ハンバーガー・ヒルの紹介:1987年アメリカ映画。ベトナム戦争中の1969年、アメリカ軍は北ベトナム軍と激しい戦いを繰り広げています。エイショウ・バレーは北ベトナムにおける軍の重要な拠点です。101空挺師団は新兵を訓練しますが、白人兵と黒人兵の対立など内部の問題を抱えます。空挺師団は犠牲者を出しながらも、エイショウ・バレーの937高地の占領を目指します。本作は1987年公開の映画で『プラトーン』『フルメタル・ジャケット』などと並ぶ、ベトナム戦争映画の傑作です。様々な背景を持つ若者が、仲間割れをしながらも同じアメリカ人として団結し勝利に突き進むストーリーですが、アメリカ軍の戦いやベトナム戦争を正当化するというよりは、戦争の悲劇、人種差別の愚かさなどを感じさせるストーリーになっています。
監督:ジョン・アーヴィン 出演:アンソニー・バリル(ヴィンセント・アルファベット・ラングイリ)、マイケル・ボートマン(レイ・モータウン)、ドン・チードル(ジョニー・ウォッシュバーン)、マイケル・ドラン(ハリー・マーフィー)、ドン・ジェームズ(エリオット・マック・マクダニエル)、ディラン・マクダーモット(アダム・フランツ)、マイケル・A・ニックルズ(ポール・ガルヴァン)、ハリー・オライリー(マイケル・ダフィー)、ダニエル・オーシェア(フランク・ゲイガン)、ティム・クイル(ジョー・ベレツキー)、トミー・スワードロウ(マーティン・ビーンストック)、コートニー・B・ヴァンス(エイブラハム・ドク・ジョンソン)、スティーヴン・ウェバー(デニス・ウースター)、ティーガン・ウェスト(テリー・イーデン)、ほか
映画「ハンバーガー・ヒル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ハンバーガー・ヒル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ハンバーガー・ヒルの予告編 動画
映画「ハンバーガー・ヒル」解説
この解説記事には映画「ハンバーガー・ヒル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ハンバーガーヒルのネタバレあらすじ:起・101空挺部隊の新兵と来るべき戦闘
1969年ベトナム。アメリカ軍は北ベトナムの共産主義勢力と戦います。激しい戦場で多くの死者を出し、第101空挺師団は再編成の必要に迫られます。次の戦闘は北ベトナム軍の拠点エイショウ・バレーです。
師団は、ラングイリ、ウオッシュバーン、ガルヴァン、ベレツキー、ビーンストックの5人の新しい兵士を迎え入れます。その中の一人、ラングイリ(アンソニー・バリル)は女好きで、現地の女性に声をかけ、他の兵士からからかわれます。5人はトラックで部隊の基地に到着します。
兵士たちは泥だらけになりながら陣地の構築をします。ラングイリは、ベレツキー(ティム・クイル)の彼女の写真を見て、彼女を侮辱したとして喧嘩になりますが、なんとか仲直りします。師団のリーダーの一人フランツ軍曹(ディラン・マクダーモット)はウースター軍曹(スティーヴン・ウェバー)と現地女性の経営する酒場で酒を飲み休息します。
イーデン大尉(ティーガン・ウェスト)は手紙の書き方を兵士に教えます。ドク(コートニー・B・ヴァンス)は黒人の衛生兵で、白人兵士ビーンストック(トミー・スワードロウ)の態度が気に入らず、厳しい態度で歯の磨き方を指導し、軍隊では伝染病は危険なのだと教育します。
ウースターとフランツは、来たるべきエイショウ・バレーの戦闘について、5人の新兵を気にかけます。フランツは5人の新兵に、敵である北ベトナム軍の恐ろしさを説明します。
食事中、黒人兵の古参兵モータウン(マイケル・ボートマン)は、同じ黒人兵のウォシュバーン(ドン・チードル)、そしてドクと共に故郷のことを話し、またアメリカ社会の人種差別について語ります。
そこへ、北ベトナム軍の攻撃が始まります。戦闘は短時間で終了するものの、死者が一人でます。ドクはその死者の身元が特定できず興奮し、フランツになだめられます。
基地の近くの酒場で兵士達は酒を飲んでいた時、ビーンストックはドクに侮辱的な態度をとり、そこへラングイリも来て、ドクを侮辱します。するとドクはラングイリを殴ります。二人は他の兵士によって喧嘩を止められます。
ハンバーガーヒルのネタバレあらすじ:承・エイショウ・バレーでの戦闘開始
ヘリコプターで101空挺師団はエイショウ・バレーへ移動します。1969年5月10日、部隊はパトロール中に北ベトナム軍の攻撃を受けます。黒人兵のマック(ドン・ジェームズ)は撃たれて死亡します。兵士たちは必死で衛生兵のドクを呼びます。
敵の攻撃の合間に師団はしばし休息をとっていると、ドクとフランツはマックが死んだ責任のなすり合いをはじめて口論となります。ドクは他の黒人兵から慰められ、フランツはウースターから慰められます。師団はエイショウ・バレーの937高地の重要性について話し合い、同高地への攻撃を決定します。
5月11日、937高地への攻撃が始まります。しかし、北ベトナム軍の攻撃は激しく師団では死傷者が増えます。夜、ラングイリとビーンストックは北ベトナムから流れるラジオでの宣伝放送を聞きながら、世間話をします。
5月15日、再び師団は937高地に激しい攻撃を始めます。戦闘は接近戦となり、アメリカ軍と北ベトナム軍が取っ組み合いの戦いを始めます。
アメリカ空軍は空から攻撃しますが北ベトナム軍は地下に隠れ、効果はありません。師団は無線でさらなる援軍を求めると、駆けつけた米軍ヘリコプターは師団の兵士を誤って攻撃してしまいます。ダフィー(ハリー・オライリー)は機関銃を持って戦いますが、ヘリコプターによる誤射の犠牲になりました。
戦闘の合間の休息に、ベレツキーは彼女からの肉声のカセットテープを聞きます。カセットの電池を無駄にするなと言う黒人兵に対し、ベレツキーはその黒人兵士と喧嘩になります。
ハンバーガーヒルのネタバレあらすじ:転・731高地を目指す101空挺師団
5月16日、激しい戦いは続きます。ドクは負傷兵を助けます。ビーンストックは彼女からの手紙を読むと「もう手紙を書かない」と書かれていました。それは友人達の反戦運動のため、この戦争に誇りを持てないからだと書いてありました。ビーンストックは泣き、ラングイリはそんな彼を慰めます。
5月17日、テレビ局の取材にドクは9回高地を攻撃したと言います。メディアは高地を取れないアメリカ軍に批判的ですが、フランツは怒って高地を取ると言います。
戦闘の合間の休息時、ビーンストックはカナダに逃げればよかったと泣き言を言います。ドクはそのような白人兵の態度に反発し、黒人は教育を受けられず戦争に行かざるをえない現状を話します。ビーンストックはドクに反発するものの、結局二人は握手して和解します。
5月18日、10回目の攻撃。雨の中での攻撃でドクは負傷します。ドクは手当てを受けるものの、高地を取れと言い残して亡くなります。フランツは黒人兵と共に泣き、ビーンストックは遠くからドクの死に様を見て涙を流します。
ハンバーガーヒルの結末:11回目の最後の攻撃
5月20日、11回目の攻撃でアメリカ兵は突撃し敵を倒して進みます。フランツは部下に総攻撃を命じます。イーデンは他の兵士からを腕を吹き飛ばされていることを指摘され、驚きます。フランツが前に進んでいくと、モータウンの亡き骸を目撃します。そして、ビーンストックも死亡します。
アメリカ軍は丘の頂上近くまで前進しますが、北ベトナム軍の陣地からの攻撃も激しくなり、かなりの接近戦になります。ラングイリは北ベトナム軍兵士に銃剣で刺されて死亡します。フランツは動揺しながらも、ついに丘の上にたどり着きます。北ベトナムの攻撃もなく、アメリカ軍は丘を占領しました。
フランツ、ベレツキー、ウオッシュバーンは丘の頂上に立ちますが、無言です。他の米軍兵士も、続々と頂上に立ちます。兵士達はこの丘を、兵士達がミンチのようにされたことから『ハンバーガー・ヒル』と名付けるのでした。
以上、映画「ハンバーガー・ヒル」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する