映画「9INE ナイン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
9INE ナインの紹介：2009年アメリカ映画。見知らぬ部屋に監禁された９人の男女が、命を賭けた謎解きに挑むサスペンス＆ホラー。検事補のケリーが目を覚ますと、そこは見知らぬ密室だった。コンクリートに囲まれた部屋には他に８人の男女がおり、全員片手を手錠でポールに繋がれている。面識の無い彼らは、仮面を被った謎の男によって拉致され、閉じ込められてしまったのだった。仮面の男はケリー達に、９人が選ばれた理由を話し合って導き出せと要求。10分話し合っても理由が分からない場合、１人を殺害すると脅した。はじめは質の悪い冗談だと思っていたケリー達だったが、10分後実際に１人が射殺されてしまう。慌てたケリー達は必死に理由を探し、やがてそれぞれの後ろ暗い過去が炙り出されていくのだった。
監督：クリス・シャドリー 出演者：メリッサ・ジョーン・ハート（ケリー）、ジョン・テリー（シューター）、ウィリアム・リー・スコット（ジャクソン）、ジェームズ・C・ヴィクター（エディ）、マーク・マコーレイ（フランシス）ほか
この解説記事には映画「9INE ナイン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
舞台は現代アメリカ、ロサンゼルス。コンクリートに囲まれた小さな部屋で、９人の男女が目を覚ましました。彼らはそれぞれ仮面を被った謎の男によって拉致され、ここに集められたのです。９人は９本用意されたパイプにそれぞれ手錠で拘束されており、ひとつしかないドアにはどうやっても届きません。彼らは互いに他人同士で、人種も年齢もバラバラでした。
困惑する９人の前に立った仮面の男は、この９人はある理由があって集められたと言います。その理由を皆で話し合い、正解を導き出せたら解放すると説明しました。そして10分話し合っても分からなかった場合、１人を殺害すると言い出します。正解を当てられるまで10分ごとに１人ずつ殺害すると宣言し、仮面の男は部屋を出ていきました。
残された９人は動揺し、質の悪い冗談だと笑います。彼らには集められた理由など見当もつきませんでした。９人はそれぞれ自己紹介を始めます。検事補のケリー、警官のジャクソン、保険販売員のエディ。ストリップバーの経営者サリー、俳優を目指す若者クリスチャン、カトリック神父のフランシス。中国語しか話せない中国人女性チャン、強盗犯のリオン、そして性犯罪者のクーガンです。
全くの他人と思われた彼らでしたが、クリスチャンはサリーのことを知っていました。以前彼に金を借りたことがあったのです。そして10分後現れた仮面の男は、理由が分かっていないと判断すると、無言でクリスチャンを射殺しました。遺体を引きずりながら、また10分後だと言って部屋を出ていきます。
残る８人はこの状況が冗談でも何でもないことを思い知り、激しく動揺しました。８人は必死に考えを巡らせ、自分達が集められた理由を探そうとします。死で贖わなければならないほどの悪事が原因ではないかと思い、それぞれ後ろ暗い過去を告白していきました。その過程でケリーとジャクソンが昔不倫関係にあったことが明かされますが、今回の事件に関係があるとは思えません。
業を煮やしたリオンは隣に立つサリーに自分の手を潰させ、手錠から抜け出しました。１人逃げようとした彼は仮面の男の銃撃を受け、部屋に戻されてしまいます。ちょうどクリスチャンの死から10分が経っていました。仮面の男にクーガンが射殺され、残っているのは７人。
ここで新たな繋がりが見つかります。チャンは以前強盗被害に遭っていたのですが、その事件を担当したのがケリーだったのです。その時の犯人は、ウェイドという名の青年でした。チャンが写真を見てウェイドが犯人だと判断し、後日彼は捕まったのです。しかし他にウェイドを知っている人間はおらず、今度はリオンが射殺されました。
仮面の男が去った後、フランシスが苦悶の表情で思いがけないことを言い出します。理由が分かった、ウェイドは冤罪だったと。しかし彼はそれ以上を口にしません。フランシスの言葉を推理したエディは、告解で得た情報だから話せないのだと気付きました。フランシスは強盗事件の真犯人から罪の告白を受けたことで、ウェイドの冤罪を知ります。しかし神父として罪の告白を他言する訳にもいかず、ずっと黙っていたのです。
エディは、真犯人はクリスチャンだろうと考えました。フランシスの祈りの言葉に動揺を見せていたからです。フランシスもエディの推理が正しいと認めました。つまりクリスチャンはサリーから借りた金を返すために強盗事件を起こし、被害者のチャンが勘違いでウェイドを犯人にしてしまい、ケリーが間違いに気付かずウェイドを刑務所送りにし、フランシスはウェイドの冤罪を知っていながら口を閉ざしていたのです。
少しずつ、９人の繋がりが見えて来ました。10分経ち、仮面の男が現れました。彼はエディに発砲しますが、隣に繋がれていたフランシスが咄嗟に庇い死亡します。ケリー達は仮面の男の正体はウェイドだと考えますが、問われた本人は否定しました。これまでの話を整理し、クリスチャンが強盗用の銃を買ったのはリオンからだと仮説を立てたケリー達。
残るはジャクソン、エディ、クーガンが、どうウェイドに関わっていたかです。ここで10分が経過し、仮面の男はチャンを射殺しました。ケリーが子どものためにも無事に帰りたいと主張すると、仮面の男は子どもを言い訳に使うなと激怒します。そしてケリーの子どもの父親がジャクソンであることを明かし、部屋を出ていきました。
何も知らなかったジャクソンは戸惑い、何故教えなかったと怒ります。追い詰められたケリーは、これまで黙っていたことを喋り始めました。ウェイドの事件の頃、彼女は仕事面でも生活面でも追い詰められていました。ケリーは有罪を勝ち取るため、証拠を捏造しウェイドを犯人に仕立て上げたのです。１人では難しかったため、当時不倫関係にあったジャクソンをも利用していました。何も知らなかったジャクソンはショックを受けます。エディは先ほど仮面の男が激怒したことを思い出し、彼の正体はウェイドの父親だとひらめきました。
４人はクーガンとウェイドの関係を考えます。クーガンは何箇所も刑務所に入ったと言っていたことから、ウェイドと同じ刑務所で過ごしたのではないかと仮説を立てました。ここで10分が経過し、サリーが射殺されます。これまでのクーガンの言動を考えると、彼はエイズに感染していた可能性が高いと気付きました。エディは、ウェイドは刑務所にいた頃クーガンにレイプされ、エイズを移されたのではないかと考えます。
ウェイドが出所した頃、エディの会社は独占的にエイズ治療の新薬を扱っていました。しかし前科等の問題から、エディはウェイドの申請を許可しなかったのです。そしておそらく、ウェイドは既にこの世にいないと考えられました。これで９人全員がウェイドの死に関わっていたことが明らかになります。
サリーの射殺から10分後、仮面の男が部屋に入って来ました。たどり着いた「理由」をエディが話すと、男は仮面を外します。正体はやはりウェイドの父親でした。彼は９人の内１人でも違う行動を取っていれば、ウェイドの死は防げたはずだと言います。父親は約束通りケリー、ジャクソン、エディを解放すると告げ、自分は自首をすると話しました。
自分達が他人に何をしたのか、死ぬまで忘れないで欲しいと話すウェイドの父親。鍵を渡され手錠を外したケリーは、猛然とウェイドの父親に襲い掛かり彼を銃撃しました。彼女は身の破滅を防ぐため、自分の秘密を知った人間の口封じを考えたのです。ケリーがジャクソンとエディを射殺すると、この事態を予想して防弾チョッキを着ていたウェイドの父親が体を起こしました。
彼は今が決断の時だとケリーに迫ります。しかしケリーは生き方を変えるつもりはありませんでした。そのままウェイドの父親の頭を銃撃し、今度こそ命を奪います。直後に彼が呼んでおいた警察が建物に到着しました。警官隊の足音が迫る中、ケリーは部屋から逃げ出します。彼女がまた新たな秘密を抱え、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「9INE ナイン」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する