三十四丁目の奇蹟の紹介:1947年アメリカ映画。1947年に発表されたヴァレンタイン・デービスの著書『Miracle on 34th Street』を映画化したクリスマス映画の傑作です。ニューヨーク・マッハッタン西34丁目を舞台に、サンタクロースそっくりの老人が子供たちや人々の幸せを願うあまり大騒動を繰り広げる様を描きます。本作はアカデミー賞で助演男優賞・脚色賞・原案賞を受賞、1955年・1959年・1973年・1994年の4度にわたってリメイクされています。
監督:ジョージ・シートン 出演者: モーリン・オハラ(ドリス・ウォーカー)、ジョン・ペイン(フレデリック・フレッド・M・ゲーリー)、エドマンド・グウェン(クリス・クリングル)、ジーン・ロックハート(ヘンリー・ハーパー判事)、ナタリー・ウッド(スーザン・ウォーカー)、ポーター・ホール(グランヴィル・ソーヤー)、ウィリアム・フローリー(チャーリー・ハロラン)、ジェローム・コーワン(トーマス・マラ)、セルマ・リッター(買い物客)、ジャック・アルバートソン(郵便局員)、パーシー・ヘルトン(サンタ役の雇われ人)ほか
映画「三十四丁目の奇蹟」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「三十四丁目の奇蹟」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
三十四丁目の奇蹟の予告編 動画
映画「三十四丁目の奇蹟」解説
この解説記事には映画「三十四丁目の奇蹟」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
三十四丁目の奇蹟のネタバレあらすじ:起
アメリカ、ニューヨーク。マッハッタン西34丁目のスクエアにある大手デパート「メイシーズ」の旗艦店では、クリスマス商戦の始まりを告げる仮装パレード“メイシーズの感謝祭パレード”の準備に追われていました。
そこに一人の老人(エドマンド・グウェン)が現れ、こともあろうか酒を飲んで酔っぱらってしまったサンタ役(パーシー・ヘルトン)を叱りつけました。パレードの責任者である人事担当のドリス・ウォーカー(モーリン・オハラ)は咄嗟の判断でサンタクロースそっくりのこの老人に代役を頼み、老人は子供たちのために引き受けました。しかし、ドリスはこの老人がサンタクロースの別名“クリス・クリングル”を名乗っていることに一抹の不安を覚えました。
クリスのおかげでパレードは大成功となり、ドリスは胸をなでおろしました。一仕事を終えたドリスは、隣人の弁護士フレデリック・“フレッド”・ゲーリー(ジョン・ペイン)に可愛がられている9歳の娘スーザン(ナタリー・ウッド)を迎えに行きました。ドリスは初対面となるフレッドに挨拶をしますが、フレッドはスーザンが童話やおとぎ話などを全く信じないことに驚きました。
シングルマザーでバリバリのキャリアウーマンであり、超が付く現実主義者であるドリスは、童話やおとぎ話を嘘だと考え、子供に教えるわけにはいかないと考えていたのです。スーザンは感謝祭の食事にフレッドを招待してほしいとドリスに頼みました。フレッドはドリスに心を惹かれており、ドリスも誠実なフレッドを快く食事に招待することにしました。
三十四丁目の奇蹟のネタバレあらすじ:承
心優しきクリスが扮するサンタは子供たちの人気者となり、メイシーズはクリスを正式にサンタとして雇うことにしました。メイシーズはクリスに在庫の余った品を子供に売りつけることを強要してきましたが、クリスはそんなことはお構いなしに子供たちと自然に接していました。何よりも子供たちの幸せを第一に考えるクリスは、買い物客にライバル店の価格まで教えてしまうありさまでした。
そんな時、スーザンがフレッドに連れられてメイシーズにやってきました。スーザンは自分のことを本物のサンタだと言い張るクリスに疑いの目を受けましたが、クリスが子供たちと自然体で接するのを見るにつれ、クリスのことを本物のサンタだと思い込むようになっていきました。
困惑するドリスはクリスをクビにしようとしますが、メイシーズ側はクリスが客に好評なことから引き続き雇う方針を固めていました。そこでドリスはメイシーズ専属医師のグランヴィル・ソーヤー(ポーター・ホール)にクリスの精神鑑定を命じました。鑑定の結果、クリスには何の異常もありませんでしたが、妻と不仲であることを指摘されたソーヤーは激怒して精神に異常があると嘘の診断結果を出し、クリスを即精神病院に入れるべきだと進言しました。
しかし、クリスが入居していた老人ホームの院長ピアーズ(ジェームズ・シーイ)は、クリスには何の異常もなく精神病院に入れる必要はない断言したので、フレッドはクリスに部屋を与えて同居させることにしました。
スーザンはクリスが本物のサンタである証拠を見たいがために、クリスマスプレゼントとして一軒家が欲しいと言い出しました。クリスは困惑しながらも、いずれは家を持ちたがっているフレッドとドリスを結婚させれば結果的にスーザンの夢は叶うと考えました。
やがて本格的にクリスマス商戦が本格化し、メイシーズはライバル店と競争を繰り広げました。そんな時、ソーヤーはメイシーズの若い従業員アルフレッド(アルヴィン・グリーンマン)があまりにも子供たちに親切なため、彼を精神障害と断定してしまいました。ソーヤーの診断に怒ったクリスは思わず杖でソーヤーを殴ってしまい、ソーヤーはクリスを精神病院に閉じ込めてしまいました。病院を訪れたフレッドはソーヤーの策略を見破りましたが、ソーヤーは既に裁判所に強制収容を申し立ててしまっていました。
三十四丁目の奇蹟のネタバレあらすじ:転
クリスを正常か否かを判断する裁判が始まり、フレッドはクリスの弁護を買って出ました。ヘンリー・ハーパー判事(ジーン・ロックハート)は、世間がなぜクリスに注目を集めるのか疑問に思ういましたが、孫たちがこの裁判に憤慨していることを知り、事の重大さを思い知らされました。フレッドやメイシーズ社長はクリスは本物のサンタであると証言しますが、ドリスや検事トーマス・マラ(ジェローム・コーワン)はサンタなど実在しないとの主張を崩しませんでした。
しかし、マラの息子は証言台でクリスこそが本物のサンタだと証言、スーザンもクリスがサンタであり実はドリスもそれに同意していることを手紙に綴りました。スーザンの手紙を見た郵便局員(ジャック・アルバートソン)は、他にも同じようにサンタを信じる人々の手紙数万通が局に届いているのを目の当たりにし、それを裁判所に送り届けることを思いつきました。
裁判はクリスの不利のまま進み、ハーパーも“奇蹟”が起きなければ逆転は無理だと考えていました。その時、手紙の存在を知ったフレッドはこれこそがサンタが実在する証拠だと訴え、数万通にも及ぶ大量の手紙を証拠品として提出しました。
政府機関である郵便公社が手紙を認めたことは政府が公式にサンタの存在を認めたこととなり、裁判はクリスが正常であること、そして本物のサンタであることを認めて閉廷しました。クリスはドリスに、スーザンの手紙に勇気付けられたことを伝えました。ドリスはクリスをクリスマスイヴの食事に招待しましたが、クリスはこれからサンタとしての仕事が待っているとして断りました。
三十四丁目の奇蹟の結末
翌日、クリスはドリスとスーザンをホームパーティーに招待しました。スーザンは自分が頼んだプレゼントがないことにショックを受け、やはりクリスは本物のサンタではなかったと失望しました。ドリスはスーザンに、思い通りにいかなくても相手を信じることが大切であることを教え、スーザンとドリスは迎えに来たフレッドと共にクリスに指定された場所に向かいました。
そこにあったのは、スーザンがクリスにプレゼントとしてねだった一軒の家でした。スーザンは願いが本当に叶ったこと、クリスが本物のサンタだったことに興奮を隠しきれず、フレッドとドリスはこの家を買い取ったうえで結婚することを誓いました。この家の暖炉の横にはクリスの杖が置かれていました。
以上、映画「三十四丁目の奇蹟」のあらすじと結末でした。
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