アウトロー(原題:JACK REACHER)の紹介:2012年アメリカ映画 。街から街をさすらう軍の元秘密捜査官だった男がたった一人で悪に鉄拳を食らわすアウトローな様子を描く。小説家リー・チャイルドが書いた小説の「ジャックリーチャー」シリーズを映画化した作品です。トム・クルーズが実際にノースタントで車を運転をし、話題となりました。2016年11月には続編「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」が公開。
監督:クリストファー・マッカリー 出演:トム・クルーズ(ジャック・リーチャー)、ロザムンド・パイク(ヘレン)、リチャード・ジェンキンス(ロディン)、デヴィッド・オイェロウォ(エマーソン)、ヴェルナー・ヘルツォーク(ゼック)、ロバート・デュヴァル(キャッシュ)、ほか
映画「アウトロー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アウトロー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アウトローの予告編 動画
映画「アウトロー」解説
この解説記事には映画「アウトロー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アウトローのネタバレあらすじ:起
アメリカ、ペンシルベニア州のある駐車場から、公園に向けてスナイパー銃を使い焦点を定めている男がいました。そして白昼無造作に発砲され、5人が殺害されてしまう事件が起こります。
すぐさま捜査に移った警察が逮捕したのは、ジェームズという男でした。否認を続けるジェームズがジャック・リーチャー(トム・クルーズ)に連絡をとるように要求します。しかしジェームズは移送中の車内で他の受刑者から暴力を受け、意識不明の昏睡状態になってしまいます。
担当していたエマーソン刑事(デヴィッド・オイェロウォ)やロディン検事(リチャード・ジェンキンス)も、誰もジャックの事は知りませんでした。ある日、ジェームズの弁護士を担当していたヘレン(ロザムンド・パイク)のもとにジャック・リーチャー本人が現れます。
アウトローのネタバレあらすじ:承
ジャックは元米軍の秘密捜査官で、今は街から街へ渡り歩く流れ者でした。ジェームズは過去にジャックに見事に暴かれ逮捕された過去があり、ジャックを怖れていたのです。
ジェームズの能力をよく知っていたジャックは、撃たれた6発の銃弾のうち1発が外れていたことを懸念し、ジェームズが標的を外すわけがないと断言します。銃痕や指紋が決め手となって逮捕されてしまったジェームズでしたが、あまりにも証拠が揃いすぎている。そう考えたジャックはヘレンと共に独自の捜査を開始します。
ジェームズの過去の事件から、発砲事件の5人の犠牲者を徹底的に調べることにしました。
アウトローのネタバレあらすじ:転
行く先々で襲われるジャックでしたが、恐ろしい程の強さで返り討ちにしてしまいました。5人の犠牲者を調べていく内に色々な事実が分かります。
5人は善良な市民ではなかったこと、その内の一人が亡き夫の建設会社の売却話を断ったオラインという女性だったこと、元より他の4人はダミーで、オラインを亡き者にしようと企てたオラインのライバル会社レーベンダウエル社がチャーリー(ジェイ・コートニー)という殺し屋に殺害を依頼し、チャーリーがジェームズに罪を擦り付けようとし、さらにはエマーソン刑事が裏で手引きしていた事が判明します。
真犯人の足取りを探るため、ジェームズが通っていた射撃場に辿り着き、オーナーのキャッシュ(ロバート・デュバル)から防犯カメラを見せてもらえることになりました。そこに映っていたジェームズと一緒にいる男は、確かにチャーリーでした。ジャックは自分を付け狙う男がチャーリーだという事を確信するのでした。
アウトローの結末
しかしヘレンがエマーソン刑事に襲われ誘拐されてしまいます。その事実を知ったジャックがキャッシュに手伝ってもらいヘレンが乗った車を追跡します。
そしてついにジャックとチャーリーの一騎討ちになりました。互いに互角の腕を持ち合わせる二人でしたが、ギリギリのところでジャックが勝利を上げました。
そしてヘレンをエマーソンや裏の世界のボスであるゼック(ヴェルナー・ヘルツォーク)から救いだして一蹴、一連の事件は解決へと向かいました。警察が駆けつけた時にはジャックとキャッシュはすでに去った後でした。
ジェームズが意識を取り戻した頃には彼の罪は晴れていました。ジャックは再び彼の正義のために動き、また流れて行くのでした。
以上、映画「アウトロー」のあらすじと結末でした。
アウトローのレビュー・感想
超絶アクションを駆使する『ミッション・インポッシブル』シリーズを片手に持つトム・クルーズがもう片手に選んだのは『ボーン』シリーズのように殴ったら関節が軋み、骨が砕け、肉が裂け、そして血が流れるより痛みを伴うフィジカルなアクション・ハードボイルド『アウトロー(原題はジャックリーチャー)』。主人公は何よりも束縛を嫌い、自分の流儀のままに捜査を開始する。メインプロットはいただけないが、主人公の捜査の原点やその過程はなかなか見事で、特に“行動が身に染み付いているプロのスナイパーならこういう行為はしない”という減点法から捜査を始めて徐々に真相に近づいていくシーンは見ごたえがある。途中で何度か挟まるアクションも実にそれっぽくて、街のチンピラと戦ったらこうだろうな、とかパトカーに追われながら敵を追跡したらこうなるかもしれない、というカーアクションも見せ場となっている。そして何よりも主人公がアウトローで権力に頼れない(信用しない)からこそのクライマックスの徒手空拳で待ち受ける殺し屋たちに挑む姿はまさに西部劇へのオマージュとなっている。見た目がアホっぽくて有能だが可愛いげのないヒロインといい、不気味すぎる黒幕といい、主人公を「これだから陸軍は」という海兵隊あがりのロバート・デュバルといい、脇役も実に見事。超絶なアクションではなく、こういった脇役との絡みでみせるまるで70年代アクションへの回帰みたいなところもうれしい。しかし、トム・クルーズはあえて予算を抑えて等身大のアクションにしてでも自分の生身のアクションを見せたかったのだとしたら、相当の自信家だと思う。
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