リリーの紹介:1953年アメリカ映画。ハンサムなマジシャンに一目ぼれした少女が、不器用な人形遣いとの本当の愛に気づくまでの心の成長を描いたミュージカル。アカデミー賞の劇・喜劇映画音楽賞、カンヌ国際映画祭の娯楽映画賞、ゴールデングローブ賞の脚本賞など多数受賞作。
監督:チャールズ・ウォルターズ 出演:レスリー・キャロン、メル・ファーラー、ジャン=ピエール・オーモン、ザ・ザ・ガボール、アマンダ・ブレイク、ほか
映画「リリー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「リリー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「リリー」解説
この解説記事には映画「リリー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
リリーのネタバレあらすじ:起
父を亡くし身寄りがない16歳の少女リリーは、父の旧友を頼ってフランスの海辺の小さな町にやってきた。ところが、ようやくたどりついてみると旧友のパン屋はもぬけの殻で、近所の洋品店の主人から先月死んだのだと聞かされる。
途方に暮れるリリーを洋品店の主人は店の奥に招き入れ、食事を用意し雇ってもいいと告げるが、それにはよこしまな企みがあり、迫る店主から逃げ回っていたリリーは、客として現れたマジシャンのマークに助けられる。
ハンサムな彼に一目ぼれしてついてくるリリーに、マークのプレイボーイぶりを知る人形遣いのポールとその相棒ジャコムは他をあたれと忠告するが、彼女に興味を持ったマークは出演中のサーカスへ連れ帰り、団長に頼んでウェイトレスの仕事を世話する。
ところが、リリーは給仕もろくにできないうえに、仕事を忘れてマークのショーに見惚れたことで、あっという間にクビになってしまう。マークに相談しても洋品店に戻れと言われてしまい、再び行き場を失って絶望的な気持ちに陥った彼女は、ふと目についた空中ブランコの足場へと続く高い梯子を登り始める。
リリーのネタバレあらすじ:承
その時、自分の名を呼ぶ声に気づいたリリーが声のするほうを見ると、声の主は人形だった。それはリリーを案じたポールが演じる人形だったが、そうとは知らない彼女は誘われるままに人形の前までやってくると、次々と現れる人形たちとの会話で明るさを取り戻していく。
そして人形たちと一緒に歌うリリーの後ろには、いつのまにか大勢の団員らが集まっており、最後には拍手喝采となった。日ごろから子どもばかりが相手の人形劇に嫌気がさしていたポールは、リリーと人形のショーで大人も呼び込めると確信して彼女を雇うことにする。
いつも不機嫌そうなポールからの申し出に戸惑いながらも、サーカスに残りマークの側にいられることを喜ぶリリーにポールは思わずムッとする。そんな彼を変な人だと言うリリーにジャコムは、ポールは昔、有名ダンサーだったが戦争で足を負傷したためにその道を断たれ、人形遣いになったのだと話して聞かせる。
トレーラーの一画に部屋を与えられたリリーは、一時、マークのパートナー、ロザリーと彼を巡って争い勝ち取る夢に浸るが、夜半に酔って帰ってきたポールが毎夜夢を断たれた絶望感に打ちひしがれていることを知る。
リリーのネタバレあらすじ:転
リリーと人形のショーは大勢の大人の観客が集まってポールの見込み通り大当たりし、ポールはリリーのがんばりに過分な給料を与える。しかし、マークのショーの看板に見惚れる彼女にイラ立ったポールから、無駄遣いするなと叱られた彼女は考えた末にドレスと靴を買う。
美しく装ったリリーにもポールは素っ気ない態度だったが、ジャコムはともにショーをするうちにポールがリリーに惹かれていることに気づき、好きな娘が他の男に夢中なために不機嫌だということを言い当てられてしまう。
そんな中、リリーはロザリーからマークがホテルと契約したため、サーカスを去ると聞いて落ち込む。
サーカスを去る日、準備を急かすロザリーから逃げ出したマークを見かけたリリーは、思わず彼をお茶に誘い自分のトレーラーに招き入れる。もう会えない寂しさを口にするリリーをマークが引き寄せるが、そこへポールが戻り、悪びれもせずにマークが出て行くと、ポールはリリーに怒りをぶつけて自分もトレーラーを出て行く。
茫然となったリリーだったが、ソファにマークが落とした金の指輪を見つけ、思わず彼を追う。そうとは知らないポールはマークのあとを追おうとするリリーを止めようとし、振りほどこうとする彼女を叩いてしまう。
リリーの結末
傷ついたリリーはサーカスを去り、町から出る決意をすると、マークのもとに行き指輪を渡す。彼女はその指輪の意味に気づき、彼がロザリーと結婚していたことを知ると、目が覚めた、子供のように夢見ていたが成長したのだと言って別れを告げる。
ジャコムからリリーが出て行くと聞かされた彼は、出て行こうとするリリーを人形で引き留めようとし、人形を通じてリリーへの想いを口にする。彼の不機嫌さに最初は戸惑っていたリリーも、いつしかポールに守られていると感じるようになっていたことを告白するが、そこで人形はずっとポールが演じていたことを知って憤慨し、彼に背を向けるとサーカスを後にする。
町を出てひたすら歩き続けたリリーは、歩を進めるごとに楽しかった人形たちとのやりとりを思い出し、それはやがてポールへの想いに変わっていく。ようやく彼への気持ちに気づいたリリーは、とって帰すと、満面の笑みで迎えたポールの胸に飛び込んだ。
以上、映画「リリー」のあらすじと結末でした。
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