映画「オン・ザ・ドール」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
オン・ザ・ドールの紹介：2007年アメリカ映画。性的虐待の被害者という共通点を持った若者たちは過去のトラウマと闘いながら歪んだ生き方しか選択肢はなかった。自主制作映画であまりの内容に日本では劇場未公開。監督・音楽・原作はトーマス・ミグノン一人が手掛けた独特のダーク作品。
監督：トーマス・ミグノン 出演者：ジョシュ・ジャノヴィッツ（ジャロン）、（ブリタニー・スノウ（バレリー）、キャンディス・アッコラ（メロディ）、アンジェラ・サラフィアン（タラ）、ポール・ベン・ヴィクター（ジミー）、クロエ・ドモント（コートリー）、マルクス・ギアマッティ（ルー）、ほか
この解説記事には映画「オン・ザ・ドール」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
冒頭で登場するコートリーとメロディは若い女の子です。2人は仲良く地べたでおしゃべりしながら向こう側にいる車に乗ったミスター・ガレッドという教師を誘惑しているのです。コートリーとメロディーは親により、人身売買のような形で客の元へ連れて行かれ、性行為を幼いうちから強要させられていました。そのことが原因で、全ての男性を性的な目線で見て、見下す感覚が身についてしまったのです。一人の警官が疾走する犬に発砲しようとします。その弾がどこへ向かうのか、犬に命中してしまうのか、このシーンは物語のキーワードとなる重要なところなのです。場面が変わり、病院にて、清掃員の男はジャロンが入院している患者の男性を殴っているのを目撃します。追いかけようとすると彼の手からペンダントが落ちました。ジャロンが慌てて逃げ去った後で看護師が患者の元へ駆けつけます。
アダルト広告代理店に勤務するジャロンは叔父で上司でもあるルーに子どもの頃から性的虐待を受けて育ちました。ある日、バレリーという女性が訪問してきて彼にある依頼を頼みます。バレリーもまた、優しいが娘を義理父の暴力から救えない母親と共に暮らしてきた過去がありました。そして、ミュージシャンを夢見るばかりで働かない恋人ウェスの為に売春をしているシャンティ。彼らは生きづらさと平穏になるはずだった子ども時代を奪われて生き抜いてきました。ジャロンはバレリーに儲かる仕事があると持ち掛けられてこの仕事を引き受けることにしました。彼にはタラという友達がいて、彼女は怪しい組織に誘拐されています。彼女を助ける為にジャロンはお金を工面しなくてはならなかったのです。その仕事とは、バレリーが担当しているある顧客のことでした。顧客の男は、バレリーにセクハラまがいの行為をさせた上にチップをほんの少ししかくれない裕福な人物でした。その客を襲い、金を奪う事に協力してくれる人を求めているというのです。儲かる話に早速乗るジャロン。彼はすれ違いざまに乱暴な運転をするシャンティとウエスの車両と出逢います。バレリーは常連客に水泳帽子を被せて湯船の中に彼の頭を突っ込みます。そして彼を罵った後で優しく彼の体をバスタオルで拭いてあげますが、それだけでは終わりません。なんと、バレリーは彼をベッドに縛り付けて彼の性器をサイコロの目が出た数だけ殴って気絶させたのです。奪ったお金を山分けしようとしましたが、タラの件を知ったバレリーは直ぐ彼と共にタラを助けに向かいます。
タラはジャロンがよく行くアダルトショップの店の裏にある部屋で監禁され、洗脳状態でした。更に彼女は怪我を負っていて、ふらついた彼女を支えながら店を出ると、ジャロンの伯父、ルーとショップ店員、その仲間が待ち構えています。自力で逃げ出そうとする三人の行く手を阻みます。その頃、シャンテルは恋人のウィルから結婚指輪を貰ってプロポーズを受けますが、車内でちょっとした口論をしてしまいます。彼は性格的にもだらしがなく、性的な事を言ってシャンテルを怒らせてしまうのでした。その後、別の顧客の家に向かったところ仕事上のトラブルに遭い、シャンテルはキレる客に呆れてウィルに電話しました。ウィルが愛犬を連れて駆けつけたところ、客の男はシャンテルを人質に取ろうとします。客の男はウィルに発砲して逃げ出してしまいます。シャンティはウィルを支えながら顧客の家を出て歩き続けました。同時に、タラとジャロンとバレリーが、悪党に捕まったふりをして裏口からどうにか逃げ出し、ふらふらのタラと共に歩いていきます。メロディーとコートリーはミスターガレッドに車で連れて行かれて、コートリーが彼に睡眠薬を車の中で飲まされた後、昏睡レイプの被害に遭ってしまいます。2人は復讐の為にガレッドが自慰行為に浸るよう、誘惑してから彼の「大事なところ」を切り付け、糸で融合するという残虐な復讐に挑みます。そして彼は死亡寸前の状態に陥り、2人もまた、どうにかしてこの状況を切り抜ける為にガレッドを2人で引きずりながら歩くのです。
タラは冒頭で現れた警官がウィルの愛犬に発砲しようとした弾に命中してしまいます。その弾はスローモーションのように人々の間を飛んでタラに当たってしまったのです。タラはも助からないぐらい重傷を負い、死亡しました。そして、コートリー、ジャロン、バレリー、メロディーとコートリー、シャンティとウィルは偶々同じ場所に居合わせていて、救急車の到着により、適切なケアを受けることになりました。あの事件から暫くして公園で仲良く話すジャロンとバレリーの姿がありました。2人は悲しみを乗り越え、この先も一生懸命生きてゆくことにしたのです。
この映画の感想を投稿する