悲しみの皮の紹介:2010年フランス映画。命と引き換えに願いを叶える“悲しみの皮”を手に入れた青年が、次々と願望を実現し、全てを手に入れた末に本当に大切なものに気づく。バルザックの「あら皮」をもとに映画化。
監督:アラン・ベルリネール 出演:トーマ・クマン、アナベル・エトマン、ジュリアン・オノレ、ミレーヌ・ジャンパノイ、ほか
映画「悲しみの皮」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「悲しみの皮」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
悲しみの皮の予告編 動画
映画「悲しみの皮」解説
この解説記事には映画「悲しみの皮」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
悲しみの皮のネタバレあらすじ:起・不思議な皮
作家のラファエルは本を世に出し裕福になることを夢見ていたが、3年かけて書いた1000ページの作品は出版社に受け入れられることはなく、出版の手段として紹介された伯爵夫人フェドーラからもひどく傷つけられた彼は、下宿を引き払って旅に出ようとする。
その時、ラファエルを慕う下宿屋の娘ポリーンから1枚のナポレオン金貨を手渡されたラファエルは、最後の望みをかけてカジノへ行くが、賭けは負けて1文無しに。絶望に打ちひしがれる彼はセーヌ川に身を投げようとするが失敗、骨董品店で目にした拳銃を手に入れようと店に入る。
ラファエルの絶望を知った店主は彼に“悲しみの皮”の存在を明かす。それは命と引き換えに願望を叶えるというもので、一度約束を取り交わしたら二度と破棄することはできないという。
ラファエルは皮を手に、ふざけ半分で王様のような豪華な生活を願うと、約束は取り交わされたとして店主は皮をラファエルに持ち帰らせる。
悲しみの皮のネタバレあらすじ:承・限りない欲望
店を出たラファエルは、そこへ偶然通りかかった友人に銀行家の晩餐会に誘われ、そこで新しく投資する新聞社の編集長に任命される。降って湧いたような幸運に驚いていると、さらに亡くなった父の友人だった市長の遺産が彼に転がり込み、あっという間に裕福な身となる。
そこで皮が縮んでいることを確認したラファエルは、“悲しみの皮”が本当で願いが叶ったことを知る。
裕福になったラファエルは出版社を買って本を出版し、仕返しにフェドーラの評判を貶め、次々と願望を実現させていくと同時に“悲しみの皮”はどんどん縮んでいく。
全てを手に入れたと思ったラファエルは、小さくなった皮を前に欲することを止める決意をするが、ふと亡くなった母を思い出し、質入れした母のピアノを取り戻すことを願う。
悲しみの皮のネタバレあらすじ:転・訪れた幸福
ある時、ラファエルは劇場でポリーンに再会し、彼女が質入したピアノを買い戻していたことを知る。ポリーンの優しさと彼女への愛で喜びに満たされた彼は、そこで思わずポリーンを欲してしまうと、皮はさらに縮む。
ポリーンとの結婚を前に彼の体調は不調をきたし、いよいよ余命わずかとなる。彼女を苦しめまいとしたラファエルは、誰にも行き先を告げず屋敷を後にして最後の時を待っていた。
皮はもう手首に貼り付くほどになり、もはやラファエルの一部となっていたが、ポリーンが失恋の痛手からセーヌ川に投身し危篤状態であることを知ると、彼女が長く幸せに生きることを願う。
悲しみの皮の結末:最後の願い
急ぎポリーンの元へ向かっている途中、ポリーンは息を引き取るが、願いが叶い彼女は息を吹き返す。
瀕死の状態でポリーンと再会したラファエルは、最後にポリーンがまた恋をすることを願うと、皮は消滅し、ポリーンに抱かれたまま彼は息絶える。
ラファエルの墓碑を訪れたポリーンの傍らには、彼女を見守るラファエルの姿があった。そしてポリーンには彼の最後の願いだった新しい出会いが待っていた。
以上、映画「悲しみの皮」のあらすじと結末でした。
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