青髭の紹介:2009年フランス映画。シャルル・ペローの童話『青ひげ』を映画化。殺人を繰り返す男の狂気と孤独を、幼い少女の読み聞かせによって描き出すドラマ作品。父の死で困窮した生活を送るマリー=カトリーヌは、城に住む裕福だが醜い男と結婚することになった。「青髭」と呼ばれるその男は何度か結婚しており、その度に妻が失踪しているらしい。しばらくは穏やかに暮らしていたマリー=カトリーヌだったが、決して見てはならないと禁じられていた小部屋を覗いてしまい、恐ろしい真実を目の当たりにする。
監督:カトリーヌ・ブレイヤ 出演者:ドミニク・トマ(青髭)、ローラ・クレントン(マリー=カトリーヌ)、ダフネ・ベヴィール(アンヌ)、ローラ・ジョヴァネッティ(マリー=アンヌ)ほか
映画「青髭(2009年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「青髭(2009年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「青髭(2009年)」解説
この解説記事には映画「青髭(2009年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
青髭のネタバレあらすじ:「青髭」の噂
舞台は近世フランス。厳格な私立学校で寄宿生活を送るアンヌとその妹マリー=カトリーヌは、尼僧院長から突然の呼び出しを受けました。そこで2人の父親が事故死したと告げられます。ショックで言葉も出ない姉妹を、尼僧院長はさっさと学校から追い出してしまいました。馬車に揺られながら涙を流すマリー=カトリーヌは、窓の向こうに見える古い城に興味を持ちます。城には「青髭」と呼ばれている男が住んでいました。彼は非常に裕福ですが醜い男で、周りから距離を置かれています。何度か結婚していますがその度に妻が消えていました。女に残忍な青髭が殺したのだともっぱらの噂です。正義は金持ちのものだと吐き捨てるアンヌに、マリー=カトリーヌは将来必ず金持ちになると誓いました。家で姉妹を待っていたのは、父の遺体と泣き崩れる母。しかも遺産どころか借金を抱えています。家財道具はほとんど買い叩かれてしまい、一家は貧しい生活を余儀なくされました。そんなある日、青髭の城から使者がやって来ます。青髭が新しく妻を探しており、姉妹がその候補になったのです。使者は一家の困窮ぶりを見て、1人が裕福な青髭の妻になれば、家族も恩恵に与れると笑って出ていきました。後日、招かれた城のパーティーで、マリー=カトリーヌは青髭と出会います。自分のことを怪物だと言い、深い孤独の中にいる青髭。マリー=カトリーヌはそんな彼を正直者だと感じ、結婚することにしました。
青髭のネタバレあらすじ:結婚生活
結婚の準備を進めるマリー=カトリーヌは、豪華な婚礼のドレスに浮き足立っていました。それを見るアンヌの表情は沈んでいます。アンヌは年上の醜い男に嫁ぐ妹を可哀想に思っていました。結婚式の後城に移ったマリー=カトリーヌは、見るもの全てが珍しいのかはしゃぎ回っています。彼女は青髭にねだって自分だけの部屋を用意して貰いました。とても小さいけれど、青髭も入れないマリー=カトリーヌだけの部屋。マリー=カトリーヌが「怒った?」と聞くと、青髭は「真実を言う限り わしは怒らん」と答えました。それから2人は仲睦まじく、穏やかに暮らしました。ところがひと月ほどして、青髭は10週間仕事で城を空けることになります。青髭は城のあらゆる扉を開けられるカギ束をマリー=カトリーヌに渡しました。寂しさに肩を落とす彼女に、青髭はアンヌや友人を呼んで楽しく過ごすよう言います。マリー=カトリーヌは青髭に言われた通り、アンヌ達を呼んで城でパーティーを開きました。しかし心は寂しく、満たされません。10週間後、ようやく帰って来た青髭にマリー=カトリーヌは喜んで抱きつきました。
青髭のネタバレあらすじ:恐ろしい真実
しばらくして、青髭はまた城を留守にすることになります。肩を落とすマリー=カトリーヌに、青髭は前回と同じようにカギ束を渡します。しかし「カギを好きに使えばいい この小さなカギ以外はな」と言って、金色のカギを見せました。地下にある小部屋のカギで、決して開けてはならないと警告します。青髭が発った後、マリー=カトリーヌは好奇心に負けて禁じられたカギを使ってしまいました。小部屋にはおぞましい光景が広がっています。複数の遺体が吊るされ、床は血の海になっていました。遺体は青髭のかつての妻達で、皆青髭に殺害されていたのです。驚いたマリー=カトリーヌは、思わずカギを血だまりに落としてしまいました。急いでカギを拾って部屋に戻り、何とか呼吸を落ち着けます。ところがどうやってもカギに付着した血の汚れが取れません。焦るマリー=カトリーヌ。色々な方法を試していると、昨日発ったばかりの青髭が帰って来ます。マリー=カトリーヌは誤魔化そうとしましたが、青髭は騙されませんでした。彼は悲しそうに頭を抱えながら、言いつけを破ったマリー=カトリーヌのことも殺害して吊るすと告げます。
青髭のネタバレあらすじ:青髭の末路
マリー=カトリーヌはせめて塔の上でお祈りをしたいと懇願しました。青髭から許しを得ると、マリー=カトリーヌは急いで階段を駆け上がり塔の上からアンヌを探します。この日は元々アンヌを城に招待していたのです。助けが来るまで、マリー=カトリーヌは時間を稼ぐことにしました。宝石つきの短剣で殺して欲しいと頼んだり、婚姻の衣装で死にたいと願ったり。その度に青髭は塔の階段を行ったり来たりします。そしてついに2人の銃士が城に現れ、青髭を殺害しました。マリー=カトリーヌは青髭の生首を皿に乗せ、ぼんやりと撫で続けます。
青髭の結末:幼い姉妹
――カトリーヌとマリー=アンヌの幼い姉妹は、古い物置部屋を探検していました。姉は妹に対して口うるさく、妹は少し生意気な性格でしたが仲の良い姉妹です。シャルル・ペローの童話『青ひげ』の本を見つけた2人。姉は怖いからと嫌がりますが、妹は構わず読み聞かせ始めます。特に結末を恐れる姉は逃げるように後ずさりました。妹は声を大きくしながら本を読み、姉を追い詰めるように歩を進めます。すると姉が突然悲鳴を上げました。床に空いていた穴に気付かず、階下まで転落してしまったのです。その直後、姉妹の母がやって来ました。妹はピクリともしない姉をじっと見つめます。
以上、映画「青髭」のあらすじと結末でした。
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