リスボンに誘われての紹介:2013年ドイツ,スイス,ポルトガル映画。世界的ベストセラーとなった小説『リスボンへの夜行列車』を映画化した作品です。作者のパスカル・メルシエはスイスの作家であり、哲学者です。物語は、スイスで平凡な人生を送る教師グレゴリウスが、橋から飛び降りようとする女性と偶然出会ったことから始まります。彼女が残した一冊の本に深く感銘を受けたグレゴリウスは、これまでの人生を投げ打って、謎の女性と、本の著者であるアマデウを探しにリスボンへ向かいます。
監督:ピレ・アウグスト 出演:ジェレミー・アイアンズ(ライムント・グレゴリウス)、マルティナ・ゲデック(マリアナ)、ジャック・ヒューストン(アマデウ・デ・プラド)、メラニー・ロラン(エステファニア)、ブルーノ・ガンツ(ジョルジェ)、ほか
映画「リスボンに誘われて」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「リスボンに誘われて」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
リスボンに誘われての予告編 動画
映画「リスボンに誘われて」解説
この解説記事には映画「リスボンに誘われて」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
リスボンに誘われてのネタバレあらすじ:起
スイスで文献学を教える高校教師グレゴリウスは、ある朝橋から飛び降りようとしている女性に遭遇します。自殺を止めた彼は、その女性を学校まで連れて行きますが、彼女は着ていた赤いコートを置いたまま姿を消してしまいました。コートの中には一冊の本が残されていました。それを読んだグレゴリウスは深く感銘を受けます。本の著者は、アマデウ・デ・プラドという人物でした。リスボン行きの切符が挟まっているのを見つけた彼は、駅へと急ぎます。しかし、彼女の姿はなく、そのまま勢いで列車に飛び込み、夜を徹して本を貪るように読み続けました。
リスボンに誘われてのネタバレあらすじ:承
リスボンに到着したグレゴリウスは、早々にアマデウの家を訪れます。迎え出たのはアマデウの姉でした。彼は若くして動脈瘤でこの世を去っていました。彼の墓を訪ねた帰り、自転車と衝突して眼鏡を壊したグレゴリウスは、メガネ技師のマリアナと出会い、これまでの経緯を話します。事情を知ったマリアナは、叔父ジョアンと話ができるように取り計らってくれました。ジョアンは、サラザール独裁時代のレジスタンスで、アマデウをよく知る人物でした。グレゴリウスは彼からアマデウを知る人物を教えてもらいます。神学校の神父や友人のジョルジェ、そしてジョアンの話を聞くうちに、アマデウはレジスタンスに参加していたことが分かります。
リスボンに誘われてのネタバレあらすじ:転
アマデウは、大学卒業後医者となっていましたが、秘密警察のメンデスを助けたことにより、周囲の反感を買っていました。罪悪感に苛まれた彼は、レジスタンスに入るとジョルジェに言い、ジョルジェは恋人でもあるエステファニアを引き合わせます。彼女はレジスタンスに協力的な将校のリストを暗記している重要人物でもありました。エステファニアはアマデウを一目見たとたん恋に落ちていました。アマデウと彼女は徐々に想いを通わせるようになります。しかし、ある日レジスタンスの集会場所を秘密警察に急襲されます。警察の狙いがエステファニアだったため、アマデウは彼女を国外につれていこうとします。しかし、そこからの経緯はジョアンもジョルジェも知らず、エステファニア本人に聞かなければなりませんでした。彼女の行方を知っていたのは、ジョルジェでした。エステファニアはスペインにいたのです。早速スペインに向かうべく、グレゴリウスがホテルを発とうとしたとき、スイスの橋で出会った女性がたずねてきました。彼女は秘密警察メンデスの孫だったのです。彼女は祖父が秘密警察であったことを受け止めきれずに、自殺しようとしていたのでした。彼女は本を受け取らず、事実を受け入れ、生きていく覚悟ができたと帰っていきます。
リスボンに誘われての結末
ついにグレゴリウスはエステファニアと会うことができました。アマデウとの関係がどうなったのか、エステファニアは顛末を話します。警察の追跡を逃れ、彼女はアマデウと一緒にスペインの国境検問を抜けていました。アマデウが今後のことを話しますが、それはあまりにも理想主義的で、彼女の望むものではありませんでした。彼と一緒に生きることはできないと拒みます。エステファニアをスペインのカサブランカに送り届けたあと、アマデウはリスボンへ帰ります。その後、医者の業務と執筆活動にいそしむなかで、動脈瘤で亡くなったのでした。本をエステファニアに託し、グレゴリウスがスイスに帰るときがやって来ました。駅でマリアナとこれまでの旅を振り返ります。アマデウは独裁体制という抑圧された時代のなかで、鮮烈に、精一杯生きた青年でした。グレゴリウスはアマデウの生き様と、自分自身の人生を比べ、再び平凡な生活に戻ってもいいのかと躊躇していました。スイス行きの列車が発車の合図を響かせるなか、マリアナが、ここに残ったらいいのにと提案するところで、物語は幕を閉じます。
以上、映画リスボンに誘われてのあらすじと結末でした。
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