ホームレス中学生の紹介:2008年日本映画。芸能お笑いコンビ麒麟の一人、田村裕の中学生時代のホームレス体験談の映画化作品ホームレス中学生。田村が中学生の頃、突然「解散!」と父親の一言から始まったホームレス生活。3人兄弟の人生はどうなっていくのでしょうか。
監督:古厩智之 原作:田村裕 出演:小池徹平(田村裕)、西野亮廣(田村研一)、池脇千鶴(田村幸子)、イッセー尾形(田村一朗)、古手川祐子(田村京子)ほか
映画「ホームレス中学生」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ホームレス中学生」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ホームレス中学生」解説
この解説記事には映画「ホームレス中学生」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ホームレス中学生のネタバレあらすじ:夏休みを前にして、田村家、突然の「解散!!」
当時、中学2年生だった田村裕は一学期の終業式を終え、校門でガールフレンドから映画の誘いを受け、また友達とも遊ぶ約束をしてウキウキした気分で家に帰りました。ところが家に帰ると、家財道具の一切合切が外に放り出された状態で、玄関扉の前では“KEEP OUT 差し押さえ”とテープが貼ってありました。突然のことなので訳も分からず茫然としていたら、姉や兄たちが帰って来て、そのあと父親も姿を見せます。その父親から信じられない一言が放たれ、田村家はその場で解散、みんなバラバラとなって生きてゆくことになりました。
ホームレス中学生のネタバレあらすじ:公園が家、雨がシャワー、食事は雑草や水、段ボール!?
田村は兄や姉たちに負担をかけまいとして、一人で生活することに決めます。「まきふん公園」と呼ばれるうんこ型のすべり台をねぐらにし、トイレがないので外で用を足し、雨がシャワー代わりになります。初日に半額引きの弁当を買って所持金がほぼ底をついてしまったため、水をがぶ飲みしたり、草や段ボールを食べたり、パンの耳を鳩にあげているおじさんからそれを分けてもらったりして、何とか空腹をしのぎました。近所の子どもたちとの壮絶なバトルなどもユーモアを交えて描かれます。
ホームレス中学生のネタバレあらすじ:友達が家に泊めてくれるたことで、何とか窮地はする
そんなある日、歩道橋でうずくまっていたところへ、学校の友達と出会い、家に泊めてくれることになります。友達の両親はいい人(父親の顔はやや恐いが)で、田村や散り散りになっていた兄や姉を招き、しばらくの間、一緒に生活することになります。そして、民生委員のおばちゃんや近所のご夫婦の協力で、空き家になっていた家を借り、生活保護を受ける手続きを整え、3人ともそこで暮らしていくことになるのです。これで住むところは確保されました。相変わらず食事は貧しいものでしたが、学校生活にも復帰でき、しばらくは明るさを取り戻せたのでした。
ホームレス中学生のネタバレあらすじ:お母さんの死を引きずる田村
しかし、まだ苦しみから解放された訳ではありませんでした。田村は幼い頃、お母さんを亡くしていました。お母さんが父親と関係が上手くいかない時や、病気になって入院した時など、田村は心配して、笑わせて励まそうとしました。そうしているうちに、お母さんは他界しましたが、不思議と涙は出ませんでした。きっとまた会えると信じていたからです。しかし、親のように優しくしてくれた民生委員のおばちゃんの突然の死を目の当たりにしたことで、ようやく死の意味が分かり、もう会えないことを悟ります。そして、まだお母さんに甘えたかったのに甘えられない寂しさが出て来てしまい、学校も休みがちになり、姉とのケンカを機にまた家を出てしまいます。
ホームレス中学生のネタバレあらすじ:警察に保護され、兄ちゃんに牛丼をおごってもらい、再びわが家へ
家を出た後、自転車で海を見にいき、砂浜に寝転がります。そして、寒いので毛布をかぶりながら夜間、自転車でぶらぶらしているところを不審に思った警察に「そこの毛布!」と呼ばれて捕まり、交番へ連れて行かれます。兄ちゃんが警察にお礼を言って、牛丼屋に田村と一緒に入り、姉ちゃんには内緒で弟にだけ(自分の分は注文せず)牛丼を食べさせようとします。牛丼が来るまでの間、田村は胸の内を語りだします。お母さんの死の意味がはっきりわかったこと、生きていくのがこんなにしんどいなら、もう死んでもいい、そうすれば兄も楽になるし、お母さんに会えるのだったらそれでもいいと。兄ちゃんは弟を突き飛ばし、自分もしんどい、だからこそ、一人では耐えられないからこそ、一緒にいるんじゃないかと、そして弟がいてくれないとあかんと、弟の存在を必要としている気持ちを伝えます。やがて注文していた牛丼ができ、兄ちゃんは弟に牛丼を食べさせます。
ホームレス中学生の結末
牛丼屋を出た後、姉ちゃんは昼から家を出る、帰るか帰らないのか、最後に決めるのは弟自身だと言い、その場を去ります。田村は自分の居場所がそこしかないことを認め、家に帰ると、お皿の上に真っ白なおにぎりが二つ、「おかえり」と書かれた手紙と共に、置いてありました。
そしてこのあと、田村がお母さんを笑わせていたように、人を笑わせる仕事、お笑い芸人になってステージの上に立っている姿が映し出され、エンドロールとなります。
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