マイヤーリングの紹介:1957年アメリカ映画。1889年に実際に起こった、皇太子と男爵令嬢の心中事件を描いた悲劇の恋物語。オーストリア=ハンガリー帝国の皇太子ルドルフは、自由と愛の無い人生に不満を抱いていた。そんな彼の前に美しい令嬢マリーが現れる。純真無垢な彼女を通して真実の愛に目覚めるルドルフ。しかし許されぬ恋は2人を悲しい結末へと導いていく。原作はクロード・アネの小説『うたかたの恋』。長らく幻の作品とされてきたが、2014年に約50年の時を経て日本初公開された。
監督:アナトール・リトヴァク 出演:オードリー・ヘプバーン(マリー・ヴェッツェラ)、メル・ファーラー(ルドルフ)、レイモンド・マッセイ(ターフェ首相)、ダイアナ・ウィンヤード(皇后)、ベイジル・シドニー(皇帝)ほか
映画「マイヤーリング」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「マイヤーリング」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「マイヤーリング」解説
この解説記事には映画「マイヤーリング」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
マイヤーリングのネタバレあらすじ:起・運命の出会い
舞台は1881年、オーストリア=ハンガリー帝国の首都ウィーン。皇帝は反体制運動を続ける学生テロに頭を悩ませていました。ついに実力行使の許可を出し反体制派の人間を捕まえますが、その中に皇太子ルドルフの姿がありました。ルドルフは父と意見が合わず衝突を繰り返しています。ベルギーの王女ステファニーと意に沿わない政略結婚をさせられ、7年後。ルドルフはすっかり人生に嫌気が差していました。ステファニーとの間に愛は無く、近付いて来る女性は皆企みを持っている者ばかり。その上昼夜を問わず監視され、ルドルフの不満は爆発寸前でした。そんなある日、ルドルフはプラーター公園で美しい女性に出会います。彼女の名はマリー・ヴェッツェラ。男爵家の令嬢で、一緒に来た母や姉とはぐれてしまったそうです。マリーの純粋で清らかな美しさに魅了されるルドルフ。母を見つけ軽やかに去っていく彼女に、ルドルフはすっかり心を奪われてしまいました。
マイヤーリングのネタバレあらすじ:承・深まる愛
マリーを忘れられないまま、歌劇場で行われるバレエ団の公演に顔を出したルドルフ。そこにはヴェッツェラ家も出席しており、マリーの姿もありました。ルドルフが皇太子だと知り驚くマリー。ルドルフは従姉のラリッシュ伯爵夫人に仲立ちを頼み、後日マリーと再会しました。ルドルフには既に妻子があり頻繁には会えませんでしたが、それが逆にマリーとの恋を燃え上がらせます。しかし密会を重ねる2人の噂がついに皇帝の耳に入ってしまいました。スキャンダルを恐れる皇帝は2人を別れさせろと首相のターフェに命令します。ターフェ首相は、マリーの密会を彼女の母親に密告しました。母は激怒し、マリーを6週間トリエステに送ってしまいます。
マイヤーリングのネタバレあらすじ:転・ルドルフの決意
マリーと離ればなれになったルドルフは自暴自棄になり、遊び呆ける毎日を送っていました。やっとウィーンに戻って来たマリーが姿を見せますが、飲酒と女遊びに浸るルドルフは彼女を罵ります。マリーは「苦しんでるのね」と真摯にルドルフを見つめました。ルドルフはマリーを抱きしめ、二度と離れないとキスを交わします。ルドルフはマリーと結婚するため、教皇に離婚の許可を求める手紙を出しました。しかしカトリックを信奉するオーストリア=ハンガリー帝国では離婚は認められません。騒動を知った皇帝はルドルフを呼びつけ、すぐにマリーと別れるよう命令します。別れない場合はマリーを一生出られない修道院に入れるつもりでした。今夜の舞踏会にマリーを誘い、別れを告げるよう厳命する皇帝。別れるか修道院か。この時、ルドルフの頭にはもう一つの選択肢が浮かんでいました。
マイヤーリングの結末:2人の最期
夜、舞踏会に招かれたヴェッツェラ家。ルドルフはマリーをダンスに誘い、自分が遠い所へ長い間行ってしまうとしたらどうするかと囁くように尋ねます。一緒に行くと迷いなく答えるマリーに、ルドルフは心を決めました。そして1889年1月30日。ルドルフはマリーを連れ、マイヤーリングの狩猟館に滞在していました。夜を迎え、マリーを優しくベッドに寝かせます。マリーは何の疑いも持たず「また明日」と無邪気に微笑み眠りました。早朝まで苦悩したルドルフは、決心して机の引き出しから銃を取り出します。まずマリーを射殺し、続いて自身へ発砲するルドルフ。震える手がマリーの手を握って力尽き、この映画も終幕を迎えます。
以上、映画マイヤーリングのあらすじと結末でした。
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