ふたりの女の紹介:1960年イタリア映画。戦時下のイタリアで激しさを増す空襲から逃れるため疎開した母と娘。ふたりの女性がたどる悲惨な運命を描く。本作でS・ローレンがアカデミー賞主演女優賞を受賞。
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ 出演:ソフィア・ローレン、ジャン=ポール・ベルモンド、ラフ・ヴァローネ、エレオノラ・ブラウン、ほか
映画「ふたりの女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ふたりの女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ふたりの女」解説
この解説記事には映画「ふたりの女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ふたりの女のネタバレあらすじ:起・母と娘
第二次大戦中のイタリア、ローマ。夫に先立たれて以来女手ひとつで娘ロゼッタを育てながら食料品店を切り盛りするチェジラは、日ごとに激しさを増す空襲に心臓の弱い娘の体を気遣ってローマを離れることを決意する。
留守中の店の管理を頼むため夫の友人ジョヴァンニの元を訪れたチェジラは、そこで彼に体を求められると抗いながらも体を許す。
ふたりの女のネタバレあらすじ:承・青年との出会い
翌日、チェジラはロゼッタを連れて生まれ故郷の村に向かう。村にはすでに大勢の人が疎開してきていたが、まだ食料にも困ってはおらず、いたって平穏な様子だった。そこで母娘は反ファシズムの青年ミケーレに出会い、親しくなる。
何かと気遣い、面倒をみるミケーレにロゼッタも懐き、ミケーレもチェジラを愛するようになる。しかしムッソリーニ逮捕の知らせがもたらされ、戦況の変化により村にも混乱が生じる。各国の軍人がイタリアを出る道すがら村に現れるようになり、やってきたドイツ兵は銃で脅して食料を要求し、山道を抜けるための案内役としてミケーレを拉致していく。
ふたりの女のネタバレあらすじ:転・悪夢のような出来事
そんな出来事があり村に留まることに不安を感じた人々は、戦争も終わりが近いと判断して村を後にしはじめる。ロゼッタはミケーレが帰っていることを願って故郷へ戻る彼の両親とともに行くことを望むが、チェジラは抵抗するロゼッタを叱責してローマへの帰途につく。
途中歩き疲れた母娘は廃墟となった教会を見つけ、そこで休息をとる。そこで気配に気づいたチェジラがロゼッタを起こして逃げようとした矢先、モロッコ兵士が押し寄せ、母娘に襲いかかる。娘の名を叫びながら必死の抵抗を見せたチェジラだったが頭を打ちつけられ、気を失う。
ふたりの女の結末:行き場のない怒りと悲しみ
意識を取り戻したチェジラが目にしたのは、無残な姿で茫然自失しているロゼッタだった。母娘はボロボロな姿のまま、ひきずるような足取りでローマへの道を歩き始める。途中、通りかかったトラックに載せてもらったチェジラたちはその晩、運転していた青年の家に宿を借りる。
夜中に目覚めたチェジラはロゼッタがいないことに気づき、あたりを探し始める。ミケーレの故郷へ行ったのではないかと思ったチェジラは家人にその村へ連れて行って欲しいと頼むが、そこでミケーレはドイツ兵に山中で殺されたことを聞かされる。
ほどなくロゼッタは青年と祝勝パーティーに出かけていたことを知り、呆然と彼女の帰りを待つ。明け方戻ってきたロゼッタをチェジラは激しく叱責するが、心をなくしたかのようなロゼッタは悪びれることなく、平然としていた。そんな娘にチェジラはミケーレが死んだことを告げると、ロゼッタは突如我に返り激しく泣き出す。チェジラは許しを請いながらロゼッタをしっかりと抱きしめる。
以上、映画「ふたりの女」のあらすじと結末でした。
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