不思議惑星キン・ザ・ザの紹介:1986年ソ連映画。モスクワの寒い冬、路上にたたずむ裸足の男を心配して声をかけたマシコフとゲデバンは、自称異星人を名乗るその男が持っていた「空間異動装置」でキン・ザ・ザ星雲まで飛ばされてしまいます。言葉も文化も違う星から、二人は無事に地球に帰ることが出来るのでしょうか。
監督:ゲオルギー・ダネリヤ 出演者:マシコフ(スタニラフ・リュブジン)、ゲデバン(レヴァン/ガブリアゼ)、ウエフ(エヴゲニー・レオノフ)、ビー(ユーリー・ヤコヴレフ)ほか
映画「不思議惑星キン・ザ・ザ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「不思議惑星キン・ザ・ザ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
不思議惑星キンザザの予告編 動画
映画「不思議惑星キン・ザ・ザ」解説
この解説記事には映画「不思議惑星キン・ザ・ザ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
不思議惑星キンザザのネタバレあらすじ:起
冬のモスクワは今日も冷えています。一仕事終えた中年のマシコフは家へ帰りますが、奥さんからおつかいを頼まれて再び外へ出ます。通りを歩いていると、ヴァイオリンを抱えたグルシア人の青年・ゲデバンが助けを求めてきました。「通りに裸足で立っているおじさんがいてほっとけないのだが、彼は自分が異星人だと言い張っている」のだそうです。マシコフがしぶしぶ様子を見に行くと、おじさんは「この星のクロス番号を教えてくれ」だの「空間移動装置」なるもの片手に「私はベータ星雲から来た」だの全く会話になりません。しびれを切らしたマシコフは「空間移動装置」のボタンを勝手に押したのでした。
次の瞬間、マシコフとゲデバンは広大な砂漠のど真ん中に立っていました。二人は驚きのあまり声も出ませんでしたが、間を置いてマシコフが「たぶん地球のどこかの砂漠に飛ばされたんだろう」と努めて冷静に言いました。ここをロシアの砂漠と仮定し、太陽の位置から街の方角に見当をつけ、二人は歩き出します。
不思議惑星キンザザのネタバレあらすじ:承
しばらく歩いていると、遠方から空飛ぶ物体が二人の前に降り立ち、二人の人間が出てきました。その人間たちは、地球上のどの言語も通じず、すべての会話を「クー」と「キュー」で済ませています。そしてどうやら「マッチ」に大変価値があるらしく、二人は「マッチ」と引き換えに飛行船に乗せてもらうことに成功しました。船の中でしばらく過ごしていると、さっきまで全く言葉の通じなかった二人が突然ロシア語で話しだします。彼らはビーとウエフという名のようです。「何故今まで喋らなかった」とマシコフは憤りましたが、彼らは「学習し理解したのだ」と当たり前のように言います。ロシア語が通じるようになったことで、この星の奇妙な風習が除々に明らかになって行きました。ここは地球ではなくキン・ザ・ザ星雲であること。この星はチャトル人が支配しており、パッツ人は忠誠の誓いとして鼻下に鈴をぶら下げ、頬を二回たたき「クー!」と言う奇妙な挨拶をしなくてはならないこと。芸をするとお金がもらえるが、パッツ人は必ず檻の中に入ってしなければならないこと。「エツィロップ」と呼ばれる野蛮な警官たちが威張り散らしていること、会ったら丁重に挨拶しなければならない…などなど。
不思議惑星キンザザのネタバレあらすじ:転
地球へ戻るための「加速器」を買うために、マシコフは方々で交渉を続けますがなかなか上手くいきません。挙げ句の果てには、途中でゲデバンが飛行船から排出されてしまい、助けるためにマシコフも船から降り、再び広い砂漠で二人になりました。
このころになると、二人もこの星の風習にしぶしぶながら従いだし、奇妙な挨拶も様になってきます。檻の中に入ってヴァイオリンを弾きながら芸をし、くるくる回るランプが目印の「エツィロップ」が来れば警戒し丁重に接しました。ビーとウエフにも再会し、また行動を共にしはじめましたが、二人は盗みを働いたせいで「エツィロップ」にしょっぴかれてしまいます。
不思議惑星キンザザの結末
ついに最初に出会った裸足のおじさんと再会しました。おじさんの空間異動装置を使い、二人は地球へ帰ることにしますが、しょっぴかれたビーとウエフを気がかりでなかなか踏ん切りがつきません。なんとして二人を釈放させようとするマシコフとゲデバンでしたが、こちらの親切も省みず二人の意地汚さが相当なものだったので、見限って帰ることにします。
行きと同じく、帰りも一瞬でした。何事もなかったかのように元の日常に戻ります。マシコフが仕事を終えて家へ帰ると、奥さんからお使いを頼まれて再び外へ出ます。通りを歩いていると、ヴァイオリンを抱えたゲデバンが道を尋ねてきたので、方向を教えて別れます。と、その時、くるくる回るランプをつけた清掃車が二人の横を通り過ぎました。マシコフとゲデバンはとっさに頬を二回たたき「クー!」と挨拶をします。それから二人は驚いてお互いの顔をまじまじと見つめ、地球へ帰還したことを喜びあうのでした。
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