戦略大作戦の紹介:1970年アメリカ映画。戦争真只中、勝利でも栄誉でもなく「金塊」のために敵地に乗り込む男達を描いたアクションコメディ。第二次世界大戦末期のヨーロッパ戦線。ケリー二等兵は捕虜のドイツ軍人からクレルモンに大量の金塊が保管されていると聞き出す。彼は仲間を集め、味方が進軍する前に金塊をくすねてしまおうと持ちかけるのだった。
監督:ブライアン・G・ハットン 出演者:クリント・イーストウッド(ケリー二等兵)、テリー・サバラス(ビッグ・ジョー)、ドン・リックルズ(クラップゲーム)、ドナルド・サザーランド(オッドボール)、キャロル・オコナー(コルト将軍)ほか
映画「戦略大作戦」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「戦略大作戦」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
戦略大作戦の予告編 動画
映画「戦略大作戦」解説
この解説記事には映画「戦略大作戦」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
戦略大作戦のネタバレあらすじ:金の延べ棒
舞台は第二次世界大戦末期のフランス。アメリカ陸軍第35歩兵師団に所属するケリー二等兵は、捕虜のドイツ情報部ダンコーフ大佐に尋問を行っていました。大佐の所持品から金の延べ棒を発見したケリーは、大佐を酒に酔わせ詳しい情報を聞き出します。金の延べ棒は14000本あり、全てドイツ軍占領地クレルモンの銀行に保管されています。しかし銀行には重戦車タイガーが3台護衛についているそうです。ドイツ軍からの爆撃が激しくなり、ケリー達は撤退を余儀なくされます。混乱の中ダンコーフ大佐はドイツ軍の砲撃で死亡しました。翌日、ケリーは金の延べ棒をネコババしようとこっそり動き出します。ちょうど指揮を執る大尉がケリー達に3日間の休暇を与えました。娯楽の無い田舎町に足止めされ、いつも後続部隊に手柄を横取りされるケリーの仲間達は不満を募らせます。ケリーが金塊をくすねる計画を持ちかけると、彼らは大喜びで参加を表明しました。
戦略大作戦のネタバレあらすじ:集まる仲間
更にケリーは資材部に勤務するクラップゲーム軍曹に物資の確保を頼みます。それを盗み聞きしていた戦車隊のオッドボールも戦車を用意すると約束し仲間に加わりました。ケリーの上官であるビッグ・ジョー曹長は敵地に赴く危険な行動に断固として反対します。しかしケリー達に説得され、計画に参加することになりました。
戦略大作戦のネタバレあらすじ:厳しい道のり
夜、ケリー達は装甲車とジープに分かれ強引に前線を突破します。ところが敵地内50km付近で味方の戦闘機から誤射され車を失ってしまいます。装備を持って歩くことになったケリー達は誤って地雷原に入ってしまい、現れたドイツ軍と激しい銃撃戦になりました。辛くも勝利しましたが、仲間を数人失う結果になります。憔悴するケリー達はオッドボール達戦車隊と合流。その頃、戦線の指揮を執るコルト将軍がケリー達の動きを知りました。無線の傍受を試みると、激しい戦いを繰り広げるケリー達の声が聞こえます。彼らが兵士として勇猛果敢に戦っていると勘違いした将軍は感激し、総攻撃を決断しました。
戦略大作戦のネタバレあらすじ:クレルモンの戦闘
何とかクレルモン付近までやって来たケリー達。銀行はタイガー3台とドイツ軍人によって守られていました。ケリー達は戦車隊がタイガーを引きつける作戦に出ます。仲間に鐘楼の鐘を鳴らすよう指示するケリー。銃声は鐘の音にかき消され、ドイツ兵は次々倒れていきます。町のあちこちで戦闘が始まっていました。オッドボール達はタイガーを2台撃破しますが、自分達の戦車も壊れてしまいます。大きな戦力を失ったケリー達は、クラップゲームの提案に従い敵兵と交渉してみることにします。ケリー、ジョー、オッドボールの3人がゆっくりタイガーに近付きます。向こうからも兵が1人現れました。ケリー達は彼に銀行に金塊があることを教え、それを分けてやるから戦車砲で銀行の入口を壊して欲しいと頼みます。承諾したドイツ兵が銀行を砲撃。銀行内へ入ると木箱に入れられた金の延べ棒が山となって彼らを待っていました。ケリー達はついに目標を達成したのです。
戦略大作戦の結末:金塊と共に
クレルモンの町は、ドイツ軍から解放され歓喜に沸いていました。ケリー達は急いで金塊を車の荷台に積み込みます。取り分を受け取ったドイツ兵が米軍式の敬礼をし、ケリーはドイツ語で別れを告げました。そこへ将軍がやって来たと知らせが入ります。ジョーが民衆を上手く扇動して将軍を足止めさせ、その隙に金塊を全て積み込むことに成功しました。将軍は戦いに勝ったと上機嫌で民衆と共に喜びます。ケリー達は見つからないようこっそり町を抜け出しました。夕日に染まった道を彼らの車が走り去り、この映画も終わりを迎えます。
以上、映画「戦略大作戦」のあらすじと結末でした。
「戦略大作戦」感想・レビュー
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ラスト近く、ドイツ兵の敬礼をアメリカ式に直すケリーか記憶に残ってます
小さい頃にTVで見たきりでタイトルか分からなかったら今度借りてこよう -
アクションコメディーとはなっていますが、真面目な戦争アクションといっても過言ではないと思います。クリントイーストウッド、テリーサバラス、ドナルドサザーランド、といった素晴らしい俳優も見どころです。
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この映画「戦略大作戦」は、戦争アクションに、金の延べ棒奪取作戦をプラスしたところが新味の、戦争冒険アクション映画の痛快娯楽作だ。
監督は「荒鷲の要塞」のアクション映画を得意とするブライアン・G・ハットン。この映画は、戦場の中での戦闘アクションだけでなく、計画犯罪ものの持つ面白さも盛り込んで、二倍楽しんでいただきましょうという趣向だ。
この着想はなかなか面白い。とにかく、人をくった話が展開するのだ。そして、この映画には当時、大きな反響を呼んでいた、ロバート・アルトマン監督の「M★A★S★H」の影響を大いに受けていると思う。
朝鮮動乱のアメリカ野戦外科病院を舞台に、そこに勤務する軍医たちの奇妙奇天烈な行動を描いた反戦コメディで、ブラック・ユーモアのタッチを含んで描いていた映画だった。この「戦略大作戦」の中心人物たちは、ロバート・アルドリッチ監督の「特攻大作戦」のような無頼漢のならず者たちではない。しかし、女のことばかり考えている露骨さは「M★A★S★H」的であり、金が手に入ると聞けば、軍規もそっちのけで行動をし始めるのだ。
従来の戦争冒険アクション映画では、敵の要塞を破壊するとか、重要人物をやっつけるとか、軍の作戦に結びついた事柄が目的になっていたと思う。
だが、この映画は、莫大な金塊をいただこうという、全く個人的な欲望が目的なのだ。そのチャッカリ屋の代表選手が、クリント・イーストウッド扮するケリーで、テリー・サヴァラスその他の面々を仲間に入れるのだが、「M★A★S★H」のドナルド・サザーランドも加わっており、部隊長が留守の間に勝手に戦車隊を出動させ、作戦本部にあった敵地の地図まで無断で持ち出し、おまけに、自分たちの行動を援護させるために砲兵まで抱き込んで、大砲をぶっ放させるのだから、「M★A★S★H」以上のデタラメさだ。
こうした図々しくも大胆不敵、無軌道もいいとこのイーストウッド・グループの作戦は、数人が密かに敵地へ潜入するなんてものではなく、堂々と敵の陣地を爆破して進み、工兵隊まで動員して橋をかけるなど、普通の戦闘と同じことになってしまう。
その上、これを司令部のおめでたい将軍が、正式の奇襲作戦だと思い込み、「よくやったぞ、勲章だ! 」と喜ぶのだから、いよいよあきれかえったお話なのだ。
デタラメと言えば、これくらいデタラメな戦争映画もないだろう。
しかし、この映画は、そういうデタラメなところが見どころなので、これに腹を立てるような人には、最初から関係のない喜劇なのだ。それにしても、自分たちが命を捨て、血を流して戦った第二次世界大戦を、こなにふうに笑って笑って、笑い飛ばせるユーモア精神は、たいしたものだと思う。
そして、こんなふうに戦争を捉えて描くと、戦争というものが、いかに馬鹿々々しいものであるか、ということがかえって、くっきりと浮かび上がってくるのだ。
ティーガーとシャーマン戦車が登場すると聞いて視聴。
シャーマンは本物であり、戦車好きであれば動いているの見れるだけでもこの映画を見る価値があります。ティーガーは改造ですがそれでも完成度は高いです。
戦争映画特有の暗い雰囲気もなく戦車が出る作品では特に好きな一本です。