モロッコの紹介:1930年アメリカ映画。フォン・スタンバーグがベルリンで発見し、『嘆きの天使』で一躍スターになったマレーネ・ディートリヒ。外人部隊の兵士と孤独な歌姫が恋に落ちるこの映画が彼女のアメリカ映画初出演となった。日本で初めて日本語字幕が付されたトーキー作品。
監督:ジョセフ・フォン・スタンバーグ 出演:マレーネ・ディートリヒ(アミー・ジョリー)、ゲイリー・クーパー(トム・ブラウン)、アドルフ・マンジュー(ラ・ベシエール)、ウルリヒ・ハウプト(セザール副官)、イヴ・サザーン(セザール夫人)その他
映画「モロッコ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「モロッコ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
モロッコの予告編 動画
映画「モロッコ」解説
この解説記事には映画「モロッコ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
モロッコのネタバレあらすじ:起・モロッコに来た女
一応画家を職業とする大金持ちのラ・ベシエールはモロッコに着こうとする船のデッキでアミー・ジョリーのカバンから落ちたものを拾ったことで彼女と知り合う。モロッコは初めてだと言う彼女に、役に立つことがあればと名刺を渡すが、彼女はすぐに破り捨てる。
ラ・ベシエールはナイトクラブでモロッコ駐屯フランス外人部隊の副官セザールとその妻を含む旧友たちと再会する。その晩はアミーがそのナイトクラブに出演する最初の晩です。トップハットと燕尾服といういでたちでステージに現れたアミーに、低い階層の客たちは最初からブーイングをするが、そうした客の一人で遠征から戻ったばかりの外人部隊の一兵卒、女たらしで同僚から借金をしまくりのトム・ブラウンがうるさい客たちを黙らせる。
アミーがフランス語で歌いだすや、客たちは魅了される。アミーは女性客の髪を飾っていた花をもらい、それをトムに投げる。衣装を代えて客にリンゴを売り歩く時、アミーはリンゴ代の「おつり」としてトムに部屋の鍵を渡します。
トムはその夜アミーの部屋を訪れる。男への信頼をなくした女と、女への信頼をなくした男。二人とも過去は語りたくない。話しているうちに二人は魅かれ合うのを感じるが、アミーはトムに真剣になるのを恐れて彼を帰します。外ではトムの愛人の一人だったセザール夫人が待ち伏せている。だが、気が変ったアミーが外へ出てきたため、トムはセザール夫人を放って、アミーを家へ送っていく。腹を立てた夫人は現地人2人にトムとアミーを襲わせるが、トムは二人を撃退する。しかし、この一部始終をセザールが物陰で見ていた。
モロッコのネタバレあらすじ:承・外人部隊を見送る女
翌日、セザールはトムを逮捕し、前夜の現地人への傷害事件についてアミーも呼び出して事情聴取をする。ちょうどセザールを訪れていたラ・ベシエールがアミーのためにセザールにとりなしてトムは軍法会議を免れる。だが、翌朝セザールのいる分隊に入って遠征に出ると聞いたトムは、セザールが直接、妻を寝取ったトムの命を取ろうとすると予測し、外人部隊を脱走してアミーとヨーロッパに逃れようと考える。
その夜、トムはアミーの楽屋を訪れるが、ドアの前でラ・ベシエールがアミーに求婚するのを立ち聞きしてしまう。トムが楽屋に入るとラ・ベシエールは二人を残して出ていく。遠征から帰れないかもしれないと言うトムにアミーが「行かないで」とつぶやくと、トムはいっしょにヨーロッパに逃げようと誘う。アミーは承諾し、待つように言ってからステージへ行く。だが、ラ・ベシエールがアミーのためにもってきた高価なブレスレットに気づいた後、トムは「気が変った。幸運を祈る」と鏡に描いて楽屋を出ます。
翌朝、アミーはラ・ベシエールとトムの見送りに来ます。サハラ砂漠へ行進して出ていく外人部隊の後には、ラ・ベシエールが「後衛」と呼ぶ、愛する男について行く一団の女たちが続いていた。
モロッコのネタバレあらすじ:転・砂漠へ歩みだす女
アミーはトムに去られた後、酒浸りになり、仕事にも身を入れない。ラ・ベシエールはそんなアミーを自分の屋敷に引き取る。
一方、トムのいる分隊は敵の機関銃に直面し、それを破壊するという危険な任務をトムはセザールに命じられる。セザールはおそらく自分で密かにトムを撃ち殺すつもりでトムに同行するが、敵に撃たれて死んでしまいます。
アミーとラ・ベシエールは婚約パーティーを開こうとしていた。パーティーの前にラ・ベシエールはセザールの戦死と分隊が今夜帰還することをアミーに話す。トムのことを気に掛ける必要はないと言ったものの、外人部隊のドラムの音が聞こえるとアミーはたまらず外に飛び出す。トムが負傷して病院に残されたと知ったアミーはラ・ベシエールに自動車を出させて直ちにトムに会いに行きます。
モロッコの結末
軽傷のトムは既に病院を出て酒場で女を侍らせて飲んでいた。アミーがラ・ベシエールと結婚する予定だと言うとトムは本心を隠して幸運を祈る。だが、トムが去った後、アミーはトムがテーブルにナイフで「アミー・ジョリー」という名を掘っていたことを知る。
翌朝、トムの分隊が町を出るのを見送りに来たアミーは、一度はトムにお別れを言ったものの、結局ラ・ベシエールの方に別れを告げ、門を出て砂漠へと歩き出す。ハイヒールを捨て、外人部隊について行く「後衛」の女たちに加わるのだった。
以上、映画「モロッコ」のあらすじと結末でした。
男と女の名作です。男女対等を感じる。真実の愛を、互いに振る舞い(テーブルに刻んだ名前など。)の中で気付くが、気付かなければ、そのまま[オサラバ!]となる。現代にも言える。