新・荒野の七人/馬上の決闘の紹介:1969年アメリカ映画。黒澤明監督の映画「七人の侍」(1954年)を西部劇としてリメイクした「荒野の七人」シリーズ第3作目です。19世紀末のメキシコを舞台に、圧政に立ち向かい投獄された革命家を救出するため7人のガンマンが立ち上がります。
監督:ポール・ウェンドコス 出演者:ジョージ・ケネディ(クリス・アダムス)、モンテ・マーカム(キノ)、レニ・サントーニ(マクシミリアーノ(マックス))、ジェームズ・ホイットモア(リーバイ(レヴィ))、バーニー・キャシー(キャシー)、ジョー・ドン・ベイカー(スレイター)、スコット・トーマス(P.J.)ほか
映画「新・荒野の七人/馬上の決闘」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「新・荒野の七人/馬上の決闘」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「新・荒野の七人/馬上の決闘」解説
この解説記事には映画「新・荒野の七人/馬上の決闘」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
新・荒野の七人/馬上の決闘のネタバレあらすじ:起
19世紀末。メキシコでは独裁者ポルフィリオ・ディアスによる圧政が敷かれており、農民たちはメキシコ軍から強制労働を強いられ不満を募らせていました。やがて農民の中には革命を起こして圧政を正そうとする動きが広がり、革命家のリーダー的存在のキンテロ(フェルナンド・レイ)は農民たちをまとめて反政府組織と連携し政権を倒そうと計画していましたが、残忍なディエゴ大佐(マイケル・アンサラ)率いるメキシコ軍に捕らえられてしまい、“ネズミの巣”と呼ばれる刑務所へ収監されました。キンテロの部下である若く血気盛んな農夫マックス(レニ・サントーニ)は、キンテロから預かった600ドルの軍資金を持って脱出します。
新・荒野の七人/馬上の決闘のネタバレあらすじ:承
マックスはまず、反政府勢力への協力を申し出ていた山賊のリーダーのロベロ(フランク・シルヴェラ)に助けを求めます。マックスはロベロに命じられるままに町に大量の武器を調達に向かい、そこで伝説のガンマン、クリス・アダムス(ジョージ・ケネディ)に出会い、助けを求めます。鋭い頭脳と誇り高い勇気を兼ね備えたクリスはマックスの頼みを聞き入れ、キンテロ救出のため仲間を集めます。元保安官で今や馬泥棒にまで落ちぶれたキノ(モンテ・マーカム)、初老のナイフ使いのレヴィ(ジェームズ・ホイットモア)、鉱山をクビになった黒人ガンマンのキャシー(バーニー・キャシー)、片腕のガンマンのスレイター(ジョー・ドン・ベイカー)、病を患い死に場所を探している黒づくめのP.J.(スコット・トーマス)が集まり、クリスとマックスを加えた7人のガンマンは農民が立て籠もる山へと向かいます。
新・荒野の七人/馬上の決闘のネタバレあらすじ:転
クリスはマックスと共に“ネズミの巣”を偵察、そこで目にしたものはディエゴによって農民たちが無残にも虐殺される光景でした。農民の陣地に戻ったクリスは自らの力を過信するロベロと喧嘩になり、彼らからの協力は得られなくなりました。その代わり、クリスらは“ネズミの巣”に護送中だった農民たち20人を助け出し、彼らを訓練してキンテロ救出作戦に参加させることにします。クリスらは週に1日だけ“ネズミの巣”の警備が緩む日を狙い一気に奇襲する計画を立てます。作戦前日、マックスは独断で再びロベロに協力を求めますが、ロベロは自分を革命軍の将軍に任命しないどころか野蛮人扱いしたキンテロを罵倒したため、マックスはロベロを見限りその場を後にします。
新・荒野の七人/馬上の決闘の結末
奇襲当日、クリスら7人のガンマンと訓練された20人の農民部隊はメキシコ軍の馬車と軍服を奪い、メキシコ兵に偽装して“ネズミの巣”に奇襲を仕掛けました。激しい戦いの最中ガンマンたちは一人、また一人と命を落としていき、圧倒的なメキシコ軍の戦力の前にクリスたちは追い詰められていきます。その時、ロベロの部下だったミゲル(サンチョ・グラシア)が50人の山賊たちを引き連れてクリスらに加勢してきました。マックスらと手を組むべきだと主張していたミゲルはロベロを見限って殺害していたのです。思わぬ援軍により形勢は一気に逆転、クリスはディエゴを射殺、“ネズミの巣”は陥落しキンケロらは救出されました。7人のガンマンで生き残ったのはクリスとレヴィのみでした。革命軍のリーダーとして成長したマックスはキンテロと共に民衆の自由のために戦うことを誓い、クリスとレヴィはマックスらと別れて去っていきました。
西部劇の痛快作だった「荒野の七人」シリーズの第3作目の作品が、この「新・荒野の七人 馬上の決闘」で、スタッフも、スターも数段、格が下がって、今回は監督がポール・ウェンドコス、主演がジョージ・ケネディ。
これじゃあ、ちょっとね、と言う感じの作品だ。
舞台はメキシコ。毎度おなじみの暴虐な政府軍と、それに立ち向かう苦境の革命派。
投獄された革命派の指導者を救うため、若者は国境の町を訪れ、名うてのガンファイターのジョージ・ケネディを雇う。
それからは、このシリーズのお約束事にそって、ケネディが特技を持つ男たちを次々とひろい集めていく。
この一人一人をテストするところが、元ネタとなった黒澤明監督の「七人の侍」以後、このシリーズの見せ場となったわけだが、その後は他の映画でも、このパターンが大流行となっていきましたね。
だが、これも何度も続くとマンネリ化し、よほど奇抜なアイディアを繰り出さないと、正直、飽きてしまうんですね。
特に、この映画では参加を勧誘するだけで、テストらしいテストをしない。
しかも、集まった人物はといえば、凄いというほどの特技がなく、ジェームズ・ホイットモア他、迫力が乏しいので、いよいよ全員が勢揃いしても、観ている側としては張り切りムードに浸れないのだ。
そして、肝心のクライマックスでの乱戦でも、意外と早く殺されたり、怪我をしたりと、あっさりとした展開で、非常に物足りないのだ。
七人揃っても、1作目のスティーヴ・マックィーンひとりにも及ばないな、という感じの作品でした。