ラルジャンの紹介:1983年フランス,スイス映画。裕福な家庭の少年が小遣いほしさに友人と偽札を使ったことから、巡り巡って罪もない男が悲惨な運命を辿ることになる。トルストイの「ニセ利札」を原作とした悪の連鎖を描く。
監督:ロベール・ブレッソン 出演:クリスチャン・パティ(イヴォン)、カロリーヌ・ラング(イリース)、マルク・エルネスト・フルノー(ノルベール)、ヴァンサン・リステルッチ(リュシアン)、ほか
映画「ラルジャン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ラルジャン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ラルジャンの予告編 動画
映画「ラルジャン」解説
この解説記事には映画「ラルジャン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ラルジャンのネタバレあらすじ:起・無実の罪
裕福な家庭の高校生ノルベールは友人から偽札を見せられ、小遣い欲しさにそれを写真店で使い、まんまとお釣りを稼ぐことに成功する。その後、店主がレジにあった偽札に気づき、関わりを避けるため早々に使うことを考え、店に燃料配達にやってきたイヴォンに料金として支払う際に偽札を使う。
そうとは知らないイヴォンは、配達を終えたあと食堂での支払いにその札を使うと、店員から偽札だと言われ、イヴォンは偽札作りの一味だと通報されてしまう。事情を明らかにするため、イヴォンは警官と共に写真店を訪れるが、店主夫婦も店員のリュシアンも、イヴォンには会っていないと偽証、弁護士にも相談するが無実の訴えは却下される。
ラルジャンのネタバレあらすじ:承・保身の人々
一方、写真店ではリュシアンが売上金を着服していたことが店主にバレて、クビになる。リュシアンは腹いせに店と金庫の鍵を持ち出し、後日、店から金目のものを盗み出す。店主の妻は通りでノルベールを見かけると、彼の学校に乗り込んで事の次第を報告する。ノルベールの母親は写真店を訪れて謝罪し、名前を出さないよう金を渡す。
ラルジャンのネタバレあらすじ:転・絶望の淵で
収監はされなかったものの、無実が証明されなかったことで仕事もクビになってしまったイヴォンは、妻と幼い娘を養うため、知人から紹介された仕事を受ける。何も知らされないまま指示通りの場所に車で待機していると、近くの銀行で強盗事件が発生、彼は銀行強盗に加担していたとして禁固3年の刑に処せられる。
刑務所で、イヴォンは面会に来た妻から別れを告げられ、その後、手紙で娘が病死したことを知る。他の受刑者といさかいを起こして独房に入れられた彼は、絶望から自殺を図るが、一命を取りとめる。
その頃、詐欺と窃盗で捕まったリュシアンが、イヴォンと同じ刑務所に送られてくる。リュシアンはイヴォンに一緒に脱獄しようと誘うが、彼の偽証を恨んでいるイヴォンは取り合わない。
ラルジャンの結末:静かな狂気
刑期を終え、あてのないまま出所したイヴォンは、小さなホテルを訪れる。ほどなく彼は血を洗い流すと、フロントからわずかな金を手にホテルを後にする。その後、彼は街で老婦人とすれ違う。彼は郵便局で金をおろした彼女の後を追って行き、夜間に彼女の家に入り込む。
そこでイヴォンはホテルで人を殺したことを老婦人に告白するが、彼女は特に驚くこともなく、淡々と聞き、彼に食事と寝る場所を与える。年老いた父親や妹夫婦の世話に明け暮れる老婦人を手伝いながらも、イヴォンは彼女になぜ家族の犠牲になってまで生きているのかと問う。
そして夜、家に侵入したイヴォンは、斧で老婦人の父親、妹夫婦を手にかけ、老婦人にまでも斧を振り上げる。斧を川に投げ入れたあと、彼はバーで酒を一杯引っ掛けると、そこにいた警察官にホテルと老婦人の家での殺害を自供する。イヴォンは手錠を掛けられ、野次馬が集まる中、警官たちによって連行されるのだった。
以上、映画「ラルジャン」のあらすじと結末でした。
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