太陽の中の対決の紹介:1965年アメリカ映画。1961年に発表されたエルモア・レナードの小説「Hombre」を映画化した異色の西部劇です。白人でありながら原住民アパッチ族に育てられた男が白人の世界に戻るものの、先住民を食い物にする悪人が絡む事件に巻き込まれていく過程をアメリカ社会が抱え続ける問題も絡めて描きます。
監督:マーティン・リット 出演者:ポール・ニューマン(ジョン・ラッセル)、フレデリック・マーチ(アレックス・フェイヴァー)、リチャード・ブーン(シセロ・グライムズ)、ダイアン・シレント(ジェシー・ブラウン)、マーティン・バルサム(ヘンリー・メンデス)、バーバラ・ラッシュ(オードラ・フェイヴァー)、キャメロン・ミッチェル(フランク・ブラデン)、ピーター・ラザー(ビリー・リー)、マーガレット・ブライ(ドリス・リー)、フランク・シルヴェラ(メキシコ人の盗賊)ほか
映画「太陽の中の対決」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「太陽の中の対決」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
太陽の中の対決の予告編 動画
映画「太陽の中の対決」解説
この解説記事には映画「太陽の中の対決」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
太陽の中の対決のネタバレあらすじ:起
1880年代のアメリカ・アリゾナ東部。かつては原住民アパッチ族の土地だったこの地も今や白人に奪われ、アパッチ族はサン・カーロスの保護地への移住を余儀なくされていました。この地にも将来鉄道が敷かれることになっており、これまでの移動の主流だった駅馬車の時代も終わりを迎えようとしていました。
この地のアパッチ族の中に、白人でありながらアパッチ族に育てられた一人の男、ジョン・ラッセル(ポール・ニューマン)がいました。ラッセルは周囲から“オンブレ(男らしい男)”と呼ばれていました。
ある日、ラッセルの養父がこの世を去りました。養父が遺産として残したのは下宿屋となっている家と時計でした。ラッセルは駅馬車の御者を引退したヘンリー・メンデス(マーティン・バルサム)に駅馬車の停泊所に呼び出され、メンデスも住んでいるこの下宿屋に住むよう勧められました。
コンテンションという場所で馬を買う計画を立てていたラッセルは、下宿屋を切り盛りするジェシー・ブラウン(ダイアン・シレント)にこの家を売り払うことを告げ、ジェシーはこの下宿屋を買い取ることを考えました。
ジェシーはしがない保安官フランク・ブラデン(キャメロン・ミッチェル)に求婚しましたが、町を出て行く決意を固めていたブラデンは彼女の申し入れを断りました。
太陽の中の対決のネタバレあらすじ:承
数日後。先住民居住地の顧問である初老の男アレックス・フェイヴァー(フレデリック・マーチ)と若い妻オードラ(バーバラ・ラッシュ)が馬車を借りるためにメンデスの元を訪れました。
メンデスは最初のうちは馬車を貸すことを断ったものの、フェイヴァーは馬車を買い取ると言い出したので、メンデスはラッセル、町を出ることにしたジェシー、下宿に住んでいた新婚夫婦のビリー・リー(ピーター・ラザー)と妻ドリス(マーガレット・ブライ)、そしてフェイヴァー夫妻を乗せて駅馬車を走らせることにしました。
出発の直前、駅馬車の待合所に突如現れたシセロ・グライムズ(リチャード・ブーン)という男が他の客から強引に乗車券を奪い、ラッセルらの乗る駅馬車に乗り込みました。駅馬車はそのまま出発し、ラッセルの生い立ちを聞いたフェイヴァーは彼を御者の横に移すようメンデスに指示しました。
一行は途中の中継所で3人組の無法者ガンマンの存在を知らされ、用心のために迂回路として険しい山道を通ることにしました。駅馬車は途中の廃鉱で休憩を取り、鉱山から山頂に向かったところで待ち伏せしていた3人組に遭遇しました。
3人組の中には保安官から悪党に身を落としたブラデンの姿があり、そしてこの3人組の仲間であったグライムズともう一人のメキシコ人(フランク・シルヴェラ)が加わりました。
太陽の中の対決のネタバレあらすじ:転
グライムズ一味の目的は、政府からの先住民への食料費を横領して私腹を肥やしていた極悪人フェイヴァーでした。グライムズらはフェイヴァーから大金を奪い取り、オードラを人質に取って逃走しました。ラッセルは隠し持っていたライフルを手にグライムズらの後を追い、ブラデンともう一人を射殺して金だけは取り戻しました。
ラッセルは一足先に出発していたグライムズらが戻って来るところを待ち伏せし、メキシコ人に傷を負わせました。グライムズはラッセルに対し、オードラの身柄と金を交換しようと持ちかけてきましたがラッセルはこれを拒絶しました。この間にフェイヴァーはどさくさに紛れてメンデスの銃を奪い、金と水を持って逃げようとしましたが、ラッセルに見つかって一人原野に追放されました。
一行は廃鉱に引き返し、小屋に身を潜めてグライムズ一味との対決に備えることにしました。そこに疲れ切ったフェイヴァーが辿り着き、やがてグライムズ一味も姿を現しました。ジェシーはフェイヴァーを小屋に匿い、ラッセルはグライムズ一味と対峙しました。
太陽の中の対決の結末
グライムズ一味は炎天下の元、オードラを縛り上げて金を要求してきました。このままではオードラは喉の渇きと日射病で命を落とすのみであり、ジェシーはラッセルにオードラを助けるよう言い寄りましたが、ラッセルは駅馬車の中で自分を侮辱したオードラを助けるつもりはありませんでした。
いよいよオードラの体力の限界が近づき、ラッセルはフェイヴァーが先住民にした仕打ちを思いながらもオードラを助けることにしました。ラッセルは誰かに金を渡しに行かせようとし、ジェシーが行くことにしましたが、結局はラッセル自ら金の入ったバッグを持っていくことにしました。
その際、ラッセルはバッグから金を抜き取ってビリーに預け、先住民に渡すように指示すると、空のバッグを持って一味の元に向かいました。
ラッセルは空のバッグをグライムズに渡し、オードラを解放することに成功しました。ラッセルはグライムズとメキシコ人を射殺しましたが、生き残った最後のガンマンによって射殺されてしまいました。そのガンマンもビリーに撃ち殺され、ラッセルの遺体に駆け寄ったジェシーは遺体を町に持ち帰って弔うことにしました。
以上、映画「太陽の中の対決」のあらすじと結末でした。
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