ザ・シェフ 悪魔のレシピの紹介:2015年イギリス映画。劇場未公開作品を世界各国から集めた映画祭「未体験ゾーンの映画たち2017」で上映されたリベンジ・ホラー。ケバブ店を経営するクルド人移民のサラールは、最悪な治安と理不尽な客にいつも悩まされていた。彼はついに正しくない人間を殺害し、その肉をケバブにするという悪魔のような復讐を思いつく。センセーショナルな見出しではあるが、格差や移民などの社会問題を取り上げた風刺映画でもある。
監督:ダン・プリングル 出演者:ジアド・アバザ(サラール)、スコット・ウィリアムズ(ジェイソン・ブラウン)、ダーレン・モーフィット(スティーヴ)、リース・ノイ(マリク)、クリスティン・アザートン(サラ)ほか
映画「ザ・シェフ 悪魔のレシピ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ザ・シェフ 悪魔のレシピ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
『ザ・シェフ 悪魔のレシピ』の予告編 動画
映画「ザ・シェフ 悪魔のレシピ」解説
この解説記事には映画「ザ・シェフ 悪魔のレシピ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
『ザ・シェフ 悪魔のレシピ』のネタバレあらすじ:荒んだ街、荒んだ人間
舞台は現代イギリス、サウス・コート。酒と薬物で塗れた街に、トルコ系移民のサラールがやって来ます。街でケバブ店を経営する父親の体調が悪いので、大学の卒業論文を書く傍ら店を手伝うつもりでした。しかし街は薬物中毒者や酔っ払いで溢れ返っていて、特に夜は悪質な客ばかりやって来ます。父は理不尽に耐えながら、いつかレストランを開くという夢をサラールに語ります。ところがその矢先、客に絡まれた父は突き飛ばされ死亡してしまいました。嘆き悲しむサラールは父が夢中になっていた店舗候補の物件へ足を運びます。しかしその建物も有名な起業家ジェイソン・ブラウンが購入し、新しいクラブ<スラッシュ>をオープンさせます。<スラッシュ>の存在は街の若者達の傍若無人ぶりに拍車をかけていきました。
『ザ・シェフ 悪魔のレシピ』のネタバレあらすじ:悪魔のひらめき
1人で店を切り盛りするサラール。ある夜、目を離した隙に客の男が厨房のフライヤーを使って勝手に調理を始めました。止めようとしたサラールともみ合いになり、男は誤ってフライヤーに頭を突っ込んでしまいます。サラールは慌てて地下室へ運び助けようとしますが結局男は死亡してしまいました。呆然と座り込むサラールは、男を解体しケバブとして売ってしまおうと思いつきます。皮肉なことに人肉ケバブは客から絶賛されました。しかし店にやって来る人間は相変わらずの傍若無人ぶりで、移民のサラールを侮辱してはばかりません。移民として息苦しい日々を送っていたサラールはついに怒りを爆発させ、正しくない人間を殺害してはその肉をケバブにして売るという復讐に手を染めるのでした。
『ザ・シェフ 悪魔のレシピ』のネタバレあらすじ:出会い
大学卒業を諦めたサラールはケバブ店を続け、7年が経過しました。店は賞を貰う程評判になりましたが客の悪質さは変わりません。クリスマスが近付き、ブラウンがオープンさせる新たなクラブ<ハッシュ>の話題で若者は盛り上がっています。夜、アヒルの着ぐるみを着たビリーという麻薬の売人が来店しました。いつものように彼を殺害してケバブに使うサラール。着ぐるみの中には薬物と<スラッシュ>のチラシが入っています。別の夜、食い逃げ犯を追っていたサラールはトルコ系移民でホテルの支配人をしているサラや、大学生マリクと知り合います。熱心にバイトさせて欲しいと頼むマリクを、サラールはクリスマスまで雇うことにします。
『ザ・シェフ 悪魔のレシピ』のネタバレあらすじ:復讐の対象
数日後、店に泥酔した男スティーヴがやって来ます。傍若無人な振る舞いの上に差別的な発言をする彼を、サラールは一旦追い出し店の外で拉致。いつものように地下室に鎖で繋ぎます。彼の体に<スラッシュ>のスタンプを見つけ、諸悪の根源はブラウンだと感じるサラール。怒りの矛先をブラウンに向けたサラールは、アヒルの着ぐるみを着てブラウンを尾行し、彼のセックススキャンダルを携帯電話で撮影します。正体はバレていない筈でしたが、別の日ブラウンがサラールの店にやって来ました。そして店を自分に売れと言い出します。サラールは「ここは僕の店だ」とブラウンに唾を吐きました。荒むサラールはマリクを解雇し、客ともども全員店から追い出します。そこへサラがやって来ました。サラールは父のノートを参考に肉料理を振舞い、サラも「ビジネスになる」と太鼓判を押します。その後地下室に繋いだままだったスティーヴと互いの父親について会話したサラール。衰弱し、「すまなかった」と謝るスティーヴを解放します。
『ザ・シェフ 悪魔のレシピ』の結末:復讐の果てに
サラールは開店前の<ハッシュ>に侵入し、ケバブにした被害者の携帯電話や宝石を入れた鞄を置きます。それを撮影し、薬物やセックススキャンダルの動画と一緒に動画投稿サイトにアップロードしました。新年を迎え、街ではいつにも増して乱痴気騒ぎが繰り広げられています。地下室を片付けていたサラール。そこへブラウンと彼のボディガードが現れ、昏倒させられてしまいます。サラールはアヒルの着ぐるみを着せられ、地下室でブラウンと2人きりになりました。「お前は失せろ、自分の国に戻るんだ」とサラールを侮辱するブラウンに、今までのことを思い出し「お前が一番醜いよ」と嘲笑するサラール。サラールは殴り合いで優勢に立ちますが、床に落ちたナイフで脇腹を刺されてしまいました。ブラウンは店を後にし、瀕死のサラールも追いかけます。テレビはブラウンのクラブで薬物が流通していたと報道。サラールが投稿した動画や画像が話題となり、ついにブラウンは逮捕されます。サラールは1人ひっそりと死亡し、この映画も終わりを迎えます。
以上、映画ザ・シェフ 悪魔のレシピのあらすじと結末でした。
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