イカリエ-XB1の紹介:1963年チェコスロヴァキア映画。チェコスロバキア初の本格的SF映画。スタニスワフ・レムの『マゼラン星雲』を自由に翻案し、22世紀の宇宙船の旅をサスペンス豊かに描く。国際的に高い評価を得た本作品は『スタートレック』や『2001年宇宙の旅』にインスピレーションを与えた。
監督:インドゥジヒ・ポラーク 出演者:ズデニェク・シュチェパーネク(アバイェフ艦長)、ラドヴァン・ルカフスキー(マクドナルド副艦長)、フランチシェク・スモリーク(アントニー)、オト・ラツコヴィチ(ミハル)、ダナ・メドジツカー(ニナ)、イレナ・カチールコヴァー(ブリジタ)、ほか
映画「イカリエ-XB1」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「イカリエ-XB1」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
イカリエ-XB1の予告編 動画
映画「イカリエ-XB1」解説
この解説記事には映画「イカリエ-XB1」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
イカリエ-XB1のネタバレあらすじ:調査旅行に旅立つ
2163年、地球周回軌道上にとどまっていた宇宙船イカリエ-XB1はアバイェフ艦長以下40人の様々な国籍の男女から成る乗組員を乗せて世界で初めて生命調査の旅に出た。目的地は、生命の存在が期待されるアルファ・ケンタウリ惑星系。地球への帰還予定は15年後。乗組員は、その間2歳ほどしか年をとらない。マクドナルド副艦長は妻レナと巨大モニター越しに最後の会話をする。歴史学者のレナは夫と共に探検に参加するはずだったが、妊娠中なので地球に残ることになった。夫は歳を取らないのにイカリエが帰還する時は娘が大きくなっている。そして彼女は乗組員のシュテフィーによろしくと言う。
イカリエの中ではシュテフィーが他の乗組員の子を身ごもっていることが明らかになる。 マクドナルド副艦長は妻がなぜ同行できなかったのかと不満を漏らすが、艦長は、レナがシュテフィーの妊娠を知っていて自分より若い彼女に宇宙旅行中の出産という「実験」を譲ったことを教える。
イカリエ-XB1のネタバレあらすじ:20世紀の遺物との遭遇
ある日、古いロボットのパトリックを私物としてもちこんでかわいがっている数学者アントニーの誕生日を祝ってダンスパーティーが開かれる。 スカートは久しぶりと言う女性乗組員。ふだんの緊張を解いて楽しむ乗組員たちだが、その輪に副艦長だけは入れなかった。
そこに緊急事態の警報が鳴る。 近くに謎の物体が現れた。最初は彗星と思われたそれは宇宙船だった。なぜか通信に応じない。探査シャトルを飛ばすことにする。副艦長はロボットを送るべきと主張したが、艦長はヘロルドとペトルの二人の乗組員を送り出す。ロボットだと宇宙船の知的生命体に失礼かもしれないからだ。
宇宙船の船室のドアには地球の数字が書かれていた。謎の宇宙船は、20世紀に地球から旅立ったものと判明する。 だが、乗組員は全員死亡している。なんらかの事故に遭遇した船内で酸素が不足し、二人の司令官が生き残るために他の乗組員を毒ガスで殺したと推定される。 残った二人も最後にお互いを殺しあったようである。やがて船に核兵器が搭載されていることがわかり、ヘロルドとペトルは急いで船を去ろうとするが、脱出直前に難破船は爆発してしまう。
二人の乗組員を失って艦長はヒロシマやアウシュビッツの悲劇を引き起こした20世紀人を呪うが、ピアノを弾いていた乗組員が、でも作曲家のオネゲルも20世紀の人ですと言う。
イカリエ-XB1のネタバレあらすじ:ダーク・スターの影響
イカリエ-XB1の旅は続く。エリックとミハルが10分ほど船外作業を終えた。このいつも通りの仕事が危機の始まりだった。突然、ミハルが意識不明になる。コンピューターは彼の死亡を宣言するが、ミハルはすぐに意識を取り戻す。ほっとするのもつかの間、今度はエリックが意識を失う。その後、他の乗組員も原因不明の疲労感と眠気に襲われる。
アントニーが、疲労感と眠気の原因が、これまで未知だったダーク・スターから発せられる放射能であることに気づく。この危機にマクドナルド副艦長は任務を打ち切って地球に帰還することを主張するがアバイェフ艦長がそれを却下する。船医によると乗組員たちは60時間眠り続けるだろう。やがて全乗組員が眠りに落ちる。
イカリエ-XB1のネタバレあらすじ:地球は消えた
25時間後、乗組員たちは目覚め始める。アントニーはなぜ60時間でなく25時間なのか不審に思うが、危機は回避されたと思われた。
しかし、船外作業中にダーク・スターの強い放射能を浴びていたエリックがやけどの症状を現して倒れる。やはりひどく被曝しているミハルはそれを見て自暴自棄になり錯乱して中央制御室を封鎖し「地球は消えた」とさわぐ。イカリエ号機能停止の危機に、アントニーはパトリックにバーナーで壁を焼かせてミハルに近づかせようとするが、ミハルは壁越しに熱線銃でパトリックを撃って破壊する。最後は通気孔を上ってミハルのいるデッキに入った副艦長が、探査シャトルで地球に戻らせろと叫ぶミハルを説得して銃を下ろさせる。
イカリエ-XB1の結末:近づく出会い
乗組員たちが早めに目覚めた理由は、ある惑星に住む知的生命体がイカリエの存在に気づいてダーク・スターからの放射線を遮断してくれたからであることがわかる。そして、その頃シュテフィーに赤ちゃんが生まれた。
イカリエはその知的生命体のいると思われる惑星へ進路を取る。やがて雲を通り抜けると、乗組員たちの目の前に都市が広がっているような光景が見えてきた。
以上、映画「イカリエ-XB1」のあらすじと結末でした。
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