戦争より愛のカンケイの紹介:2010年フランス映画。生真面目な47歳の鳥類学者アルチュールは若き美女バイアと出会い恋に落ちます。しかし彼女は政敵を転向させることに情熱を注ぐ自称政治的娼婦でした…。親子ほども違う年齢の違う男女が人種や思想の壁を乗り越え、真実の愛に目覚めるまでを描いた奇想天外なラブコメディです。
監督:ミシェル・ルクレール 出演者:ジャック・ガンブラン(アルチュール・マルタン)、サラ・フォレスティエ (バイア・ベンマフムード)、ジヌディーヌ・スアレム 、キャロル・フランク、ミシェール・モレッティ、リオネル・ジョスパン、ほか
映画「戦争より愛のカンケイ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「戦争より愛のカンケイ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「戦争より愛のカンケイ」解説
この解説記事には映画「戦争より愛のカンケイ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
戦争より愛のカンケイのネタバレあらすじ:起
アルチュールは動物由来の伝染病を監視する機関で働く47歳の独身男性です。アルチュールはラジオ番組に出演し、流行している鳥インフルエンザついて市民に注意換気を促しています。そこにラジオ局のコールセンターでアルバイトをする若い美女バイアが乗り込んできました。バイアはカモを危険視するアルチュールに異を唱え、ファシストと吐き捨て、職を失います。アルチュールは帰ろうとしていたバイアを呼び止め、自分のせいでクビになってしまったことを詫びます。唐突にもバイアから私と寝てみないかと誘惑されますが、極度の潔癖症の両親に育てられ、用心深い性格のアルチュールはその誘いを断ります。
ちょうどその頃フランスでは大統領選が間近に迫っていました。アルチュールは社会党のリオネル・ジョスパンを支持していますが、世論調査では国民運動連合のジャック・シラクに苦戦を強いられています。後日アルチュールは大統領戦の投票のため訪れた投票所でバイアと再会します。バイアはシラクに投票してしまったと泣きながらアルチュールに抱きつきます。バイアはアルチュールを食事に誘い、二人は買い出しのためスーパーへやってきます。しかしバイアはそこで愛人の一人ナシムに夕食に誘われ、アルチュールをほっぽりだして家に戻ってしまいます。シャワーを浴びていると他の愛人からも次々と電話が入り、電話に気をとられていたバイアは全裸であることにも気付かず、外に飛び出していきます。
一方、アルチュールはスーパーで待ち惚けを食らい、困り果てていましたが、店の前を全裸で通り過ぎていくバイアを目撃します。駅に着いたバイアはようやく全裸であることに気づき、動転して身を隠そうとしていたところをアルチュールに保護されました。二人はその夜関係を持ちました。
戦争より愛のカンケイのネタバレあらすじ:承
アルチュールが目を覚ますと、リビングで中年男性のエリックがピアノを弾いていました。アルチュールが連れ込まれたのはバイアの同棲相手エリックの部屋だったのです。エリックはバイアが色んな男を連れ込むので困っているとアルチュールにぼやきます。拍子抜けしたアルチュールは家へと戻っていきますが、バイアが追いかけてきました。そして自分が沢山の男と関係を持つのは政敵を転向させるためなのだとアルチュールに説明します。
軍人だったアルジェリア出身の父とヒッピーの母を持つバイアは保守的な思想を持つ男達を嫌い、彼らと寝ることでその思想を転換させることに熱意を傾けていました。アルチュールは自分が左派であることを告白すると、バイアは思想に関係なく好きになったのだと愛を告白します。二人は深く愛し合うようになりますが、バイアはその後滞在許可証を融通するため移民の黒人男性と形式だけの結婚式を挙げます。バイアにとってはこれが三度目の結婚になりました。バイアとアルチュールの愛人関係はその後も続いていきます。アルチュールは天衣無縫で純真、何物にも捕らわれないバイアの自由な人柄を愛していました。
戦争より愛のカンケイのネタバレあらすじ:転
ある日アルチュールとバイアは身分証を再発行するというアルチュールの母に付き添うことになり、役所へやってます。職員はアルチュールの母に両親の国籍を尋ねますが、両親がギリシャ系ユダヤ人であることに後ろめたさを感じる母は、固く口を閉ざしてしまいます。アルチュールは祖父母が強制収容所で虐殺されたユダヤ人であったことをバイアに打ち明けます。バイアはアルチュールの祖先が移民であったことを知り痛く感動、二人の出会いに運命的なつながりを感じ始めます。しかし身分証の一件以来アルチュールの母は体調を崩していきます。
アルチュールとバイアはアルチュールの両親を自宅に招き、ディナーを振る舞います。バイアは両親に気に入られようと必死に話を合わせようとしますが、そこにタイミング悪くバイアの両親もやってきてしまいます。そして五人で食事を再開しますが、やがて原発の職員だったアルチュールの父と脱原発を訴えるバイアの母が口論を始めます。機転を利かせたアルチュールが話題を変えることに成功、食事会は何とか無事に終わりました。バイアは帰り際アルチュールの母を抱きしめ、ユダヤ人のご両親はきっとあなたを誇りに思っていると囁きます。
四人が帰った後、再び玄関のチャイムが鳴ります。アルチュールがドアを開けると、そこにはアルチュールが敬愛するジョスパンが立っていました。バイアは密かにジョスパンとも親交を深めており、アルチュールが喜ぶ姿を見たくてジョスパンを自宅に呼び寄せたのでした。
戦争より愛のカンケイの結末
アルチュールの母が体調を崩し入院してしまい、アルチュールは母を見舞います。母は自分の過去に起こったことについて何かを言いかけますが、結局見回りにやってきた看護師に遮られ、アルチュールは話を聞いてやることはできませんでした。バイアから、父が本当は絵描きになりたかったと聞かされたアルチュールは、モハムドに事務所に飾る絵を描いて欲しいと依頼します。アルチュールの心の優しさに胸を打たれたバイアは、男達と寝ることをやめ、アルチュールと運命を共にする決意を固めます。しかし母が睡眠薬を飲んで命を絶ったことを知ったアルチュールは深く心を閉ざし、関係を清算したいとバイアに別れを告げます。
その後、アルチュールは他の女性と積極的にデートを重ねますが、バイアのことが忘れられません。娼婦としての実体験を綴った著書を出版したバイアはテレビに出演し、本の出版とともに政治的娼婦は卒業すると宣言しました。アルチュールはバイアの出版記念のパーティーに駆けつけ、バイアにプロポーズしました。
それから数年後、バイアはアルチュールの子供を身ごもります。二人は生まれてきた子供にチャン・マルタン=ベンマフムードと名付けます。
以上、映画「戦争より愛のカンケイ」のあらすじと結末でした。
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