ミニマリズム: 本当に大切なものの紹介:2016年アメリカ映画。成功とは何か、富とは何か、幸福とは何か。アメリカンドリームを叶え、すべてを手に入れたかに見えた人々が、自分の生活について再考し行き着いたシンプルな生活について。
監督:Matt D’Avella 出演者:ジョシュア・フィールズ・ミルバーン、ライアン・ニコデモス
映画「ミニマリズム: 本当に大切なもの」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ミニマリズム: 本当に大切なもの」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ミニマリズム: 本当に大切なものの予告編 動画
映画「ミニマリズム: 本当に大切なもの」解説
この解説記事には映画「ミニマリズム: 本当に大切なもの」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ミニマリズム: 本当に大切なもののネタバレあらすじ:起・成功者と幸福
努力をして働けば誰でも出世できるアメリカン・ドリームは、現在変容しつつある。世間からは成功者と称されるライアンは、出世をして富を手に入れたが、幸福とは言い難かった。
そんな時、彼の友人で今の暮らしに充足しているジョシュアにその理由を聞いてみると、自分にとって必要なものでシンプルに生活をするミニマリズムを行っているという事を知った。
そして、ライアンも持ち物の維持や消費に費やすのではなく、必要なものだけを持つミニマリズムを実行し、ジョシュアと共にアメリカ国内で講演を行う事にした。
ミニマリズム: 本当に大切なもののネタバレあらすじ:承・物的欲求と流行
流行の発信地アメリカでは、最新の製品を買うために人は行列をなし、ファストファッションで溢れている。賃金以上の消費をする人々は生活が圧迫され、ストレスを生む悪循環となっている。広告は消費者に購買を求め、流行におくれるという意識が追い打ちをかける。
ファストファッションの登場で、生活用品もファッションになってしまった。しかし、目まぐるしく変わる流行の中で、たくさんの物を買い消費しても、物的欲求が満たされる事はなく、幸福とは言い難い。
ミニマリズム: 本当に大切なもののネタバレあらすじ:転・シンプルに暮らす
生活空間を小さくし、最低限の物だけそこに置いて暮らす、可動式の小さな家や、一つの部屋がリビングダイニング、寝室などに変化できるアパートなど、ミニマリストの生活様式に応じた物件も作られるようになった。ひとつの生活スタイルとしての提案である。
ジョシュアとライアンの講演会でも、彼らは自分達のミニマリズムのやり方を他者に押し付ける事はしない。捨てるのではなく、自分にとって必要なものを持つというのが彼らの主張で、その方法は人それぞれに違う。例えば本好きの人に対して、本を全て捨てろと言うわけではない。
ミニマリズム: 本当に大切なものの結末:ミニマリズムと子供
広告の中でも大量に流される子供に向けた商品の宣伝。それらは子供を介して親に消費させ、愛を注いでいると錯覚させる。
ミニマリズムを実践しているとある夫婦の場合、息子は少ない持ち物で遊ぶが、娘は人形たちをかわいがり、こまごまとしたものをしまい込んでいる。彼らは子供達に自分たちの生活を押し付ける事はないが、子供達が自分達の生活を見ている事を意識している。
ラスベガスやロサンゼルスの本屋での講演を大盛況で終わらせたジョシュアとライアンたちミニマリズム的な生活スタイルは、物質に溢れるアメリカ社会に少しずつ受け入れられつつある。
以上、映画「ミニマリズム: 本当に大切なもの」のあらすじと結末でした。
ミニマリズム: 本当に大切なもののレビュー・考察:豊かさとは
ものに溢れた世の中でミニマリズムは一つの生活の方法、幸福の追求の一つの答えとして提示される。物で溢れかえるようになったこのタイミングで、ファストファッションを生み出した当のアメリカでこの生活の方法が編み出されたのは、少々皮肉にも思える。ミニマリズムの裏に、世界の流通品の偏りも見受けられるような気がした。
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