ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープルの紹介:2016年ニュージーランド映画。『マイティ・ソー バトルロイヤル』を手がけたタイカ・ワイティティが監督を務める作品。何度も里子に出されては問題行動を起こす不良少年リッキー。児童福祉局によって、ニュージーランドの森で生活するベラとヘクターのもとで新しく生活を始める。里親のベラの親切さに触れ心を開くようになるが、ベラの死をきっかけに森の中を潜入し、探しに来たヘクターも骨折により森でのサバイバル生活を余儀なくされてしまう。
監督:タイカ・ワイティティ 出演者:ジュリアン・デニソン(リッキー・ベイカー)、サム・ニール(ヘクター・フォークナー)、リマ・テ・ウィアタ(ベラ・フォークナー)、レイチェル・ハウス(ポーラ・ホール)、オスカー・カイトリー(アンディ・タッパート)、ほか
映画「ハントフォーザワイルダーピープル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ハントフォーザワイルダーピープル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープルの予告編 動画
映画「ハントフォーザワイルダーピープル」解説
この解説記事には映画「ハントフォーザワイルダーピープル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープルのネタバレあらすじ:起
何度も問題行動を起こしている不良少年のリッキー。ある日、児童福祉局のポーラに連れられて、森に住むベラとヘクターの元に預けられます。ベラはあたたかくリッキーを出迎えますが、偏屈なヘクターは親しみを見せません。リッキーもベラたちの就寝を見計らって家出をしたり、わざと暴力的な言動をしますが、狩猟を中心に生活しているベラとヘクターには痛くもかゆくもありません。それどころか、ベラが豚をナイフ一本で仕留める様子にリッキーが参るほどでした。13歳の誕生日にはプレゼントの犬をもらい、ベラの親切さにリッキーは心を開きはじめていました。
ある日、リッキーが野原でプレゼントでもらった犬・トゥパックと一緒に遊んでいると、トゥパックがいきなり家のほうへ戻っていきます。そこには血まみれで死んだベラを抱きかかえるヘクターがいました。突然のベラの死に呆然とするリッキーとヘクターの元に、児童福祉局からリッキーを施設に戻すという知らせが届きます。リッキーは施設に戻りたくないと主張しますが、ヘクターは福祉局の言うとおりにするよう迫ります。家を離れ、しばらく周囲に広がる広大な森・ブッシュで過ごそうとしていたのです。何が何でも施設に戻りたくないリッキーは、ある早朝、焼身自殺を偽装しブッシュに潜入します。
ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープルのネタバレあらすじ:承
リッキーはおともにトゥパックをつれていますが、地図も無ければ食料もありません。迷って途方にくれていると、ヘクターと飼い犬のザグが見つけにきました。ヘクターは慣れた様子で地図も無く森を歩き、リッキーとともに森を散策します。しかしリッキーは憎まれ口をたたき、ヘクターが文字を読めないことをからかいます。それに怒ったヘクターがリッキーに殴りかかろうとした瞬間、ヘクターは足元の石につまずき足を骨折してしまいました。リッキーだけでは森を出ることもできず、しばらくブッシュでサバイバル生活をせざるを得ませんでした。その頃、児童福祉局のポーラはヘクター家を訪れていました。2人の不在にポーラは警察へ捜索を依頼します。
ヘクターが歩けるようになると、2人は散策を再開します。そこで見つけた山小屋で久しぶりにあたたかいベッドやシャワーができると安堵しているところ、ヘクターはとある新聞記事を見つけます。記事にはヘクターとリッキーの2人が行方不明で、ヘクターは誘拐犯として指名手配中だと記されていました。間が悪いことに、狩猟中の男性集団にも遭遇します。男性たちはリッキーに暴行されていないかたずね、リッキーもヘクターを弁護しますが、言葉が足りないせいで性犯罪者という冤罪をかけられてしまいます。帰る場所の無いリッキーと犯罪者扱いされてしまったヘクターは警察から逃れるため、広大なブッシュでサバイバル生活をしながらの逃避行を始めます。
逃避行の途中、2人はめずらしい鳥を見つけました。「フイナ」という鳥で、すでに絶滅したといわれている鳥です。驚きの発見の証拠を撮ろうにもカメラは持ち合わせておらず、おまけに最後にお風呂に入ったのは一ヶ月前でした。このせっかくの機会に、再び山小屋を見つけて一夜を過ごそうと決意します。
ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープルのネタバレあらすじ:転
人気のない山小屋に潜入した二人は、食料と服をあさります。リッキーがベッドのカーテンを開けると、そこには目を見開いたまま倒れている森林監視員がいました。驚きを隠せませんが、森林監視員の容態は深刻なもので見過ごすわけにもいきません。見かねたヘクターは監視員を看病し、その間にリッキーが川沿いの民家まで助けを呼ぶことを提案します。
森を駆け抜けると、草原で馬に乗る一人の少女に出会います。リッキーを見ても驚く様子も無く、急病人がいると伝えると少女は承諾し、リッキーを馬に乗せ彼女の家に向かいました。少女は自宅でリッキーをもてなし、彼の代わりに警察へ連絡を取ります。リッチーたちが失踪していることは連日ニュースになっており、彼女も彼女の父親もリッチーが指名手配中の少年だということを知っていました。しかし通報する様子も無く、むしろ少女の父親はリッチーとヘクターを英雄視していました。暖かい部屋ともてなしに思わずリラックスしてしまったリッチーは、ヘクターとの「朝までには戻る」という約束を破って朝まで寝てしまいます。
翌朝、急いで山小屋に戻るとすでに警察が押し寄せていました、ヘクターもすでに小屋を出た後でした。リッチーは一度ヘクターとはぐれたものの、無事におじさんとの再会を果たします。この時点ですでに2人の逃避行は四ヶ月を経過していました。冬になっても二人の逃避行は続き、追うよう警察や賞金狙いのハンターも捜索を続けます。ある日、二人が草むらを歩いていると、草をまとった謎の男に出会います。男は政府の目を逃れてブッシュでひとり暮らすサイコ・サムと名乗ります。久しぶりの屋内での過ごす夜、リッチーはかつて心理カウンセラーから教わった俳句をノートに書いていました。そこにはブッシュで過ごした思い出がつづられていました。
ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープルの結末
翌朝、リッキーは捜索隊の影を見つけます。サムが勝手にリッキーの携帯を充電したことで電波傍受により位置がばれてしまっていたのです。警察が迫る中、リッキーとヘクターはサムの所有する四輪駆動の車で窮地を脱します。無免許ながらリッキーは四輪駆動の車を運転し、森を抜け軍事宴衆生に乗り込み捜索隊とカーチェイスをはじめます。捜索車両やヘリは迫り、ガソリンもつきかけていました。さらに私有地の壁に激突し、2人は車から放り出されます。リッキーは自由に生きるギャングのような生活をずっと続けたいと感じていましたが、ヘクターは逃避行の限界を感じ、投降を試みますがリッキーはそれを受け入れられません。すでにヘクターは家族も同然であり、離れ離れになるのがいやだったのです。しかしリッキーの誤発砲により、ヘクターは逮捕され、リッキーと離れ離れになってしまいます。
リッキーは養育に関する裁判を経て、森の中で出会った少女とその父親のもとに引き取られます。ヘクターは刑期を終え、更正者向けの老人ホームに入所していました。久しぶりにヘクターと面会したリッキーは、新しい引き取り先の家庭でヘクターも一緒に暮らしたいと提案しますが、意地っ張りなヘクターはなかなか承諾しません。リッキーが諦めて帰ろうとした矢先、ヘクターはリッキーの影響で読んだ俳句を披露します。その俳句はリッキーとブッシュで過ごした思い出を詠んだものでした。ヘクターにとってもリッキーとの旅は楽しいものだったのです。時を経て、ヘクターとリッキーは家族として共に暮らします。そしてかつての逃避行で見つけた「フイナ」を探し写真に収めるため、2人はまたブッシュを探検し始めるのでした。
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