田園の守り人たちの紹介:2017年フランス, スイス映画。第一次世界大戦下のフランスの田園地帯を舞台に、戦場に向かった男たちに代わって農場を守り続けた女たちの物語です。『神々と男たち』でカンヌ国際映画祭グランプリを受賞したグザブエ・ボーボワ監督がメガホンを執り、フランスの名女優ナタリー・バイと娘のローラ・スメットが親子初共演を果たしています。
監督:グザビエ・ボーボワ 出演者:ナタリー・バイ(オルタンス・サンドレール)、ローラ・スメット(ソランジュ)、イリス・ブリー(フランシーヌ・ライアント)、シリル・デクール(ジョルジュ・サンドレール)、ジルベール・ボノー(ヘンリ・サンドレール)、オリビエ・ラブルダン(クロヴィス)、ニコラ・ジロー(コンスタン・サンドレール)、マチルド・ヴィズー(マルグリット・サンドレール)ほか
映画「田園の守り人たち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「田園の守り人たち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「田園の守り人たち」解説
この解説記事には映画「田園の守り人たち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
田園の守り人たちのネタバレあらすじ:起
時は第一次世界大戦真っただ中の1915年、フランスの田園地帯。働き盛りの農場の男たちはみな徴兵されて戦場に送り出され、残った女たちが必死に農場を守っていました。女たちは必死で力仕事に精を出していました。
とある農場を営む未亡人のオルタンス・サンドレールもそのひとりでした。オルタンスは長男・コンスタンと次男・ジョルジュを戦場に送り出し、娘のソランジュと共に畑仕事に精を出していました。
翌1916年、コンスタンは休暇で久しぶりに故郷に帰省してきました。オルタンスはコンスタンの帰郷を心から喜んでいましたが、コンスタンはソランジュにだけ戦場の辛さを訴える本音をこぼしていました。やがて休暇が終わり、コンスタンは再び戦地へと戻っていきました。
やがて最も忙しい収穫期を控え、オルタンスの農場は人手不足に悩まされていました。そこでオルタンスは町で紹介されたフランシーヌ・ライアントという若い女性を雇うことにしました。両親はおらず、施設育ちのフランシーヌはこれまで様々な家庭で使用人として雇われてきた経歴の持ち主です。
フランシーヌは牛の世話や畑仕事、さらには家の仕事なども熱心にこなし、その働きぶりを認めたオルタンスはフランシーヌの雇用期間を延長することにしました。
田園の守り人たちのネタバレあらすじ:承
収穫期を迎えた頃、農場には出征していたソランジュの夫・クロヴィスも帰省してきました。戦場の悲惨さに心を痛めるクロヴィスは、敵国であるドイツ人も自分たちと同じ人間ではないかと訴えていました。
やがてクロヴィスも戦場に戻っていき、入れ替わるかのようにジョルジュが戦地から休暇で帰ってきました。フランシーヌとジョルジュはたちまち恋に落ちてしまいましたが、ジョルジュもまたすぐに戦場に戻らなければなりませんでした。フランシーヌとジョルジュは手紙を送り合うことを誓い合い、ジョルジュは旅だっていきました。
戦争が長引くにつれ、オルタンスはこのまま男たちが戻ってこなかったらと一抹の不安を抱えていました。そんな折、ソランジュはクロヴィスがドイツ軍の捕虜になったとの知らせを受け、深い悲しみに暮れました。
さらに追い打ちをかけるように、今度はコンスタンが戦死したとの知らせが舞い込んできました。オルタンスは衝撃のあまり倒れ込んでしまいました。
一方、フランシーヌは戦場のジョルジュと文通を続けていました。ジョルジュと互いに想いを募らせるフランシーヌでしたが、手紙のやり取りはソランジュの義娘マルグリットに知られてしまいました。幼い頃からジョルジュに想いを寄せていたマルグリットは激怒しました。
そんな最中、ジョルジュが再び戦場から戻ってきました。フランシーヌとジョルジュはそのまま愛し合いました。
田園の守り人たちのネタバレあらすじ:転
オルタンスの農園にはフランスに駐在するアメリカ兵が作物の買い付けに訪れるようになっていました。ジョルジュは農場に気軽に上がり込むアメリカ兵を快く思っていませんでしたが、対応するソランジュは次第にアメリカ兵の一人と親しくなっていきました。
ジョルジュが再び戦場に戻る頃には、ソランジュとアメリカ兵の関係は農園周辺ではまことしやかに噂になっていました。ジョルジュが旅立つ日、フランシーヌは農園に買い付けに来たアメリカ兵の対応をしていました。それに目を付けたのか、オルタンスはジョルジュにフランシーヌがアメリカ兵と関係を持っていると嘘を吹き込みました。
ソランジュの醜問をフランシーヌに擦り付けたのです。オルタンスの言葉を真に受けてしまったジョルジュはフランシーヌを追い出すようオルタンスに頼み、オルタンスはフランシーヌに今すぐ農園から出ていくよう迫りました。
フランシーヌは身の潔白を訴えましたが、オルタンスは家族を守るためだと言い張りました。あまりの仕打ちにフランシーヌはオルタンスを怪物だと言い放ち、そのまま農園を去っていきました。
田園の守り人たちの結末
1918年。新たな雇い主のもとで働くフランシーヌはジョルジュとの子を身籠っていました。フランシーヌは戦場のジョルジュに手紙を書き続けていましたが、ジョルジュから返事が届くことはありませんでした。フランシーヌは意を決してオルタンスに誤解を解いてほしいとの手紙を書きましたが、オルタンスは手紙に心を打たれながらも焼き捨ててしまいました。
やがて長かった戦争は終わり、ジョルジュは農園に帰ってきました。同じ頃、フランシーヌは産まれたばかりの我が子の洗礼のため町の教会を訪れていましたが、その際に偶然にもオルタンスの姿を見かけました。フランシーヌとオルタンスは互いの存在に気付きながらも一言も交わさずにその場を立ち去っていきました。
1919年。捕虜となっていたクロヴィスも農園に戻り、農園は何事もなかったかのように平穏を取り戻しました。農園の運営を男たちに引き継がせたオルタンスはようやく穏やかな笑みを浮かべました。
1920年。フランシーヌは町の酒場で歌手として再出発していました。フランシーヌは笑顔を浮かべながら歌声を響かせ、客を魅了していました。
以上、映画「田園の守り人たち」のあらすじと結末でした。
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