パラノイドパークの紹介:2007年フランス,アメリカ映画。コロンバイン高校銃乱射事件をテーマにした「エレファント」(2003)で、十代の心の闇を描いたカス・ヴァン・サント監督。今作では、恐ろしい秘密をひた隠す少年の鬱屈した内面をスタイリッシュかつ繊細な映像で表現している。両親の別居で冷え切った家庭から逃れるように、16才のアレックスは“パラノイドパーク”と呼ばれるスケボー仲間のたまり場に居場所を見出す。ところがそこで思わぬ殺人を犯してしまい…。
監督:ガス・ヴァン・サント 出演者:ゲイブ・ネヴァンス(アレックス)、ジェイク・ミラー(ジャレッド)、テイラー・モンセン(ジェニファー)、ローレン・マッキン二―(メイシー)、ダニエル・リュー(ルー刑事)、ジェイ・ウィリアムソン(アレックスの父)、ディロン・ハインズ(ヘンリー)ほか
映画「パラノイドパーク」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「パラノイドパーク」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
パラノイドパークの予告編 動画
映画「パラノイドパーク」解説
この解説記事には映画「パラノイドパーク」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
パラノイドパークのネタバレあらすじ:起
オレゴン州ポートランドに住む16才のアレックス。自室で1人、ノートを開きます。そこに「パラノイドパーク」というタイトルを綴り、この数カ月の出来事を誰かに宛てて書き始めました。母親と13才の弟ヘンリーと暮らすアレックス。父親は別居状態で、何か用事がある時だけしか訪ねてきません。そんな家庭環境のせいか、ヘンリーはつねに精神不安定な状態です。ある日、アレックスは仲良しの友人ジャレッドに誘われ、スケボー仲間達が集まる公園、通称“パラノイドパーク”を訪れます。そこには大勢の少年少女がいて、不良のパンクスや家庭に問題のある若者達のたまり場となっていました。パラノイドパークがすっかり気に入ったアレックスは、付き合い始めた彼女ジェニファーのデートの誘いも断り、ジャレッドとパラノイドパークに出掛けるのでした。
パラノイドパークのネタバレあらすじ:承
週末もパラノイドパークへ向かったアレックスに、ジェニファーは不満を募らせます。ジェニファーとデートしていても、アレックスはどこかうわの空のです。テレビニュースでは、ダウンタウン付近で起きた殺人事件を伝えています。発見されたのは、貸車の車輪で切断された警備員の遺体。容疑者はまだ挙がっていません。慌てた様子のアレックスは、新聞を調べて警備員の顔写真を確認します。ある日、アレックスの学校にリチャード・ルーという刑事がやって来ます。事件現場の近くにパラノイドパークがあるため、スケートボード好きの生徒達が呼ばれて事件に関する質問を受けます。アレックスはルー刑事の質問を平然とかわしますが、ルー刑事の厳しい視線を感じています。
パラノイドパークのネタバレあらすじ:転
アレックスはノートを出し、真実を書き始めます。事件当夜、彼は1人でパラノイドパークにいました。年上らしい不良グループに声をかけられ、貨物列車にとび乗るゲームに誘われます。彼らに気づいた警備員が追いかけて来て、アレックスをつかまえようとしました。アレックスは抵抗し、押し返された警備員は線路に倒れ、偶然そこへ来た列車に轢かれます。驚いた不良は逃げていき、残されたアレックスは切断された警備員の姿を呆然と見つめます。混乱した頭でその場を立ち去り、スケートボードを橋から投げ捨て血のついた服も処分しました。それ以来、アレックスの心は不安にさいなまされていたのです。ジェニファーの初体験の相手となった直後も、彼女をうとましく感じてあっさり別れを切り出します。父親に事件のことを打ち明けようともしますが、離婚で苛立つ父親に話せる雰囲気ではありませんでした。
パラノイドパークの結末
そんなアレックスがなんとなく心を許せるのは、女友達のメイシーでした。彼女は1人でいるアレックスを気にかけ、いつも声をかけてきます。アレックスが悩みを抱えていると見抜いた彼女は、自分なら話しにくいことは手紙に書くと言います。書いた手紙はどうしたらいい?と聞くアレックス。メイシーは、取っておくなり焼くなりすればいい、それより書くことが一番大事と答えます。思案するアレックスですが、メイシーの「私に書いて」という言葉に、彼女に宛ててノートを書いていたのです。全ての出来事を書き切ったアレックスは、紙の束を見つめると1枚1枚火にくべて燃やします。その後もアレックスの日常は普通に過ぎていきます。授業中、先生に呼ばれても気づかない、虚ろな目をしたアレックスがいます。
この映画の感想を投稿する