今はちょっと、ついてないだけの紹介:2022年日本映画。「四十九日のレシピ」「ミッドナイト・バス」などを手がけた小説家・伊吹有喜の同名小説を映画化したヒューマンドラマです。本作が13年ぶりの主演作となる玉山鉄二を主演に迎え、かつては売れっ子だったものの借金に追われるうちに40代になったカメラマンが移り住んだシェアハウスで不器用な住人たちと交流する姿を描きます。
監督:柴山健次 出演:玉山鉄二(立花浩樹)、音尾琢真(宮川良和)、深川麻衣(瀬戸寛子)、団長安田(安田大サーカス)(会田健)、高橋和也(巻島雅人)、かとうかず子(立花浩樹の母)、山村美智(宮川良和の母)、奥山佳恵(宮川真理恵)、川津明日香(宮川菜々子)、原沢侑高(タチバナコウキ(若き日の立花浩樹))、Erna(MOS)、大友花恋、コッセこういち、川田希、横田美紀、溝口琢矢、松木エレナ、忽那美穂、鈴木樹ほか
映画「今はちょっと、ついてないだけ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「今はちょっと、ついてないだけ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「今はちょっと、ついてないだけ」解説
この解説記事には映画「今はちょっと、ついてないだけ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
今はちょっと、ついてないだけのネタバレあらすじ:起
テレビ局に勤める宮川良和はバラエティ番組の担当でしたが,後ろ盾になってくれていた大物芸能人が引退してからというもの局からあからさまな左遷を受けました。宮川は結局自らの境遇に耐えきれずに仕事を辞め、酒に浸る日々を送り、将来の金銭面を気にする妻・真理恵や高校生でバレエダンサー志望の娘・菜々子との関係も悪化していました。
そんなある日、宮川は自分の母が入所している施設内で知り合ったという女性がかつて著名なカメラマンの立花浩樹という男の母だと知り、立花に母の写真撮影を依頼しました。立花は自分の母が用意したカメラのレンズにカビが生えていたことからスマホで写真を撮ることにし、宮川は思わずその写真の素晴らしさに感心しました。
やがて宮川の母は亡くなり、真理恵との喧嘩の日々に疲れ果てた宮川は立花が撮ってくれた母の写真を眺めることが唯一の癒しとなっていきました。その写真を見て感動した菜々子は宮川に黙って立花に自身のダンススクールの記録映像を撮ってくれるよう依頼しました。
宮川はたまたま街で菜々子が立花と一緒にいるところを目撃し、二人があらぬ関係にあるのではないかと勘違いしてしまいました。菜々子から軽蔑された宮川はあることを決意しました。
今はちょっと、ついてないだけのネタバレあらすじ:承
美容師の瀬戸寛子は女性専用のシェアハウスで暮らしていましたが、同居していた女性たちは次々と去っていき、今では瀬戸ひとりだけになっていました。さらに瀬戸は勤めていた美容院からリストラされてしまい、再就職先も探すのが困難な状況に陥っていました。
そんなある日、瀬戸は大家から男性も入居させていいかと打診を受けました。瀬戸は男性との同居に抵抗感を覚えましたが、断れば追い出されるかもしれないと考えてやむなく承諾しました。
瀬戸のシェアハウスに入居してきたのは立花、そして立花のアシスタントとなっていた宮川でした。二人は主にお見合い写真を撮る仕事をしていました。立花も宮川も非常に紳士的であり、瀬戸が不安視していたことは何一つありませんでした。
ある日、立花と宮川はある女性から結婚相談所に出す写真を撮ってほしいという依頼を受けました。立花と宮川はどうしても満足のいく写真が撮れないでいたところ、瀬戸は女性の髪のセットとメイクを買って出、おかげで立花と宮川は納得のいく写真を撮ることができました。
一方、瀬戸は女性のヘアメイクを終えると次の職を求めて面接に向かいましたが、どうも上手くいきませんでした。帰り道、瀬戸は親切そうな女性に声をかけられ、ついこれまでのどうしても上手くいかなかった人生を打ち明けました。女性は瀬戸に同情する素振りを見せながら、怪しげな開運グッズのパンフレットを見せてこようとしてきました。瀬戸は我に帰ってシェアハウスに戻りました。
瀬戸は立花という男が何者か気になっていると、宮川はかつて放映されていたドキュメンタリー番組の出演者の話をしてきました。この番組は人気カメラマンのタチバナコウキが世界中の美しい景色を廻って写真を撮るというもので、瀬戸が子供の頃によく見ていた番組でした。
瀬戸は立花こそがあのタチバナコウキ本人であることを知り、大変驚きました。立花は番組が終了した後に一旦カメラマンの職から離れていたのですが、つい最近になって活動再開することになったのです。
今はちょっと、ついてないだけのネタバレあらすじ:転
瀬戸は今は仕事がないことを打ち明け、それからというもの立花の写真撮影の手伝いをすることになり、依頼者の女性のヘアメイクを担当するようになっていきました。そして立花たちの仕事も次第に軌道に乗っていきました。
そんなある日、落ちぶれた芸人の会田健が立花たちのところにやってきました。再ブレイクを狙う会田は体を鍛えあげ、その肉体美を写真集として発表したいというのです。しかし、会田の鍛え抜かれた体を見た瀬戸は、その体があまりにも色白すぎるため写真映えしないのではないかと懸念を抱きました。
そこで立花たちは大自然のもとで撮影することにしました。そのシチュエーションはかつての立花の番組を彷彿とさせるものでしたが、立花は当時のことを「番組スタッフが作り上げた虚像」だと言い放ち、それ以上深く話すことはありませんでした。
やがて会田は肉体美ではなく、撮影の際に行ったキャンプの動画が注目されるようになっていきました。会田がキャンプ初心者にレクチャーする内容が話題となり、会田は一躍再ブレイクを果たすこととなりました。そんなある時、立花たちのシェアハウスが取り壊されることが決まりました。そして宮川もまたテレビ関係者から新たな仕事話があると聞きつけていました。
今はちょっと、ついてないだけの結末
立花のもとに知人から仕事のオファーが舞い込んできました。それは、バブル時代に名を馳せた大物プロデューサーの巻島雅人へのインタビューであり、巻島は立花をインタビュアーに指名してきたというのです。立花は即座に断りましたが、しばらく考えた末に巻島に会いに行くことにしました。
巻島はかつて立花の番組のプロデュースを務めていた人物であり、バブルが崩壊した際に立花に多額の借金を押しつけた人物でした。立花は自己破産も考えましたが、他の関係者に迷惑がかかると思い、カメラマンの職を辞して工場で地道にコツコツと働いていたのです。立花はようやく借金を全額完済し、再びカメラマンとして働く決心をしたのです。
立花の話を聞いた巻島は、立花がたったひとりで借金を完済したのはただの自己満足であり、立花が世話になった関係者は破産したり別のトラブルを抱えて自殺したりと誰一人として何も責任を感じる必要のない連中だったと語りました。それを聞いた立花は自分は巻島がでっち上げた虚像に過ぎなかったと語ると、巻島は番組放映時にスタッフ全員で撮った写真を見せ、ここにいる全員が立花の力を信じていたのだと語りました。
結局インタビュアーの話を断った立花は宮川を呼び出し、シェアハウスが取り壊された後も別の場所で宮川や瀬戸と一緒に働いていきたいと伝えました。すると宮川は、瀬戸と相談して既に別の物件を探していることを明かしました。
以上、映画「今はちょっと、ついてないだけ」のあらすじと結末でした。
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