素晴らしき日曜日の紹介:1947年日本映画。太平洋戦争の爪痕が残る戦後の東京を舞台に、貧しくとも未来に希望を抱きながら生きていく恋人たちを日本映画界の巨匠・黒澤明監督が描きあげたラブストーリーです。
監督:黒澤明 出演者:沼崎勲(雄造)、中北千枝子(昌子)、渡辺篤(与太者)、中村是好(饅頭屋)、内海突破(街頭写真屋)ほか
映画「素晴らしき日曜日」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「素晴らしき日曜日」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「素晴らしき日曜日」解説
この解説記事には映画「素晴らしき日曜日」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
素晴らしき日曜日のネタバレあらすじ:起
終戦間もない東京。雄造(沼崎勲)と昌子(中北千枝子)は恋人同士ですが、貧しさゆえに一緒に住むこともままならず、週に一度、日曜日に会ってデートをするのが唯一の楽しみです。ある日曜日、駅で待ち合わせした雄造と昌子はデートに出かけますが、二人の所持金はわずか35円しかありません。昌子がこれなら入場無料だと連れ立った住宅展示場では、価格10万円の住宅の部屋で未来の楽しい生活を想像して楽しむ昌子に対し、雄造は夢ではお腹は膨れないと浮かない表情です。仕方なしに聞いた話を元にあるアパートに行ってみますが、日当たりの悪い部屋だったのに加えて家賃は月600円。二人の給料を合わせても月1200円で、どのみち借りるのは無理な話でした。
素晴らしき日曜日のネタバレあらすじ:承
雄造は子供たちの野球に飛び入りし、打席に立ちますが、打った打球は露店の饅頭屋に飛び込んでしまい、損害賠償として10円を払わせられてしまいます。ふと軍隊時代の戦友がキャバレーを経営しているのを思い出した雄造は、早速そのキャバレーに足を運びますが、ユスリタカリに間違えられて追い出られてしまいます。気分転換に二人は動物園に行きますが、入場料を払うと残りは23円。やがて雨が降り出し、雄造は下宿に昌子を誘おうとしますが昌子はその気にはなれません。その時、近くに貼ってあったポスターで、この日シューベルトの「未完成交響曲」のコンサートがあることを知ります。
素晴らしき日曜日のネタバレあらすじ:転
二人は残った金でコンサートに行こうと会場に行きますが、既にチケットはダフ屋に買い占められていました。キレた雄造はダフ屋に食ってかかりますが、駆け寄ったダフ屋仲間にボコボコにされてしまいます。雄造は帰ると言い出し、昌子は冷たい雨の中を黙々と歩く彼について行き、辿り着いたのは雄造の下宿でした。雄造は惨めな状況に嫌気が差しており、ただ淡々と時間は過ぎるのみでしたが、突然思い立ったかのように雄造は昌子に抱き付いて体を求めようとしました。昌子は思わず振り払って部屋を出て行ってしまいました。しかし昌子はカバンを置き忘れており、昌子は程なく部屋に戻って来ました。ちょうど雨も上がり太陽が差してきたので、二人は再び街に繰り出します。
素晴らしき日曜日の結末
喫茶店で有り金全てを使い果たした二人は、いつか自分たちも喫茶店を開きたいという夢を語り始めました。やがて日は暮れ、二人は人気のない日比谷野外音楽堂に着きます。雄造は昌子を客席に座らせ、自分はステージ中央に立って指揮者のフリをします。楽団員は透明人間ということにして、二人きりのコンサートが始まりました。会場に響くのは昌子ひとりだけの拍手と吹き渡る風の音のみ。昌子は思わず「第四の壁」を超えてスクリーンの向こう側の観客に向かい「どうか拍手して下さい。お願いします」と叫びました。するとどこからともなく楽器の音が鳴り始め、やがて会場全体に「未完成交響曲」が鳴り響きました。昌子は思わずステージに駆け寄り、雄造にキスをします。二人は幸せな気持ちの中で駅に向かい、来週のデートを誓って昌子は汽車に乗り込んでいきました。
主演の二人にあまり華がなく、特に彼氏の方は良い所が見いだせず、なんで付き合ってるの?という疑問が最後まで付きまとった。
おそらく戦争を経験して家族も失って変わってしまったんだろうと思うけど、その以前の二人を描いていたらもっと感情移入できて拍手もできたかもしれない。
戦後の上野動物園が見られたのは貴重な気がした。