映画「アレックス STRAIGHT CUT」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アレックス STRAIGHT CUTの紹介：2020年フランス映画。恋人マルキュスと愛に満ちた幸せな日々を送るアレックス。ある日、共通の友人でアレックスの元恋人のピエールと3人で行ったパーティで、マルキュスがハメを外しアレックスと口論になってしまう。怒り、ひとり途中で帰ったアレックスは地下道で突然男に襲われ、激しい暴行を受け凌辱されてしまう。誰だか分からないほど変わり果てたアレックスの姿を見たマルキュスは、怒り狂い復讐のために夜の道を彷徨う。本作は、2002年にリアルかつ無残な描写の乱打にも関わらず、驚愕の動員数を叩き出した『アレックス』を時系列通りに再整理した作品。
監督：ギャスパー・ノエ 出演：モニカ・ベルッチ（アレックス）、ヴァンサン・カッセル（マルキュス）、アルベール・デュポンテル（ピエール）、ジョー・プレスティア（テニア）、フィリップ・ナオン（元肉屋）ほか
この解説記事には映画「アレックス STRAIGHT CUT」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
天気のいいある日の公園にて。
アレックスが公園で横になり、はしゃぎまわる子供たちを優しい眼差しで眺めています。
マルキュスと裸のまま抱き合い眠っていたアレックスはピエールからの電話で目覚めました。「真っ赤なトンネルにいる夢を見たの。トンネルは2つに崩れ落ちて…。生理が遅れているせいかしら」そう言うアレックスにキスを交わし、「もし妊娠していたら最高だ」と愛を向けるマルキュス。
彼が酒の買い出しに出かけると、アレックスはシャワーを浴び妊娠検査薬を試しました。
ほころぶ顔を見せるアレックス。新しい命が宿ったお腹をなでました。
その後、2人は共通の友人でありアレックスの元恋人のピエールと共にパーティに向かいました。急な車の故障により地下鉄で行かなくてはいけなくなったピエールは不機嫌で、未練のあるアレックスに対しての愚痴がとまりません。
アレックスはそんな彼を苦笑しながら受け流し、マルキュスはあたたかくなだめます。何だかんだと言ってもピエールはいい友人で、3人は下品な話で盛り上がりながら会場に向かいました。
パーティは大盛り上がりでした。アレックスと別れて以来、女性を抱いていないピエールをマルキュスはいろんな女性に紹介しくっつけようとしていました。しかし、酒とドラッグで少しずつハメを外していくマルキュスは、アレックス以外の女といちゃつきはじめ、ろくでもない振る舞いを見せていきます。
そんな彼をピエールはアレックスのもとへ引き連れていきましたが、ドラッグでまともではないマルキュスを見たアレックスは怒り、心配するピエールを振り切り1人で帰ってしまいました。
なかなかタクシーを止められない夜道を、ショートカットのために普段は使わない地下道を降りていくアレックス。すると、薄汚れた赤いトンネルで口論をしているカップルに遭遇します。男は何やら拒んでいる女性に迫り、叫び声を制止するように顔面を蹴り飛ばしました。
男の突然の暴行に唖然とし足がすくんだアレックス。彼女の存在に気付いた男の一瞬の隙を見て暴行されていた女性は逃げていきました。獲物を失った男の怒りの矛先はアレックスへと向けられ捕まえるとナイフを突き立て言いました。「金持ちのアバズレ女！」
恐怖で凍り付くアレックスをひざまずかせ、四つん這いにさせると、アレックスの顔にナイフを突きつけたままアナルを犯しました。口を塞がれたアレックスは精一杯の力を使って叫び抵抗しますが、悲鳴は誰にも聞こえません。
1人地下道に入ってきた通行人がいましたが、恐れおののき逃げていきます。アレックスの悪夢はさらに続きました。途中、出血しようが男には関係ありません。苦痛に呻くアレックスを犯し続け果てた男は、次にアレックスの顔面を蹴り上げました。
1度ならず何度も何度も繰り返される暴行。「売女！顔を潰してやる！」その言葉通り、血だらけになった顔面を拳で殴り続け、さらには頭を掴んで地面にたたきつけていきました。
ようやく男の気が済んだとき、アレックスは意識のないままぐったりしていました。
それからほどなくして、マルキュスとピエールは会場を出ました。表では救急車やパトカーが止まっていて何やら騒がしい様子。誰かがレイプされたらしい、そんな声を耳にする2人。そんな中、地下道から担架で運び出されてきたのは、アレックスでした。
原形がなくなるほど顔面は腫れ、血まみれの変わり果てた姿となっていました。「一体何が起きたんだ！」と叫ぶマルキュスの声に反応はありません。放心状態で事情聴取を受けるピエールとは対照的にマルキュスは犯人への復讐を誓いました。
そんな2人に怪しい男たちが声をかけてきました。この辺りを縄張りとしている男らは「警察よりも先に犯人を捜してやる」と言うのです。アレックスの元へ行くべきだというピエールを無視し、マルキュスは怒りまかせに男たちから知らされたヤニスという人物を探しにゲイが集まるエリアへと向かいました。
アレックスがレイプされる直前に犯人の男と口論していたのがヤニスだったのです。乱暴にヤニスを捕まえるとマルキュスはナイフを突きつけ、テニアという男の名前と、彼が入り浸るゲイクラブ、レクタムを聞き出しました。
復讐なんかやめてアレックスに会いにいくべきだ、ピエールはそう言い続けましたが、マルキュスは聞かずに怒り狂いながらテニアを探し続けます。
ようやく見つかったレクタムに2人で入ると、そこではところ狭しと男性同士の性行為やSMがあちこちで行われており、異様な光景が広がっていました。誰それかまわず捕まえて暴力的にテニアを聞きまわり続けるマルキュス。彼を心配するピエールもあとを続きました。
そして、マルキュスは壁に寄りかかっている2人の男に出くわしました。「お前がテニアか」そう訪ねても、何も答えずじっとこちらを見る男。その様子から男はテニアだと確信したマルキュスは、殴りかかり乱闘になります。しかし、男はマルキュスを床にねじ伏せ、腕をへし折り犯そうとしました。
友達の凄惨な姿を見たピエールは、消火器を持って飛び込んでいきました。理性はなくなり、幾度となく男の顔面を強打します。男の顔が血で染まり、潰れ、動かなくなってもやめません。ついに男の顔面は崩壊し、見物していた男たちも後ずさりしました。奥には連れの男がうっすら笑みを浮かべて見ていました。そして、その男こそがマルキュスの憎き復讐相手テニアだったのです。
レクタムの上階では、元肉屋の中年男性が娘を犯した罪で服役していたことを、友人らしき男に語っていました。全てを失った元肉屋は遠い目で言います。
「時は全てを破壊する」
表ではパトカーや救急車がけたたましくサイレンを鳴らしていました。
レクタムから担架に乗せられたマルキュスと、警察に連行されたピエールが出てきたのでした。
以上、映画「アレックス STRAIGHT CUT」のあらすじと結末でした。
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