アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカーの紹介:2015年アメリカ映画。NYのファッション界に突如現れた新人アイリス・アプフェル。彼女独自のスタイルの裏側には何があるのか、その秘密に迫る。
監督:アルバート・メイズルス 出演:アイリス・アプフェル、カール・アプフェル、マーガレット・ラッセル、カニエ・ウェスト、ブルース・ウェバー、ハロルド・コーダ、ドリス・ヴァン・ノッテン、リンダ・ファーゴ、ビル・カニンガム、ローリー・ジェヴィス、ジェナ・ライオンズ、アレキサンダー・ワン、タヴィ・ジェヴィンソン、ミッキー・ボードマン、ナイーム・カーン
映画「アイリス・アプフェル!」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アイリス・アプフェル!」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカーの予告編 動画
映画「アイリス・アプフェル!」解説
この解説記事には映画「アイリス・アプフェル!」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカーのネタバレあらすじ:起・アイリスのスタイル
自分のスタイルに合わせて大胆なコーディネートをするアイリス・アプフェル。高い物から安い物まで組み合わせてゴージャスに独自のスタイルを創造するアイリスは、その躍動館と生命力で、年齢も背景もバラバラの人々の心を掴んだ。
伝説的な服飾品のコレクターでもあり、メトロポリタン美術館の2005年の企画展の動員数は記録的なものとなった。
今でも仲睦まじく伴侶と暮らすアイリスが初めて買い物をしたのは、11、2歳の時だった。その時の興奮を今でも覚えている彼女の買い物は、手当たり次第ではなく厳選し発掘している。また値引き交渉をするのもマナーとしての彼女の買い物のスタイルだった。
元々彼女はインテリアや布地のデザイナーとしてセンスを発揮していた。夫婦で成功し、その後スターク社に売却された。思わしい布が無ければ同級生の伝手を借り、自ら布のデザインを行い、人と同じでは嫌という顧客のために、ヨーロッパで買い付けもした。インテリアの復元なども行い、果てはホワイトハウスの仕事もこなした。
現在ではモデルとして雑誌を飾り、ファッションショーに招かれることもある。
アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカーのネタバレあらすじ:承・80歳の新人
メトロポリタン美術館、服飾文化部門学芸員のハロルド・コーダは、全米一位二位を争うコスチュームジュエリーのコレクターがいると言う友人の紹介でアイリスに出会った。
そして、とある企画が潰れ、彼女のコレクションを借りたことがきっかけとなった。その企画展は口コミだけで広がり一世を風靡し、80歳でファッション界から新人として注目を浴びた。アクセサリーの宣伝番組に出演なども務め、一時は電話がなり過ぎて対応しきれないほどの多忙を極めるも、アイリスはそれを楽しんでいた。勿論「疲れた」と口にすることもあるが、夫婦でフリーマーケットに出掛ける等、充実した日々を過ごしていた。
アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカーのネタバレあらすじ:転・ファッションと歴史
40年代に女性で初めてジーンズをはいたアイリス。当時女性は穿かないと言われたが、5、6週間粘った結果、注文してくれた。
最近は縫製しない、歴史を知らず好奇心も持ってないデザイナーもいる。アイリスは本や、美術、音楽から歴史を学び、政治や科学、経済やファッションは繋がている、服のデザインを見れば、それがどんな時代だったのか服に表れると言う。また、センスが無くても好きな服を着て幸せならそれでいいとも。
ニューヨークの老舗デパート、バーグドルフではアイリスのショウウィンドウ作るべく、彼女のコレクションを借り、中でも特徴的な丸眼鏡をつける事で、マネキンをアイリスのようにした。アイリスはマネキンの衣装に合わせてアクセサリーを合わせていく。アンティークを組み合わせるが、けして寄せ集めではなく最初からその形だったように見せるのがアイリス流。
アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカーの結末:次の世代へ
アイリスはテキサス大学の学生をNYに呼び、ファッション業界に関する特別講義を行っている。次の時代のファッションをになう学生達に何にひらめきを得るのか、好きな事を学び、新しい事を学ぶ事で成長する事を教えている。NYは実力を問われる場所だけれど、熱心な人は歓迎され本気で働く気があれば認めてもらえるし輝ける場所でもある。また、この講義の存続を願い、自分の後任も探していた。
キャリアと旅を選んだアイリスには子供がいなかった。すべてを手に入れる事は無理だとわかっていた、諦める事も時には必要だと子供を持つことは諦めていた。その代り、博物館でファッションの企画展を開き、コレクションを寄贈した。
勿論、寄贈品を選ぶ作業は辛く、クロークの整理はなかなか進まない。ファッションの他にも夫と買い付けたインテリアも、倉庫で眠っているより誰かに使われた方がいいと、辛いながらも少しずつ手放した。
重病でない限り、外へ出て行こうと自分を駆り立て、調子の悪さを忘れようをするのがアイリスに、百歳を迎えたカールはそんな彼女に寄り添い、神様が許してくれる限り一緒に色んな事がしたいと願っている。
以上、映画「アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー」のあらすじと結末でした。
アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカーのレビュー・考察:スタイルの提示
アイリスの魅力は、その美学にあると思う。杖や車椅子を使って出歩く場面もあるが、それはあくまで彼女の行動を補助するもので、印象に残るのは買い物を楽しんでいる姿の方である。そして、そのスタイルは内面を磨くことで目に見える形で定着している。作中で美醜に触れることも無く、また、自分のスタイルや考え方は提示するけれど、けして押し付けるわけではない。ひとつの生き方の提示としてのアイリスの姿に心を掴まれる。
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