ジェイコブス・ラダーの紹介:1990年アメリカ映画。ベトナム戦争で腹を刺されたジェイコブは、妻・サラと別れ同僚のジェジーと暮らしています。そんなジェイコブには突如として、戦場に戻ったり、サラや息子たちと一緒に生活したりと不安定な状態です。ジェイコブはベトナムで何かされたに違いないと、かつての戦友たちと真相を探ろうとし始めます。当時の米軍が開発したとされる「化学兵器BZガス」による自軍兵士への人体実験と、その後遺症を背景にしたスリラー作品です。
監督:エイドリアン・ライン 出演者:ティム・ロビンス(ジェイコブ・シンガー)、エリザベス・ペーニャ(ジェジー)、ダニー・アイエロ(ルイ)、マット・クレイヴン(マイケル)、マコーレー・カルキン(ゲイブ)、プルイット・テイラー・ヴィンス(ポール)、ジェイソン・アレクサンダー(ギアリー)、パトリシア・カレンバー(サラ)、エリック・ラ・サール(フランク)、ヴィング・レイムス(ジョージ)ほか
映画「ジェイコブス・ラダー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ジェイコブス・ラダー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ジェイコブス・ラダー」解説
この解説記事には映画「ジェイコブス・ラダー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ジェイコブス・ラダーのネタバレあらすじ:起
ベトナム戦争のメコン川沿いの最前線にいる部隊が、突然の攻撃を受けます。激しい戦闘になり仲間の兵士たちが次々殺されます。ジャングルの中のジェイコブは、追ってきた的に、銃剣で腹を刺され倒れます。
ジェイコブは地下鉄の電車の中で目覚めます。駅を乗り過ごしたジェイコブは、夜遅く同棲中のジェジーの部屋に帰ります。眠りに着くと、再びベトナム戦争の状況が現れ、腹を抱え苦しむジェイコブはベッドで目覚めます。
ベトナム戦争に行く前に息子のゲイブを事故で亡くしたジェイコブには、あとジェドとイーライという息子がいましたが、妻サラと別れ今は郵便局の同僚のジェジーと暮らしています。
ジェジーはイーライからだという袋をジェイコブに渡します。中には、自分の息子たちの写真がいっぱい入っています。懐かしそうに見ていると、元妻のサラの写真もあります。嫉妬したジェジーは、ジェイコブがいない間に、写真を焼却炉に放り込みます。
ジェイコブは体が定期的に痛くなり、整体師のルイスの病院へ行きいつも治してもらっています。その帰り道、地下鉄の通路で車に襲われます。逃げ伸びたジェイコブは、戦友で医師のカールソンの病院に行きますが、看護師は「カールソンなんていない、あなたのカルテもない」と言います。
ジェイコブス・ラダーのネタバレあらすじ:承
部屋に戻ると、ジェイコブはジェジーとパーティーに行きます。そこで女性に占ってもらったジェイコブは「あなたは死んでいる」と言われます。突然発狂したジェイコブが倒れます。
部屋に戻ると、ジェイコブが40度以上の熱を出します。ジェジーは氷水の風呂にジェイコブを押し込みます。
目覚めたジェイコブは、サラとベッドにいます。ジェイコブは「同僚のジェジーと暮らしている夢を見たんだ」とサラに話します。そこへ死んだはずのゲイブがやって来て、ジェイコブは喜びます。
次に目覚めると、ジェジーの部屋でした。ジェジーは「浴槽の氷を全部溶かしたのよ、2週間も部屋に籠ってどうしたの、何処かに行ったら」と言って仕事に出ます。戦友のポールから電話で「至急会いたい」と言われます。
会いに行くとポールは「何かおかしい。奴らに狙われている。このままじゃおかしくなってしまう」と叫び出します。するとジェイコブも「オレも見たんだ」と言い、二人はお互いをわかりあいます。そしてポールが「あの日何があったか教えてくれ」と言うと、ジェイコブは「オレもわからない」と言います。
別れたポールは車に乗り、エンジンをかけます。すると車が爆発し、ジェイコブは爆風で飛ばされてしまいます。その時、ベトナムの事が頭をよぎります。
ジェイコブス・ラダーのネタバレあらすじ:転
ポールの葬儀に5人の戦友が集まります。ジェイコブは「ポールもカールソンも車が爆発して死んだ。何かおかしい。6人で調べよう」と5人に話します。そこで6人は弁護士を頼り、ベトナム戦争の現場で何があったかを調べてもらうことになりました。
その後、弁護士から「もう仕事は出来ない。他の連中も取り下げてくれと言ってきた」と電話が入ります。ジェイコブはフランクに電話をしますが、フランクもまた「その通りだ。オレもやめた」と言います。弁護士に会い事情を聞くと、「君ら6人はベトナムには行っていない。行っていないものを調べることは出来ない」と言います。ジェイコブは「でっちあげだ」と大声を上げますが、そこへやってきた数人の男たちに拉致され車に乗せられます。
車の中では「軍の事を調べるんじゃない、命あってのものだ」と脅されます。ジェイコブは後部座席で暴れて車から飛び出します。路上に倒れていると、サンタクロースの着ぐるみの男に財布を盗まれ、その後病院に運ばれます。
人体実験のような部屋に連れていかれると、そこにはジェジーもいます。「助けてくれ」と叫ぶジェイコブを助けたのはルイスでした。再びルイスの整体を受け立ち直ったジェイコブは、部屋に戻り、ベトナムにいた頃のケースの中を見ます。懐かしいものがたくさん出てきます。ゲイブからの手紙を見つけ、交通事故で死んだゲイブの事がよみがえり涙を流します。
ジェイコブス・ラダーの結末
帰ってきたジェジーが「今までどこにいたの」と怒ります。その時、サイゴンで行われた極秘実験について話があると電話が入ります。止めるジェジーを振り切って会いに行くと、マイケルという、自分を尾行していた男でした。
マイケルは「君は生存者の一人だ」と言いながら話を続けます。「怒りを呼び覚ます薬・ラダーが完成し、サルで実験したら、サル同士残忍な殺し合いをした。そこで、上官が人間でやれと言うので捕虜のベトナム人を使った。結果は残忍なものだった。勝てない戦争にしびれを切らした上官から、兵士に少量投与しろと言う命令が下り、君らの部隊も含め、食べ物に少量混ぜた。結果は相手はベトコンではなく、アメリカ人同士の殺し合いになった。そこで責任を感じた僕は君らを探したんだ。ラダーを作ったのはオレだ」と言ったのです。
すべてを知ったジェイコブは、家族と暮らしたブルックリンの自宅に向かいます。家の中には誰もいません。その中で家族の存在を思い出します。階段の縁でゲイブを見つけます。ジェイコブがゲイブを思いっきり抱きしめると、ゲイブはジェイコブの手を引いて2階へ連れていきます。
眩しい光りを見たジェイコブは、ベトナムの野戦病院で寝ています。医師がジェイコブの死を確認し担当者に報告します。今までの事はジェイコブが死の淵で見た幻覚だったのです。ベトナム戦争では、幻覚誘発剤が使われたといわれますが、米軍は否定しています。
以上、映画「ジェイコブス・ラダー」のあらすじと結末でした。
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