映画「クーパー家の晩餐会」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
クーパー家の晩餐会の紹介：2015年アメリカ映画。毎年、一族が集まって賑やかなクリスマス晩餐会が行われるクーパー家。しかし、今年はそれぞれが秘密を抱えていて・・・。「アイ・アム・サム」のジェシー・ネルソン監督が贈る、ハートウォーミング・ドラマ。
監督：ジェシー・ネルソン 出演者：ダイアン・キートン（シャーロット）、 ジョン・グッドマン（サム）、マリサ・トメイ（エマ）、オリヴィア・ワイルド（エレノア）、アマンダ・セイフライド（ルビー）、アラン・アーキン（バッキー）、ティモシー・シャラメ（チャーリー・クーパー）ほか
この解説記事には映画「クーパー家の晩餐会」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
美しい彩りと音色に包まれるクリスマス・イブの日。シャーロット・クーパーと夫のサムは、家族をクリスマス晩餐会に招待するための準備で大忙し。実は家族にはまだ内緒でしたが、シャーロットとサムは離婚を決めていました。30年前から二人で計画し、今年行くはずだったアフリカ旅行をシャーロットに却下されたサムは、イブ後に家を出る決断をします。シャーロットは家族に離婚の事は秘密にし、思い出深くかけがえのない最後のクリスマス晩餐会にしようと、入念に準備を進めていました。サムはみんなに離婚の事を黙っていることには反対でしたが、シャーロットのクリスマス晩餐会にかける思いに負けて渋々了承します。しかし、そんな冷え切った関係のはずの二人がふと思い出してしまうのは、40年間夫婦として過ごしてきた日々の美しい思い出ばかりです。クーパー家の長男であるハンクは失業中ですが、離婚した元妻にも子供達にもそのことを言えずにいました。イブも仕事だと嘘をついて面接を受けに行きますが、また落ちてしまいます。ハンクの長男チャーリーは両親の離婚後は塞ぎ込み、弟のボーはそんなチャーリーを昔の兄に戻したいと奮闘しています。ダイナーでウェイトレスとして働いているルビーは、美しい容姿をしていながらも人と交わるのが苦手な女性です。そんなルビーが唯一心を開いているのが、毎日店にやって来る老人のバッキー（シャーロットの父親）でした。バッキーもルビーと話す時間を生きがいにしていて、5年間も店に通い続けています。ルビーは今日の日を最後にダイナーを辞めることが決まっていましたが、バッキーにはそのことを言えずにいました。他の客がルビーに別れを言っているのを聞いて、ルビーが店を辞めることを知ったバッキーは唖然とします。ルビーが人生をやり直すためにミシシッピに行くと言うと、バッキーは「変えるのは場所じゃなくて自分だ・・・君は遠くから人の群れを眺めるだけ。人に心を許さない孤独な人間だ。私に話す勇気もなかった」と怒って店を出て行ってしまいます。
シャーロットの妹のエマは、子供の頃から完璧なシャーロットに劣等感を持ち続けて成長し、今では姉妹の仲は険悪になっています。シャーロットにお金をかけてクリスマス・プレゼントを贈りたくないエマは、つい店でブローチを口に入れて万引きをしてしまいます。しかし、見つかってしまい、パトカーに乗せられてしまいます。シャーロットとサムの長女エレノアは劇作家として働く独身女性です。クリスマスを過ごすために実家に向かいますが、劇作家の仕事がパッとしない上に不倫中だったりと、大人になってからの自分は親を失望させてばかりだと感じ、帰省を憂鬱に感じています。空港のバーで軍人のジョーと知り合って楽しい時間を過ごし、お互いに惹かれ合っていきます。エレノアは軍人で誠実そうなジョーなら親は失望しないだろうと思い、一晩だけ恋人のフリをしてほしいと頼みます。ジョーは困惑したものの、エレノアの提案に乗って一緒にエレノアの実家に向かうことにします。「あれを最後の会話にしたくなくてね」とダイナーに戻って来たバッキーは、ふとした拍子にルビーの手首の傷跡を見てしまいます。バッキーはルビーの苦悩を見た思いで一瞬言葉を失いますが、「君は少しも臆病じゃない・・・生きる哀しみや違う人生への憧れは、誰もが抱いてる。だがいずれ遠い記憶になる。君はグランドピアノのように大きな人だ。他の皆はオモチャのピアノだ」と言い、ルビーに会いたくて店に通い続けていたことを打ち明けます。パトカーで署に向かう途中、エマは警官に姉へのプレゼント代をケチってブローチを盗んだことを白状し、「私はいつも人の愛情を計って同じ分量だけ返そうとするの」と言って落ち込みます。サムは、シャーロットとやり直すための最後の試しとして、一緒にアフリカ旅行に行こうと誘いますが、シャーロットはアフリカなんか行きたくないと頑なな態度です。アフリカ旅行を計画していた若い頃のシャーロットは、好奇心旺盛でイキイキとした女性でしたが、末娘を亡くした悲しみから、いつしか情熱を閉ざして生きるようになっていました。二人が大喧嘩をしているところに、エレノアがジョーを連れて帰って来ます。ところが、ジョーがつい「婚約者です」と言ってしまい、エレノアは大慌て。影でコソコソと「恋人と婚約者じゃ全然違う！」と怒って口論になります。その後、ハンク達もやって来ますが、早速、エレノアの婚約者として紹介されてしまうジョー。バッキーはルビーを連れてやって来ます。
エマは精神科医のフリをして警官と話すうちに、お互いの悩みや葛藤を打ち明け、心が通じ合います。警官は「メリークリスマス」と言ってパトカーからエマを降ろし、「姉さんに一番高価なプレゼントを買ってやれ。自分が一番なりたい人間になれ」とアドバイスをするのでした。遅刻常習犯のエマを待たずに晩餐会が始まります。サムが離婚のことを言い出すんじゃないかとヒヤヒヤするシャーロット、婚約者のフリを続けるジョー、失業を隠すハンクはクビになった職場でルビーを見かけたことがあり、気になる様子。それぞれの思いが交錯する中で晩餐会は進みます。自分がなりたい人間になろう！ととびきりの笑顔でやって来たエマですが、自分を待たずに晩餐会が始まっている上に、席が足りなくて、ちびっこ達と一緒に座らされてミジメな思いをします。シャーロットとエマ、ハンクと元妻が喧嘩をして雰囲気が悪くなりますが、クリスマスだからみんなで仲良くやろうと言い合っている瞬間に、停電になります。暗闇の中で犬がテーブルの食事にがっつき、エレノアとジョーは熱いキスをします。電気が復旧するとバッキーがお皿に顔を突っ伏して倒れており、ルビーが「バッキー！」と叫びます。バッキーは救急搬送され、みんなも病院に向かいます。担当した医者が状況をみんなに説明した後、エレノアの髪にそっと触れます。この担当医がエレノアの不倫相手でした。二人の様子を見てピンときたシャーロット。バッキーが心配でたまらないルビーは、CTを撮るために運ばれていくバッキーにキスをします。シャーロットはエレノアに「どういうこと？婚約者がいるのにあの医者と？」と問い詰めます。最初はとぼけていたエレノアですが、不倫と婚約が嘘であることを認めます。不可解で呆気に取られたような表情をしているシャーロットを見て、「その顔を見たくなくて恋人役を頼んだの」と傷つくエレノア。病室で眠るバッキーの横でケンカをするシャーロットとエマ。
ロビーでみんな疲れ果て、気まずく座り込んでいると、担当医が来ます。バッキーは軽い脳卒中なのでもう心配はないと言われ、みんなでホッとします。担当医がエレノアの腰のあたりに触れているのを見て、エレノアの不倫相手だと気が付いたジョー。「あんなおやじ？うまく捨てろよ・・・君は不倫をするような女じゃない」と言いますが、別れるつもりはないらしいエレノア。やって来た担当医の前でエレノアに「元気で」と言われたジョーは、怒ったような表情をして去ります。エレノアは不倫相手と歩き出しますが、やはりジョーを追いかけ、必死に走ってエレベーターに乗ろうとしますが、扉が閉まってしまいます。ガックリとしながら振り返ると、そこにはジョーがいました。「こんな出会いってないからね」と微笑むジョー。エレノアは「神様が送ってくれたのね。私をどん底から救うために」と言い、キスをする二人。必死に失業を隠していたハンクですが、次男のボーにバレていた上に、元妻まで今夜ボーから聞いて知っていました。しかし、 いつもは口うるさい元妻はハンクのことを責めず、仕事を紹介すると言ってくれるのでした。ハンクは、バッキーが心配で一人で泣いているルビーのところに行き、「君のことは何も知らないけど・・・ゼリーは好きだろ？」と慰めます。ハンクを見て、バッキーと同じ笑顔だと言うルビー。シャーロットはサムに「私、あなたの手に最初に恋をしたの。ないと寂しいわ。子供たちに必死につかまってたの。二度と失いたくなかったから」と言い、サムとアフリカ旅行に行くことにします。サムは喜びますが、「でもアフリカはムリかもしれない・・・ハンクが失業した」と言い、二人でガッカリ。旅行は止めにしてファミレスの食事でも十分と笑い合い、キスをします。エマは病院内のギフトショップに行き、「この店で一番高価なものをちょうだい」と頼みます。みんなで集い、病院内のカフェテリアでささやかに晩餐会の続きをします。エマが大きなプレゼントを渡すと喜ぶシャーロットですが、開けてみたら介護の風呂イス。これがショップで一番高い商品でした。シャーロットは「嬉しい！気に入ったわ」と大笑いし、みんなで乾杯します。お腹が空いて目覚めたバッキーがカフェテリアに行くと、みんながハッピーに晩餐会をしていて驚きます。アフリカ旅行に行かなくても愛を取り戻したシャーロットとサム、過去よりも今を選び幸せになったジョーとエレノア、ハンクはルビーと、エマはボーと組んで、みんなでダンスをします。その楽しく美しい光景を入り口で眺めていたバッキーは「なんと人騒がせな・・・大事なものは目の前にある」と感慨深く呟くのでした。
以上、映画クーパー家の晩餐会のあらすじと結末でした。
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