オフィス 檻の中の群狼の紹介:2015年韓国映画。「グエムル-漢江の怪物-」で映画デビューした演技派、コ・アソン主演のホラー作品。会社に馴染めず仕事もうまくいかない新人OLのミレ。彼女の唯一の理解者は温厚なキム課長だったが、彼は自分の家族を惨殺する事件を起こして姿を消してしまう。その日を境に、ミレや社員達の周囲に不気味な出来事が起こり始める。監督は「チェイサー」や「殺人の告白」など、衝撃度の高いシナリオを得意とするホン・ウォンチャン。
監督:ホン・ウォンチャン 出演者:コ・アソン(イ・ミレ)、パク・ソンウン(チェ・ジョンフン)、ぺ・ソンウ(キム・ヒョングク)、リュ・ヒョンギ(ホン・ジソン)、チャエ・ユーン・リー(ハヨン)、ソン・スヒョン(シン・ダミ)ほか
映画「オフィス 檻の中の群狼」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「オフィス 檻の中の群狼」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
オフィス 檻の中の群狼の予告編 動画
映画「オフィス 檻の中の群狼」解説
この解説記事には映画「オフィス 檻の中の群狼」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
オフィス 檻の中の群狼のネタバレあらすじ:起
ソウルの夜のオフィス街。うつろな目をした中年の会社員、キム・ヒョングクがとぼとぼと家路に向かいます。母親と妻、そして9才の息子と暮らす家でいつものように夕食をとったあと、おもむろに金槌を取りだしたキムは、無表情のまま家族に向かって何度も何度も振り下ろします。翌朝、キムの勤め先に警察がやって来ました。彼が家族3人を惨殺して姿を消したと聞き、社員達の間に衝撃が走ります。入社5ヵ月目のインターン、ミレの顔色も変わります。課長のキムは、不器用なミレには優しかったのです。刑事のジョンフンは社員に聞き取りを行いますが、誰もがキム課長の人柄を誉め、出世街道から外れてはいたものの家族思いの真面目な人間だと言います。部長は事件当夜、駐車場でキム課長の姿を見た気がしますが夢かもしれないと黙っています。ジョンフンは、まるで何かに怯えているようなミレの様子に気づきます。キム課長のことは何も知らないと答えるミレですが、ジョンフンが帰った後、自分のデスクの引き出しをそっと開けて震えます。そこには大きな包丁が入っていました。
オフィス 檻の中の群狼のネタバレあらすじ:承
インターンのミレは、正社員になれるかどうかの瀬戸際にいました。パワハラ全開の部長は、正社員になりたいなら販促の企画書を上げろとミレに命じます。真面目に頑張るミレですが、女上司のホン代理や意地悪な先輩ハヨン、そして若手社員のウォンソクにとってはイライラする存在でしかなく、ことあるごとに嫌がらせをされます。田舎からソウルに出てきて友達もいないミレの心の支えは、たまに電話で話す母親だけでした。ミレの営業課に新しいインターンのシン・ダミという女性が入って来ます。ホン代理達は、美人でエリート帰国子女のダミと比較してミレのことを馬鹿にします。一方、キム課長の行方を探すジョンフンは、会社の防犯カメラ映像を調べて驚きます。キム課長は家族の殺害直後になぜか会社に戻っており、社内から出た形跡がないのです。キム課長が社内に潜伏している可能性を考えたジョンフンは会社へと急ぎます。夜に1人で残業していたチョン代理は、キム課長の姿を目撃します。驚いて逃げ出そうとしますがオフィスのドアは施錠されていました。ジョンフンが会社へ着くとチョン代理の姿はなく、忘れ物を取りに来たというミレが1人いるだけでした。
オフィス 檻の中の群狼のネタバレあらすじ:転
翌朝、首を吊ったチョン代理の死体が、会議室の天井裏から落ちてきます。怯えきったホン代理は、チョン代理を殺害したのはキム課長だと思うとジョンフンに言います。彼女もオフィスでキム課長を目撃していたのです。さらにミレも、残業中にキム課長からチャット・メッセージを受け取り震え上がります。世間体を気にする会社の上層部は警察に抗議し、捜査は困難になります。ミレは、ダミが正社員になるかもしれないと恐れていました。人事課長はミレに好意的ですが、ホン代理はミレに正社員は無理だとはっきり言います。ミレは以前、キム課長に「僕と君は似ている」と言われたことを思い出します。厳しい社内競争に疲れ切ったキム課長は、お守りだと言って隠し持っていた包丁をミレに見せたのです。一方、ホン代理は、事件当日に部長がキム課長を解雇し、それをミレが知っていたことを暴露。こんな会社辞めますと去って行きます。ますます立場が悪くなったミレ。盗み見た正社員通知にはダミの名があり、ミレは涙を流して机の中の包丁を手にとります。その夜、非常階段で煙草を吸っていた部長は何者かに襲われます。帰宅途中のホン代理の携帯に、部長からの謝罪メールが入ります。課長にすると書かれたメールにホン代理は機嫌を直し、会社へ戻ります。ジョンフンはミレのアパートに侵入しますが、何も怪しい点はありません。しかしミレの隣部屋の女性は、包丁を持って室内に立ち尽くすミレの不気味な姿を目撃したと話します。
オフィス 檻の中の群狼の結末
会社に戻りトイレに入ったホン代理は、いきなり何者かにメッタ刺しにされて息絶えます。社内を調べていた警察は、修理中のエレベーター付近で青酸カリを飲み自殺しているキム課長の遺体を発見します。遺体は腐敗し、事件直後に死亡したようです。では犯人は誰なのか。ホン代理の死を知らないハヨンとウォンソクもまた、部長に携帯で呼び出されてやって来ました。しかしオフィスにいたのは部長ではなくミレ。しかもミレは部長そっくりの口調で怒鳴り、ハヨンを穴開けパンチで殴り倒します。それを見たウォンソクは非常階段へ逃げますが、階下で部長の死体を見つけて悲鳴を上げます。会社の外にいたジョンフンの頭上からハヨンの死体が降ってきます。社員達を殺害したのはミレでした。オフィスでは、ウォンソクとミレが包丁を奪い合っています。包丁はミレの腹部に刺さり、痛い痛いと泣き出すミレ。ウォンソクは「お前は何者だ?」と問い詰めて首を絞めます。そこへ駆けつけたジョンフンがウォンソクを射殺します。社員殺害は全てウォンソクの犯行と報道されました。ミレはそのまま入院します。見舞いに訪れたジョンフンは包丁について尋ねますが、ミレは自分にとってはお守りで、持っていると心が安らぐんですと笑います。割り切れない面持ちでジョンフンは病室を後にします。退院したミレは、何事もなかったように新しい会社の面接に出掛けて行きます。
この映画の感想を投稿する