビジネス
(パーティ2日前)リリーのリアリティ番組の撮影は相変わらずうまくいきません。コロシアムのライオンも動くことはなく、パーティの準備ははかどりません。
(作家ニックのインタビューによる回想シーン)元妻サマンサはモナコでのマクリディとの出会いを回想します。彼女は、マクリディはやり手のビジネスマンだったと回想します。元従業員はマクリディのひどい社員いじめを回想します。サマンサはマクリディはスターとの交際や派手な生活も会社の宣伝のためと回想します。
(議会の公聴会)政治家はマクリディの事業乗っ取りと脱税について問題にします。
(作家ニックのインタビューによる回想シーン)ニックは元社員にインタビューし、マクリディは合法的とはいえ、会社の買収行為により多額の利益を得たと言い、その利益は彼の家族のものになったと回想します。サマンサは離婚について、マクリディは若い女性ナオミと結婚したかったからだと言います。
(パーティ前日)コロシアム建設は間に合いそうにありません。ライオンは餌を与えても相変わらず動きません。ニックは、アマンダとフィンと、あくどい父親が強欲のために殺害された古代ギリシアの悲劇を話し合います。
(議会の公聴会)政治家は、マクリディのスリランカにおけるビジネスでの現地労働者の搾取行為を問題にします。マクリディは「どの会社も安い金で発展途上国の労働者を働かせている」と反論します。
(作家ニックのインタビューによる回想シーン)ニックはスリランカを訪れ、マクリディの工場で働いている労働者にインタビューします。その労働者は、1日12時間イギリスの水準からはかなり低い賃金で働いていると言います。
グリード ファストファッション帝国の真実の結末:パーティの結末
(パーティ初日)パーティ初日、予定されていたスターが到着しないため、ジョージ・クルーニーなどのそっくりさんが多数用意されます。参加者はローマ時代のコスチュームを与えられます。マクリディはローマ人のエキストラとして、シリア難民たちを参加させることにします。
フィンはパーティ初日に父から部屋を追い出されます。怒ったフィンは麻薬を手にします。アマンダもローマのコスチュームを与えられますが、ニックに「自分はマクリディの奴隷」と打ち明けます。彼女は、スリランカの工場で過酷な条件で働き死んだ母のことを思い出して泣きます。
パーティが始まり、マクリディはローマ時代のコスチュームで登場します。参加者はダンスをして、騒ぎ始めます。フィンはライオンを興奮させるため麻薬をライオンの餌に加えます。シリア難民の子供が会場の食器を盗んで逃走します。マクリディの部下が追いかけ、途中でコロシアム建設の作業員と乱闘になります。アマンダは子供たちをなんとか捕まえ、食器を取り返します。
マクリディは酔っ払って、ライオンのチェックに行きます。アマンダもライオンのチェックに行き、マクリディを殺害する機会と考え、ライオンを檻から出します。マクリディはライオンに噛み殺されます。ニックは事件を目撃しましたが、アマンダを現場から逃走させます。
(パーティ2日目)朝のニュースではマクリディの死が報じられます。ニックはテレビ番組で彼を称えますが、アマンダのことは話しません。
後日、ニックはアマンダをイギリスのレスターで見つけ出します。アマンダは小さな工場で働いており、マクリディの死に責任は感じておらず、自分の行為を正当化します。
マクリディの事業はフィンが引き継いだようです。マクリディを追悼するファションショーで、フィンは父を讃えながらも、競争相手を倒すと話します。
映画の最後は、ファッション、服飾業界の女性差別、バングラデッシュ、スリランカでの低賃金で働く労働者を搾取する業界の現状が批判されます。
以上、映画「グリード ファストファッション帝国の真実」のあらすじと結末でした。
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