オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体―の紹介:2021年アメリカ映画。ベン・マッキンタイアーの著書『ナチを欺いた死体 英国の奇策・ミンスミート作戦の真実』を基に、『英国王のスピーチ』のプロデューサー、イアン・カニングと主演を務めたコリン・ファースが再びタッグを組んで映画化したスパイサスペンスです。第二次世界大戦時、連合軍がナチスドイツ軍を欺くために決行した「ミンスミート作戦」を題材に、各国間の駆け引きや裏切り合戦を描いていきます。
監督:ジョン・マッデン 出演者:コリン・ファース(ユーエン・モンタギュー)、ケリー・マクドナルド(ジーン・レスリー)、マシュー・マクファディン(チャールズ・チャムリー)、ペネロープ・ウィルトン(ヘスター・レジェット)、ジョニー・フリン(イアン・フレミング)、ローン・マクファーデン(ロジャー・ディアボーン)、ジェイソン・アイザックス(ジョン・ゴドフリー)、トム・ウィルキンソン、ハティ・モラハン(アイリス・モンタギュー)、サイモン・ラッセル・ビール(ウィンストン・チャーチル)、ポール・リッター(ベントレー・パーチェス)、マーク・ゲイティス(アイヴァー・モンタギュー)、カール・カーレンハル(アレクサンダー・ベイヤー)、ニコラス・ロウ(デビッド・エインズワース)、ガブリエル・クリービー(ドリス・マイケル)ほか
映画「オペレーション・ミンスミート」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「オペレーション・ミンスミート」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
オペレーション・ミンスミートの予告編 動画
映画「オペレーション・ミンスミート」解説
この解説記事には映画「オペレーション・ミンスミート」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
オペレーションミンスミート ナチを欺いた死体のネタバレあらすじ:起
第二次世界大戦真っただ中の1943年、英国。ユーエン・モンタギュー(コリン・ファース)は表の顔は弁護士、裏の顔は英国諜報部(MI5)の少佐です。自分の正体がバレそうになったモンタギューは周囲には改めて否定し、妻のアイリス(ハティ・モラハン)と子供たちをアメリカに疎開させました。
アイリスは夫モンタギューの正体も、モンタギューの秘書であるヘスター・レジェット(ペネロープ・ウィルトン)が夫と同じくMI5の人間であることも知っていました。アイリスらがアメリカに去った後、モンタギューはしばらくの間は弟のアイヴァー(マーク・ゲイティス)と生活を共にすることにしました。
ナチスドイツ軍に対して劣勢を強いられていた連合軍。英国軍は状況を打破すべくイタリア・シチリア島への侵攻を計画していましたが、ドイツ軍に気付かれないよう動く必要がありました。そこでMI5はとある極秘作戦「ミンスミート作戦」を思いつき、ウィンストン・チャーチル首相(サイモン・ラッセル・ビール)に提案しました。
作戦の内容とは、実在する高級将校に仕立てた死体に偽造した機密文書を持たせて地中海に放出し、英国軍がシチリアではなくギリシャに侵攻を企てているとしてドイツ軍を欺こうというものでした。モンタギューとチャールズ・チャムリー大尉(マシュー・マクファディン)が作戦の指揮を執り、イアン・フレミング少佐(ジョニー・フリン)らも加わりました。
オペレーションミンスミート ナチを欺いた死体のネタバレあらすじ:承
モンタギューたちは手始めに、偽装用の死体として身寄りのない路上生活者の死体を入手しました。続いてモンタギューたちはこの死体に架空の人物である「ビル・マーティン少佐」という名と階級をつけ、海兵隊所属などという設定を加えることにしました。
モンタギューたちはさらに死体に説得力を持たせるべく、私用の手紙としてラブレターも付け加えることにしました。そこでチャムリーの同僚であるジーン・レスリー(ケリー・マクドナルド)に頼んで彼女の若い頃の写真を手に入れ、“マーティン少佐”には「パム」という恋人がいるという設定を付け加えました。“マーティン少佐”の身分証の写真は、死体と顔がよく似ているアメリカ軍のロジャー・ディアボーン軍曹(ローン・マクファーデン)の写真を使うことにしました。
チャムリーは数年前に夫に先立たれてから独り身のジーンに惹かれていましたが、当のジーンは妻子がある身のモンタギューに接近していました。このことがきっかけで、モンタギューとチャムリーの関係はギクシャクすることとなりました。
そんなある日、チャムリーは上官のジョン・ゴドフリー提督(ジェイソン・アイザックス)に呼び出されました。モンタギューの弟であるアイヴァーはかねてから共産党員との噂があり、諜報部はアイヴァーにスパイ疑惑があるのではないか疑いの目を抱いていたのです。
そんな折、何と死体である路上生活者の姉が現れ、弟の死体を引き取りたいと申し出ました。モンタギューたちは弟は国家の英雄になるとして納得させようとしましたが、姉は納得することなくその場を後にしました。
オペレーションミンスミート ナチを欺いた死体のネタバレあらすじ:転
“マーティン少佐”の死体は地中海に面するスペインの港町ウエルバ付近に漂着させることが決まりました。当時、ウエルバ周辺にはヒトラーの信任厚い諜報部員が暗躍しており、ヒトラーを信用させるにはうってつけの状況でした。
モンタギューたちは偽造文書と手紙の内容について何度も何度も練り上げ、手紙にはジーンのまつ毛を忍ばせることにしました。チャムリーは思い切ってジーンに告白しましたが、モンタギューが妻子ある身でありながら想いを寄せていたジーンは断りました。しかし、モンタギューはジーンとの交際に踏み切ることはありませんでした。
“マーティン少佐”の死体は潜水艦に乗せられ、チャムリーは死体を運ぶ任務につきました。死体は狙い通りにウエルバ付近の海岸に打ち上げられ、地元の漁師に発見されました。英国が現地に送り込んでいたスパイから情報を聞いたモンタギューたちは次の一手として、英国は死体がドイツ軍に調べられる前に本国に戻したがっていることをアピールする作戦に出ました。
現地にはドイツ軍の二重スパイと思われていた諜報員クラウスがいましたが、実は英国と通じる三重スパイでした。クラウスはヒトラーの信任厚いドイツの諜報員キューレンタールの信用を得ることに成功しました。
オペレーションミンスミート ナチを欺いた死体の結末
英国とドイツの間で秘密裏に“マーティン少佐”の死体を巡るやり取りが繰り広げられ、やがて英国に死体に所持させていた手紙などが返却されました。手紙の中に入っていたはずのジーンのまつ毛はなく、英国側は手紙が開封されたと断定しました。
そんな時、ジーンの家にモンタギューらの行きつけのパブのバーテンダーであるテディが現れ、ジーンに何を企んでいるのか質問してきました。テディは実はドイツのスパイであり、“マーティン少佐”の死体に持たせていたはずのジーンの昔の写真を手にしていました。ジーンは自分の正体は諜報員であることを認めつつ、英国軍はギリシャ侵攻を企てていることは事実だと嘘をつきました。
モンタギューらはこの一件を知り、ジーンの写真を使ったことを後悔しました。上官から叱咤されたモンタギューは当分の間ジーンを自宅に留め置くことにしました。
チャーチルは予定通りシチリアに侵攻する決断をしました。ジーンは特別試験に受かったことを機に海外の新天地で働くことになり、モンタギューに別れを告げました。
そして1943年7月10日。モンタギューたちはミンスミート作戦が成功したとの知らせを受け、作戦本部は喜びに沸きました。モンタギューとチャムリーは互いに健闘を称え合い、一緒に飲みに行く約束をしました。
以上、映画「オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体― 2021」のあらすじと結末でした。
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