エルサレムの紹介:2015年イスラエル映画。1年前に兄を失ったサラは、悲しみの日々から前に進むために親友と旅行に行くことにします。飛行機で知り合ったケヴィンに誘われて聖地エルサレムで贖罪日を過ごすことにしますが、その日は死者が蘇る恐ろしい日だった・・・。 バカンスが地獄と化すPOVパニックホラー。
監督:ドロン・パズ 出演者:ダニエル・ヤドリン(サラ)、ヤエル・グロブグラス(レイチェル)、ヨン・トゥマルキン(ケヴィン)、トム・グラジアニ(オマール)ほか
映画「エルサレム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「エルサレム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
エルサレムの予告編 動画
映画「エルサレム」解説
この解説記事には映画「エルサレム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
エルサレムのネタバレあらすじ:起
1972年、あるユダヤ人の家族の母親がチフスで亡くなりますが、埋葬したはずの母親が家に戻ってきてしまいます。邪悪で凶暴になった母親に手が付けられなくなった夫と息子は、エルサレムの祭司に助けを求めます。贖罪の日に3つの宗教の代表者が集まって母親の悪魔祓いが行われ、その様子は映像で記録されていきます。しかし、母親に憑りついた悪魔は強力で上手くいきません。祭司達は悪魔祓いの様子を見ていた息子を部屋から出し、背中に生えた羽を広げておぞましく叫ぶ母親を射殺します。場面は現代のニューヨークに変わります。サラは1年前に最愛の兄ジョエルを亡くして悲しみの中にいましたが、気分転換も兼ねて親友のレイチェルとイスラエルのテルアビブに旅行に行くことにします。出発前に父親から度付きのスマートグラスをプレゼントされて喜ぶサラ。スマートグラスはサングラスタイプのスマホのようなもので、スカイプ、地図、動画、写真、検索などの情報が、語りかけるだけで目の前に直観的に映し出されていきます。イスラエル行きの飛行機内で人類学者のケヴィンと出会い、惹かれていくサラ。イスラエルに到着しますが、サラはケヴィンに聖地で特別な儀礼が始まるからエルサレムに行こうと誘われて乗り気になります。レイチェルに「彼がタイプなんでしょ」と呆れられながらも、3人でエルサレムに向かうことになります。エルサレムの異国情緒溢れる街並みに魅了される3人。ホステルに向かって歩いていると、ダビデ王に扮した怪しげな男に話しかけられますが、無視して歩き続けます。
エルサレムのネタバレあらすじ:承
ホステルに到着し、ノリがいい従業員オマールと仲良くなった3人。オマールに案内されてクラブに行きますが、途中でまたダビデ王に扮した男に遭遇し、「贖罪日の前に町を去るんだ。誰も僕を信じないが、今に分かるはずだよ。手遅れになる」と忠告されます。みんなでクラブでの刺激的な夜を楽しみ、サラはケヴィンと親密な雰囲気になります。サラのスマートグラスをかけたケヴィンは、目の前に映し出されたサラと兄ジョエルの写真を見て「このマヌケな帽子の男は?こいつが彼氏?」とからかってしまいます。傷ついて怒ったサラは店を出て行き、道に迷いながら歩いていると、不気味な唸り声と悲鳴を耳にします。追いかけてきたケヴィンと仲直りし、ホステルに戻って一夜を共にします。サラが目を覚ますと、ケヴィンは窓辺に立って外を見ていました。サラが「どうしたの?」と聞くと、ケヴィンは「奇妙な音がして目覚めた。悲鳴のようだった」と言い、闇サイトで見つけたという映像を見せてきます。1972年に悪魔憑きの母親が射殺された時のあの映像でした。「再び死者が生き返るのかもしれない。不死者や堕天使、巨人のことだ。聖書に出てくる」と語るケヴィン。次の日、オマールの案内で旧市街の観光をします。ケヴィンは途中で見かけたエルサレム症候群の患者が入っている精神病院が気になります。「町にはこの手の施設が多くある。この町に来た旅行者がおかしくなることがあるんだ」と説明するオマール。サラとレイチェルは「嘆きの壁」に願い事を書いた紙を差し入れます。「お兄ちゃんに会わせて」と願うサラ。ゼデキアの洞窟に入りますが、ケヴィンは堕天使のような壁画を見つけた直後に気分が悪くなってしまいます。サラが付き添って一緒に外に出ようとしますが、ケヴィンは「町の記録保管所に行く」と一人で行ってしまいます。
エルサレムのネタバレあらすじ:転
ケヴィンの様子が心配なサラ。レイチェルと話して、贖罪日が明けたらエルサレムを出ることに決めます。すると、ケヴィンが血相を変えて部屋に飛び込んできて「すぐに出発だ!」と荷造りを始めます。サラが戸惑いながら「明日の夜にテルアビブに行くわ」と言っても、「明日じゃ遅い。信じてくれ。ここにいたらおしまいだ!」と異様な様子です。騒ぎを聞きつけて来たオマールとオマールの父ファウジがケヴィンを連れて行ってしまい、ケヴィンは精神病院に入れられてしまいます。サラとレイチェルは気落ちしますが、オマールに「心配するな、数日後に会える」と言われ、エルサレム最後の夜を楽しむことにします。その直後、旧市街がテロ攻撃を受け、街は戦争状態のような緊迫した雰囲気になります。突然の出来事にホステルにいた旅行者達は怯えます。もうすぐ旧市街の門を閉鎖するというアナウンス放送が流れたため、サラとレイチェルとオマール達は兵士に誘導されながら一斉に門に向かって走ります。しかし、ケヴィンを置いていけないサラは、兵士に友達を助けたいと必死に頼み、精神病院の中に入ります。サラはケヴィンがいる部屋を見つけて急いで部屋の鍵を探しに行きますが、羽を広げながら不気味に歩く怪物を見かけて怯えます。鍵を見つけたサラが机の下に隠れると、そこにはダビデがいました。「僕の予言どおりだったろう?前にもあった。あの頃僕は子供だった」と語るダビデ。ダビデは1972年に射殺されたあの女性の息子でした。サラは怪物に襲われながらも、何とかケヴィンを精神病院から助け出します。街ではサイレンが鳴り響き、怪物や巨人まで出現してこの世の終わりのような様相です。サラとケヴィンとダビデは必死に門に向かいますが、すでに門は閉鎖されてしまっていました。
エルサレムの結末
門の前には脱出が間に合わなかった人々がごった返しており、その中にはレイチェル達もいました。ダビデは柵を超えて兵士に向かってパチンコを打っていたため、射殺されてしまいます。みんなで他の門に向かおうとしますが、街には怪物が溢れていたため、教会に逃げ込みます。洞窟に旧市街の外に通じている抜け道があるはずだと言うファウジ。窓辺にいたレイチェルが怪物に襲われて首を掴まれてしまいますがケヴィンが助け、みんなで洞窟に向かいます。途中、サラとケヴィンは、レイチェルのうなじに異変が現れているのを発見します。ケヴィンは「皆に言うべきだ。手遅れになる前に。あれは伝染性なんだ。じき凶暴になるぞ」と言いますが、レイチェルが兵士に殺されてしまうことを恐れたサラは、「彼女を置いていけと?あなたがされたように?」と反対し、レイチェルのことは2人の秘密にします。レイチェルが怪物化していることに気付いた兵士が撃ち殺そうとしますが、オマールが兵士に拳銃を向けて止めさせます。洞窟に到着し、サラは入り口に飾ってあった鎧から剣を取り出します。サラは「病院に連れて行くからもう少し頑張って」とレイチェルを励ましますが、目が黒くなり、心を失っていく自分に怯えるレイチェル。怪物が近づいてくる音が聞こえる中、みんなで必死に洞窟内を進みます。凶暴化して仲間に襲い掛かるようになったレイチェルを兵士が撃ちます。怪物の群れに襲われて倒れ込むサラ。瀕死のレイチェルはサラに「逃げて」と言い残し、背中に怪物の羽が生えた瞬間に銃で自殺します。サラは泣きながら逃げますが、怪物と間違えてオマールの父ファウジの首を刺してしまいます。パニックになっているオマールに「わざとじゃなかったの、許して」と泣き叫ぶサラ。出口を知っているファウジが亡くなり、行き場を失った3人は失意の中で祈りの言葉を口にし、やがてオマールは拳銃で自殺をします。怪物がサラに近付いてきますが、スマートグラスの顔認証でサラの兄ジョエルだと分かります。怪物のジョエルは羽を広げて不気味に笑いながらも、サラとケヴィンを出口の方へ案内している様子。歩き出すサラとケヴィン。やがてジョエルは立ち止まり、静かに2人を見送っています。「お兄ちゃん!」と何度も叫ぶサラ。出口が分かり、「私たち助かったのね」とキスをする二人。ケヴィンは出口の扉を見つけて鍵を壊します。サラも出口に行こうとしますが、呼吸が荒くなり歩けなくなってしまいます。足を見てみると怪物に襲われた傷跡があり、足に異変が起こり始めていました。「ウソでしょ・・私の体に何が起き始めてるの・・ああ神様」と泣き出すサラ。外に出られた嬉しさで草原を走るケヴィン。サラも外に出たものの苦しみながら血を吐きます。そして、ケヴィンが呆然と見つめる中で怪物になり、空高く飛び立ってエルサレムの旧市街を見つめるのでした。
以上、映画エルサレムのあらすじと結末でした。
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