ライフ・オブ・パイ / トラと漂流した227日の紹介:2012年アメリカ作品。監督アン・リーがブッカー賞に輝いたヤン・マーテルの世界的ベストセラー小説『パイの物語』を原作に実写映画化した、衝撃と感動のサバイバル・アドベンチャー。海上で嵐に遭い遭難し小さな救命ボートにベンガルトラと乗り合わせることになった一人の少年パイが、いかにしてその後生き延びることが出来たのか。想像を絶する漂流生活の行方を美しく幻想的な映像で描き出す。第85回アカデミー賞で全11部門にノミネートされました。アン・リーが2度目の監督賞受賞を果たした作品。
監督:アン・リー 出演:スラージ・シャルマ(パイ・パテル / 少年時代)、イルファーン・カーン(パイ・パテル / 成人)、タブー(ジータ・パテル)、レイフ・スポール(カナダ人ライター)、ジェラール・ドパルデュー(コック)、ほか
映画「ライフ・オブ・パイ / トラと漂流した227日」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ライフ・オブ・パイ / トラと漂流した227日」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ライフ・オブ・パイ / トラと漂流した227日の予告編 動画
映画「ライフ・オブ・パイ / トラと漂流した227日」解説
この解説記事には映画「ライフ・オブ・パイ / トラと漂流した227日」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ライフオブパイ/トラと漂流した227日のネタバレあらすじ:起
成人したパイ・パテル(イルファーン・カーン)は、若き少年の日に体験した長期漂流生活について、カナダ人小説家相手に語るところから物語は始まります。
パイ(スラージ・シャルマ)はインドのボンディシェリで生まれ育ちました。父親は動物園を経営する実業家、母親は植物学者です。パイは数学が得意な子供で円周率を延々と暗記し、教師や同級生から称賛されるほど。本来のビシンという名前は、フランス語で“おしっこ”と同じ発音のため、同級生にからかわれないように数学の円周率、パイを愛称にしてほしいと流暢なフランス語で伝えました。
パイの一家はイスラム教徒ですが、パイ自身はキリスト教の教えを受けるなど他の宗教に心を傾けるため、父親から叱責を受けます。パイにとってはどちらも大切でした。成長する間にどちらかに決めれば良いと母親のとりなしを受けますが、すぐにでも洗礼を受けたいと発言して父親を驚かせました。
父親が経営する動物園には、ベンガル虎がいますが、恐れを知らないパイはベンガル虎にエサをやろうとして近づき、父親にこっぴどく叱られました。さらにパイの父親は虎がどれだけ恐ろしい存在か教えるために、パイの目の前で生きた動物を襲う虎の様子を見せます。この時、パイは虎の恐ろしさを知ることになります。
ライフオブパイ/トラと漂流した227日のネタバレあらすじ:承
パイの父親が経営していた動物園は政府からの援助を打ち切られたため、閉園することになりました。動物園を畳むと同時に動物を売って、新天地カナダモントリオールへ移り住むことになります。
恋をしていたパイですが一人残るわけにもいかず、泣く泣く家族と共に貨物船に乗り込みます。貨物船に乗り込んだのは家族だけではありません。動物園にいた多くの動物も一緒です。その中にはあのベンガル虎もいました。
太平洋上を航行していた貨物船は、嵐に見舞われ船は沈没してしまいます。この時家族を失ってしまい、生き残ったのはパイただ一人きり。救命ボートに乗りこんだため命は助かりますが、他にも乗客がいました。骨折したシマウマ・獰猛なハイエナ・オラウータンと、動物ばかりでした。
パイの目の前でシマウマはハイエナに襲われ、怒ったオラウータンが返り討ちにあって死んでしまいます。さらにあのベンガル虎も乗り込んでいました。ボートの中で一番強い虎は、シマウマ・ハイエナ・オラウータンを食べることで生き延びます。
パイは虎に食べられないように立ち回り、小さなイカダを作って虎と距離を置きます。ボートに備えてある非常食や水のおかげで生き延びますが、パイを助けてくれるような船が通りかることはありませんでした。
ライフオブパイ/トラと漂流した227日のネタバレあらすじ:転
降りるわけにいかない救命ボートで、パイは虎と共存できるよう工夫します。ベジタリアンのパイは虎のためにトビウオを網で獲ります。虎と共に救命ボートにいるという不幸な出来事は、パイに緊張感を持たせました。やっかいな同乗者のおかげで苦労をしてはいますが、生き延びることができているのだと気づきます。
どれだけの時が経過したのか、ある日、パイは美しい島にたどり着きました。涅槃仏(寝釈迦像)の形をしており、美味しい水とミーアキャットという動物が生息する平穏な島。まさに楽園でした。虎もパイも島でのんびりと時を過ごしますが、夜になると島の様子は急変します。水は酸性になり動物も人も溶かしてしまう恐ろしい島へと姿を変えます。この島は人を食らう島でした。急いで虎と共にボートに乗りこみ、再び青く広がる海の真ん中へと漕ぎだします。
227日の漂流の間に、パイは虎に対して少なからず親しみを感じていました。コミュニケーションを取れていたように感じることもありました。とうとうメキシコの海岸にたどり着いた時、虎はパイのことは気にせずさっさとジャングルの奥地へと去って行きます。共に試練を乗り越えたと思っていたパイは寂しく思いながら、虎を見送りました。
ライフオブパイ/トラと漂流した227日の結末
地元の人たちに救助されたパイは、貨物船沈没の原因を解明するために訪れた保険調査員二人に、虎と救命ボートで漂流したことを話しました。調査員の二人はパイの話が信じられず、誰もが信じられる真実の話をしてほしいと要求しました。
パイが語った別の物語は、コックと仏教徒の船員、パイの母親とパイ自身が助かったと話します。船員は足に怪我を負っていましたが、切り落とさないと命は助からないというコックの助言に従い、母親が船員の足を抑えコックが切り落とします。足を切ったにも関わらず船員は死に、コックは船員の足を魚のエサにしました。怒った母親が大喧嘩をしますがパイにはイカダに乗るよう促します。母親はコックに刺されて海に落とされ、逆上したパイがコックを刺し殺したと第二の物語を語りました。母親を先にイカダに乗せれば良かったと悔やむパイ。パイは一人で漂流したことになります。
カナダ人の小説家は、虎がパイ、ハイエナがコック、オランウータンが母親、船員がシマウマだろうと指摘しました。どちらが本当の物語なのか聞く小説家に、パイは「どちらでも良い」と返します。調査書に目を向けると、パイが長い漂流期間を経た末に帰還し、さらにベンガル虎と一緒であったことが書かれていました。カナダ人の小説家も、パイが虎と救命ボートで漂流した話が真実であると考え、小説に書くことに決めるのでした。
以上、映画「ライフ・オブ・パイ / トラと漂流した227日」のあらすじと結末でした。
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