アンチグラビティの紹介:2019年ロシア映画。戦場は、頭の中――。『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』のプロデュースチームが手掛け、本国ロシア映画のみならずハリウッド大作にも参加しているVFXチームが総力を挙げて制作したロシア発のSFアクションです。昏睡状態に陥り、現実世界よりも遥かに時間の流れが遅い世界に閉じ込められた者たちが元の世界に戻るべく脳内での壮絶なミッションに挑んでいきます。
監督:ニキータ・アルグノフ 出演者:ライナル・ムハメトフ(建築家)、アントン・パンプーシュニー(ファントム)、ルボフ・アクショノーヴァ(フライ)、ミロシュ・ビコヴィッチ(アストロノマ)、コンスタンチン・ラヴロネンコ(ヤン)、ポリーナ・クジミンスカヤ(スプリット)、ロスチスラフ・ガルビス(ノーム)、ヴィレン・バビチェフ(タンク)ほか
映画「アンチグラビティ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アンチグラビティ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アンチグラビティの予告編 動画
映画「アンチグラビティ」解説
この解説記事には映画「アンチグラビティ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アンチグラビティのネタバレあらすじ:起
交通事故に遭い、昏睡状態となった建築家(ライナル・ムハメトフ)。部屋のベッドで目を覚ました建築家が目の当たりにしたのは、写真に写る恋人の顔の一部や部屋の冷蔵庫、天井など一部分が欠けている光景でした。部屋から出た建築家は、すれ違う人々や街の建物、周りの景色の一部が欠け落ちている光景を目の当たりにしました。
その時、建築家に突如謎の黒い怪物が襲いかかってきました。建築家は見知らぬ男女3人組に助けられ、別の向きにある道路や建物に次々とジャンプしながら逃走しました。しかし、建築家たちは怪物に追いつめられ、3人組のうちひとりのパイロット(アレクセイ・ルブチェンコ)という男が怪物を道連れに自爆しました。
建築家は3人組のリーダー各の男ファントム(アントン・パンプーシュニー)から、この世界は昏睡状態にある脳内の記憶が混乱して生み出された世界で、黒い怪物は“リーパー(死神)”であることを教えられました。建築家は手を触れただけで治癒する能力を持つ紅一点のフライ(ルボフ・アクショノーヴァ)が建築家の怪我を治し、建築家はファントムとフライに連れられて草原の中にある廃棄されたバスの中に入りました。このバスは草原と頭上の工場を繋ぐワームホールであり、ファントムは記憶が繋がっていると説明しました。
工場の中では長老ヤン(ラヴロネンコ)のもと、沢山の人々が生活していました。人々の中には地図作りに長けるアストロノマ(ミロシュ・ビコヴィッチ)、技術担当のノーム(ロスチスラフ・ガルビス)などがいました。建築家を出迎えたヤンは、彼こそが人々をリーパーのいない島に連れて行ってくれるはずだと話しました。
アンチグラビティのネタバレあらすじ:承
建築家はファントムの恋人であるフライに手を出すなと厳命されたうえで、何もない部屋に通されました。ファントムから、数日で記憶による物体が姿を現すと説明された建築家はそのまま眠りにつき、自身が交通事故に遭った時の様子を思い出していました。目を覚ました建築家は、部屋に事故に遭った際に乗っていた車の一部があることに気付きました。その中には建築家と思わしき死体がありました。
建築家はファントムから自身の能力を確かめるテストを受けるよう指示され、ノームの開発した訓練マシンの攻撃を受けて気を失ってしまいます。その際、建築家は事故に遭う前にとある宗教団体の建物に招かれたことを思い出していました。建物には昏睡状態に陥った無数の人々がベッドに寝かされていました。
目を覚ました建築家は、人々と共にノームの作ったトンネルにある潜水艦に行くことになりました。その際、建築家はヤンから、この世界の時間の流れは現実世界よりも100倍遅いことを教えられました。
移動中、建築家はファントムから「昏睡状態中は意識と体は分断されている。夢は記憶が凝縮されている。記憶を見つけると昏睡状態から覚めるかもしれない」と教えられ、“リーパー”とは脳死患者が生み出したものだと説明されました。ファントムは“笛”を持っており、このスイッチを入れるとリーパーを呼び出す信号が発せられるとのことで、リーパーを撃退するには自爆が最大の有効手段であると建築家は説明を受けました。
アンチグラビティのネタバレあらすじ:転
トンネルに入った一行は様々な記憶が混ざり合った空間に出、襲いかかるリーパーたちを倒しながら潜水艦まで辿り着きました。ノームとスプリット(ポリーナ・クジミンスカヤ)は潜水艦から魚雷の回収作業に取り掛かり、人々も信管に衝撃を与えないように慎重に運び出そうとしていました。
その時、3体のリーパーが潜水艦に近づき、ファントムは一時撤退を命じますが、建築家は自らの能力を発揮して傾斜台を生み出し、魚雷を滑り落とさせてリーパーが来る前に何とか運び出すことに成功しました。建築家がこの世界で得た能力とは建物を生み出すことでした。
建築家の能力に気付いたヤンはもしかしたらリーパーがいない島を生み出すことができるのではないかと考え、建築家に打診してみましたが、建築家は未だに自分の能力を上手く使いこなすことができませんでした。そこでフライは設計図を思い浮かべてみてはどうかとアドバイスしたところ、建築ははかつて自分が現実世界で設計していた複雑な建築物をも生み出すことができるようになりました。この頃から建築家とフライは次第に惹かれ合うようになっていきました。
ヤンは島を作る計画を実行に移すべく、アストロノマを隊長に任じて人々を島を作る予定地まで移動させることにしました。いざ人々が出発すると、人々にリーパーが襲いかかってきました。実はファントムが“笛”でリーパーを誘き寄せていたのです。人々は逃げ惑い、草原の廃バスまで撤退しようとしましたが取り囲まれてしまいました。
その時、空に穴が開いて光が溢れ出し、気が付くと建築家は病室のベットにいました。病室の壁にはエジプトのアブ・シンベル宮殿の絵が飾られており、建築家はこの時全てを思い出しました。
建築家が事故に遭ったあの日、建築家は宗教団体「永遠の生命」から建物の設計依頼を受けていました。「永遠の生命」からオファーを受けた建築家は恋人の運転する車で教団施設に向かい、そこで教祖のヤンと出会いました。実は脳内の世界を作り出したのはヤンであり、脳内世界に登場する人々はみな教団施設で昏睡状態のままベッドに繋がれた人々だったのです。
ヤンは特殊能力を持つ信者を自ら開発した特殊な薬で眠らせ、脳内で“永遠の世界”を作ろうと企んでいたのです。危険を感じた建築家は恋人と共に車で教団から逃げ出しましたが、途中で車はトラックに激突して横転、建築家はそのまま教団に捕まってしまったのでした。
アンチグラビティの結末
建築家のベッドの隣には、フライが昏睡状態で寝かされていました。建築家は現れたヤンから早く計画を完成させるよう命じられ、見返りとして自分とフライを解放するよう要求しました。建築家はヤンの薬で再び昏睡状態となり、再び脳内の自分の部屋で目覚めました。
その頃、人々はリーパーと戦い続けていました。タンク(ヴィレン・バビチェフ)は必死でリーパーを爆弾で攻撃しましたが、もはや爆弾も底を尽きそうになりました。駆け付けた建築家は橋を出現だせてリーパーを圧し潰し、人々を島の建設予定地まで連れていきました。建築家は島を作り、更には巨大な都市まで生み出すと、人々に脳内世界の真実とヤンの目的を伝えましたが、ヤンは人々はそれぞれ現実世界には戻れない事情がある(タンクは両足切断、アストロノマは病気、スプリットは発作の持病あり、など)ことを告げ、秘密を知られたからには全員生かしてはおけないと通告してきました。
ヤンは現実世界で建築家ら昏睡状態の人々の人工呼吸器を止めており、このままでは全員があと15分で死に絶えてしまうのです。やがてスプリットの身体が崩れ出し、建築家はフライとアストロノマを連れてバスの向こうの工場へと戻りました。建築家はリーパーをノームが作った訓練マシンで撃退、建築家の部屋まで逃れると、部屋の車の向こうに教団施設があるのを発見しました。
建築家たちは教団施設内の病室の場所を探して回りますが、遂にはアストロノマが消滅してしまいました。そして建築家とフライがようやく病室の絵と同じアブ・シンベル宮殿を見つけたその時、現れたヤンがリーパーに変身して二人に襲いかかりましたが、建築家とフライは間一髪で神殿に入り込みました…。
…建築家とフライは現実世界で目覚めました。ヤンは脳死状態となっており、建築家はフライと共に教団施設から脱出しました。実はフライこそが建築家の現実世界での恋人だったのです。
建築家とフライは現実世界で平穏な生活を取り戻しました。テレビではヤンの教団のニュースが報じられていました。建築家の元には再び招待状が届きましたが、建築家はそれを机の引き出しにしまって鍵をかけておきました。
以上、映画「アンチグラビティ」のあらすじと結末でした。
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