26世紀青年の紹介:2006年アメリカ映画。500年の冬眠実験から覚醒した男性が、馬鹿ばかりになってしまった国を立て直そうとするSFコメディ。アメリカ国防総省は、極秘に人間の冬眠実験を進めていた。被験者として選ばれたのは、凡人の軍人ジョーと売春婦のリタ。2人は1年間という約束で実験に参加したが、手違いで目を覚ました時には500年の時が経過していた。未来の世界は馬鹿ばかりが溢れ返り、農作物は育たず、砂漠化が進んでいるという悲惨な状態。その中で最も高い知能を持つジョーは、面倒事の解決を押し付けられてしまった。ジョーは何とかしてタイムマシーンを見つけ出し、元の時代に戻ろうと計画するのだが。
監督:マイク・ジャッジ 出演者:ルーク・ウィルソン(ジョー・バウアーズ)、マーヤ・ルドルフ(リタ)、ダックス・シェパード(フリート)、テリー・アラン・クルーズ(カマチョ大統領)、アンソニー・“シトリック”・カンポス(国防長官)ほか
映画「26世紀青年」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「26世紀青年」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
26世紀青年の予告編 動画
映画「26世紀青年」解説
この解説記事には映画「26世紀青年」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
26世紀青年のネタバレあらすじ:人間冬眠実験
21世紀、人間の知能は低下の一途を辿っていました。生存競争の無い社会では繁殖力が強い者ほどはびこり、知性の高い者は今や絶滅危惧種です。IQの高い夫婦は子作りに関して慎重になり、結局作らずじまい。逆にIQが低い夫婦は避妊もせず次から次へと子どもを作り、浮気相手との間にも子どもを作り、結果的に馬鹿が量産されていきました。
2005年、アメリカ・ワシントン郊外の軍事基地。資料室でテレビばかり見ている軍人ジョー・バウアーズは、突然の異動命令で国防総省の極秘実験に関わることになります。人間冬眠実験と呼ばれるこの試みは、有能な人間を冷凍保存することが目的でした。ジョーはとことん平均的で家族もないため、被検体第1号に選ばれたのです。
女性の被検体は、同じような理由から売春婦のリタが選ばれました。彼女のヒモであるアップグレイドが、客引きなどの違法行為に目を瞑ることを条件に提供してきたのです。
冬眠の期間は1年。2人は不安に思いながらも、棺桶のようなポッドで眠りに就きました。ところがここで思わぬハプニングが起こります。アップグレイドが売春斡旋の容疑で捕まり、彼と交友のあった冬眠実験の責任者も逮捕されてしまったのです。こうして実験自体が忘れ去られ、基地も閉鎖されてしまいました。
26世紀青年のネタバレあらすじ:最悪の目覚め
それから人類は恐ろしい早さで馬鹿になっていきました。人口が爆発的に増加する一方知的な者がいなくなり、一般的な問題への対処すら出来なくなってしまいます。
そして500年後、何世紀もの間積み重ねられてきたゴミの山が、ついに大規模な雪崩を起こして街に流れ込んでいきました。ゴミ雪崩ごと弁護士フリートの部屋に突っ込んだジョーのポッドは、その衝撃で冬眠状態が解除されます。ジョーは馬鹿丸出しのフリートや、ゴミだらけの街を見て1年で随分様変わりしたと驚愕しました。人々に知性はほとんど感じられず、砂嵐は吹き荒れ、飲料といえば緑色のスポーツドリンクです。水はトイレを流すことくらいにしか使っていませんでした。
ジョーは幻覚を疑い診察を受けた病院で、やっと自分が500年眠っていたと知ります。彼は不審人物として逮捕され、フリートのめちゃくちゃな弁護がダメ押しとなり有罪判決が下されてしまいました。アメリカ身分証プログラムと称してタトゥーを彫られたジョーは、刑務所で異様に低レベルな知能検査を受けます。
その後、隙を見て脱走しフリートに会いに行きました。元の時代に戻りたいので、タイムマシーンはないかと尋ねます。500年も経てば発明されているのではないかと踏んだジョーの予想は当たりました。フリートにタイムマシーンまで案内して貰うことにしたジョーは、途中でリタを見つけます。彼女はまだ500年経っていることに気付いていませんでした。
26世紀青年のネタバレあらすじ:無理難題
タイムマシーンに向かうシャトルに乗ろうとした時、ジョーは逃走犯として警察に捕まってしまいます。しかし行き先は刑務所ではなく、ホワイトハウスでした。実は、知能検査で史上最高得点を叩き出したジョーは、世界で最も利口な人間だと判断されていたのです。
プロレスラーでポルノスターの大統領カマチョは、ジョーを内務長官に任命しました。更に国が抱える問題を全てジョーが解決してくれると民衆に演説してしまいます。そんな能力は無いと拒絶するジョーですが、失敗すれば刑務所に戻すと脅され従うしかありませんでした。
ジョーはリタとフリートを見つけて貰い、タイムマシーン探しの傍ら畑の視察に向かいます。農作物の状態は思っていたより深刻でした。未来人達は、畑にまで水ではなくスポーツドリンクを撒いていたのです。ドリンクに含まれる塩分が原因で作物が枯れ、その結果砂嵐が発生していたのでした。ジョーはすぐにスポーツドリンクを畑に撒くことを止めさせ、水に切り替えます。
ところがこれが原因でスポーツドリンクの企業の株が暴落し、国民の半分が失業してしまいました。ジョーは責任を問われて裁判にかけられ、「リハビリ」を課せられます。ジョーには何のことか分かりませんでしたが、それは実質公開処刑でした。
ジョーは面会に来たリタに、タイムマシーンに乗って元の時代に戻れと言います。そして本を読むこと、きちんと学校に通うこと、脳を使ってじっくりものを考えることを広めて欲しいと頼みました。
26世紀青年のネタバレあらすじ:希望の芽
ジョーの公開処刑はテレビでも中継されました。会場では大統領達が大はしゃぎで処刑人を煽っています。あまりの残酷さにテレビから目を逸らしたリタは、窓の外に花が咲いているのを見つけました。やはりジョーのやり方は間違っていなかったのです。
リタはフリートと共に急いで会場に向かいました。途中の畑にも一斉に芽が出ています。リタはカメラマンを買収し、フリートと共に畑の芽を撮影させました。それを会場のモニターに映します。あわや殺されかけていたジョーは、この功績が認められ一転ヒーローになりました。
その夜、街はお祭り騒ぎに包まれます。大統領から副大統領に任命されたジョーは、家に帰るからと辞退しました。しかし未来人達から見捨てないでくれと縋るような目を向けられ、彼らに不思議な愛着を抱いていたジョーはこの時代に残ることを決意します。人々が喜びに湧く中、思いがけない情報がもたらされました。タイムマシーンは、実はただのアトラクションだったのです。
26世紀青年の結末:新たな一歩
ジョーは短期間副大統領を務めた後、大統領に就任しました。フリートが副大統領で、リタがファーストレディです。ジョーは国民に向けて、かつて利口なことはクールで格好良いことだったと話し、その時代はまた必ず来るだろうと演説しました。
ジョーとリタは3人子どもをもうけました。世界一利口な子ども達です。フリートには妻が8人、子どもは32人いました。世界一馬鹿な子ども達です。ジョーは人類を救えなかったかもしれませんが、前に進むきっかけを作ることが出来ました。
そんな折、街でゴミに埋もれていたポッドが開きます。実はアップグレイドも冬眠実験に参加していたのです。覚醒した彼はリタを探して街を歩き出しました。波乱の展開を予感させつつ、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「26世紀青年」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する