ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアの紹介:1997年ドイツ映画。末期患者のマーチンとルディ。海を見に行こうと乗ったのはギャングの車で、やがて警察も巻き込んでいく。二人は海を見られるのか。
監督:トーマス・ヤーン 出演:ティル・シュヴァイガー(マーチン・ブレスト)、ヤン・ヨーゼフ・リーファース(ルディ・ウルリツァー)、ティエリー・ファン・ヴェルフェーケ(ヘンク、ベルギー人)、モーリッツ・ブライブトロイ(アブドゥル、アラビア人)、フープ・スターペル(フランキー・“ボーイ”・ベルーガ)、ほか
映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」解説
この解説記事には映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ノッキンオンヘブンズドアのネタバレあらすじ:起・死の宣告は突然
売春宿のギャングの下っ端のヘンクとアブドゥルはボスからカーチスに車を渡すようにボスに言われ、しかし途中で子供をはねてしまい、病院へ連れていく事に。その病院では、同室になった脳腫瘍で余命いくばくもないマーチンと、末期の骨肉腫のルディが棚にテキーラを見つけ厨房でレモンを探した。そしてそれを飲みながら、海を見たことがないと言うルディに、それじゃあ天国で話題についていけないと言って、海を見に行こうと、病棟を抜け出し、ヘンクたちの車に乗り込み出発。マーチンは、海を見るのが怖いと言うルディを励ました。ヘンク達はボスに乗っていかれてしまった車を取り戻してくるようにボスに命じられ、同じ型の中古を買おうとディーラーの元へ行った。
ノッキンオンヘブンズドアのネタバレあらすじ:承・怖いものなしの二人
病院を抜け出したが、一文無しのマーチン達は、車に残された銃を見つけると、ガススタンドで、強盗まがいの事をし、やって来た警察を言いくるめると、再び走り出した。パジャマのままの二人は、服を買うために近くの銀行で強盗をし、わざと監視カメラに映った。同じ銀行にヘンクたちが強盗に入ると、現金は空で、警察が到着したところだった。やっぱり海が見たいと言うルディ。しかしマーチンは途中で薬を飲みながらでないと運転ができないほど悪化していた。警察ではマーチン・ブレストの名がすでに強盗犯として挙げられているがもちろん前科はシロで、令状を取り、家宅捜索をしても出てきたのは病院の検査予約票だけだった。マーチン達が奪った車の中には、トランクに100万マルクの入った鞄が入っていた。二人はそのお金を使って高級ホテルに泊まることにした。夜二人は互いに叶えたい願いを書き、その中で何を叶えるかを決めた。マーチンは母にキャデラックを、ルディは二人の女と寝ること。
ノッキンオンヘブンズドアのネタバレあらすじ:転・ギャングも警察も巻き込んで
翌朝、ホテルの駐車場に警察を見つけると、マーチンはルディを人質と称して、警察の服を脱がせ、その服を着て警察のふりをして外に出て今度はパトカーに乗って走りだした。そのおかげでヘンク達は車を取り戻したが、100万の入った鞄はマーチン達が持って行ってしまった。途中で壊れた警察の車を乗り捨てた二人は、通りすがりの男の車を奪ってまた走り出す。新しい街で服を買った二人だったが、マーチンがまた倒れてしまった。今まで飲んでいた薬は尽きていて、薬局へ行っても処方箋なしには劇薬のそれは出してもらえないと言う。今度はルディが銃を使い薬を調達した。マーチンはルディを再び人質と称してトルコカフェに立てこもり、それを放送させた。町を離れ、警察に追走される二人の前にヘンクたちが現れる。ギャングと警察と鉢合わせさせたマーチンとルディは脇の畑へ走り出した。しかし二人の車は崖から落ちてしまった。そこへ、警察のヘリがやってきたが、そこはもぬけの空だった。途中で大金の中からマーチンはガススタンドと銀行で強盗した分のお金を、見張りの警察にこっそり返した。
ノッキンオンヘブンズドアの結末:願い事を叶えに
二人はキャデラックを買い、再び走り出す。残りのお金へ知り合いに送り、女の子を誘おうというマーチンだが、ついた場所は母親の家だった。息子の帰還に喜ぶ母。そこへ警察が追いつくが、マーチンは発作で倒れてしまう。救急車で運ばれる中で目を覚ましたマーチンは、警察を下ろし到着したのは、救急車でヘンク達の売春宿だった。二人の女性を買いルディも夢をかなえた。自分達の本拠地にトランクを持ち去ったマーチン達が来たと気づいたヘンク達は、彼らをボスの元に連れて行った。しかし二人の手元にトランクの金はもうなかった。そこへトランクの金を受け取るはずだったカーチスがやってくる。彼は海を見たいと言うマーチン達に、早くいかないと間に合わないと二人を急かした。海辺まで来た二人は酒瓶を持って波打ち際に座った。そこで倒れたマーチンにルディはもう薬を飲ませることはなかった。
以上、映画ノッキンオンヘブンズドアのあらすじと結末でした。
ノッキンオンヘブンズドアのレビュー・考察:時間は前にしか進まない
死の宣告を受けた二人が海を見に行く、一見シュールにもロマンチックにも思えるテーマだが、作中に起こるマーチンの発作の間隔の狭まり方に、マーチンは確実に死の方へ進んでいるのがわかる。ルディが幾度か海を見ることを怖がるが、それは彼にとって海の見る事が天国への話題作りなら、知らずと海と死を結び付けていたのかもしれない。いずれにしろ、確実に死へ向かっていく彼らの様子は現代版死の舞踏のようでもあり、死があるからこそ輝く生き様というのを見せつけてくれる。
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