密告の紹介:1943年フランス映画。フランスの田舎町。ある産婦人科医の元に送られてきた一通の怪文書がきっかけとなり、小さな街に不穏な空気が漂い始める。フィルムノワールを代表するフランスの映画監督アンリ=ジョルジュ・クルーゾーによるミステリー映画。ドイツ占領下で製作された本作品はナチスへの批判が込められていると受け取られ、上映禁止となったいわくつきの作品です。
監督:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー 出演者:ピエール・フレネー(ジェルマン)、ピエール・ラルケ(ヴォルゼ)、ミシュリーヌ・フランセ(ローラ)、エレナ・マンソン(マリー)、ジネット・ルクレール(ドニーズ)ほか
映画「密告」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「密告」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「密告」解説
この解説記事には映画「密告」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
密告のネタバレあらすじ:起
舞台はフランスの小さな町。産婦人科医のジェルマンのもとにカラスと名乗る者から精神科医ヴォルゼの妻ローラとジェルマンの不倫を告発する怪文書が届きます。ジェルマンは身に覚えのない中傷に激しく憤りを見せますが、町の人々はこの噂を信じ始めます。追い打ちをかけるように今度はジェルマンがモルヒネを密売しているという怪文書が届きます。ジェルマンは怪文書のせいで担当していた患者の家族から診察を拒絶されたり、医師としての経歴を疑われたりと八方塞がりの状態が続いていきます。
密告のネタバレあらすじ:承
ジェルマンは足の悪い患者ドニーズと恋仲になりますが、根も葉もない噂に苦しめられ、次第に町を出るべきなのではないかと考えはじめます。不幸は続き、ジェルマンの勤める診療科の青年患者が自殺するという事件が起きます。青年はカラスからの手紙で不治の病にかかっていることを知ってしまったのです。その後青年の葬儀がおこなわれます。ローラの姉で看護師のマリー・コルバンの用意した花輪からカラスの手紙が落ちたことから、マリーコルバンが怪文書の犯人なのではないかと疑われ始めます。マリーは町中の住民から責められ、やがて逮捕されますが、マリーとカラスは別人であるという手紙が再びカラスから届きます。一方ジェルマンへの濡れ衣も晴らされないままでした。町の有力者達はジェルマンさえいなくなれば、怪文書に惑わされることもなくなり、街に平穏が戻ってくるはずだと彼を厄介払いしようとします。
密告のネタバレあらすじ:転
ジェルマンはもともとパリの病院で働く優秀な脳外科医でした。ある時ジェルマンの妻が子供を身籠りますが、重篤な病にかかってしまいます。ジェルマンは妻を優秀な産婦人科医に託しますが、妻と子供が助かりませんでした。それ以来ジェルマンは名を変え、産婦人科医となって母子の命を救うことに尽力してきたのです。ジェルマンはいよいよ街を出る覚悟を決めますが、ドニーズが妊娠していることを知ります。ドニーズの部屋からカラスの怪文書を真似た手紙が見つかったことからジェルマンは彼女が犯人なのではないかと疑い始めます。しかしドニーズは身の潔白を主張し、ローラの身に危険が迫っていることを伝えます。
密告の結末
ジェルマンはローラの元へ向かいますが、ローラの指に真新しいインクが付着していたことから今度は彼女がカラスなのではないかと疑います。ヴォルゼは夫婦仲がうまくいってなかったことを告白し、精神を病んだローラがジェルマンの気を引くために怪文書を書いていたのだと打ち明けます。さらにローラの机の中からカラスのサインが記された吸取紙が発見され、ジェルマンはローラを厳しく責め立てます。ヴォルゼからドニーズが階段で足を踏み外したと聞いたジェルマンは急いでドニーズの元へと走ります。ジェルマンはドニーズを疑ったことを詫び、ローラがカラスであったことを告白しますが、ローラが心からカラスを怖がっていたことを知るドニーズは彼女がカラスではないと訴えます。ジェルマンが再びヴォルゼ家を訪ねると狂人だと見なされたローラは精神病院へと強制収容された後でした。部屋では犯人ローラは罰せされたという怪文書を残してヴォルゼが息絶えていました。ジェルマンは真犯人がヴォルゼであったことを知るのでした。
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