映画「海辺のポーリーヌ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
海辺のポーリーヌの紹介：1983年フランス映画。エリック・ロメール監督による「喜劇と格言劇」シリーズの第３作目。15歳の少女が経験する一夏の恋愛騒動を描くドラマ作品。15歳のポーリーヌは、年長の従姉マリオンと共にノルマンディー地方の別荘へやって来た。現地で知り合った少年シルヴァンと瑞々しい恋に落ちるポーリーヌ。マリオンも友人ピエールから紹介されたアンリに熱烈な恋をした。しかしプレイボーイのアンリは浮気が発覚しそうになり、咄嗟にシルヴァンに濡れ衣を着せてしまう。誤解したポーリーヌは酷く傷つき、結局アンリもマリオンの前から姿を消した。ポーリーヌとマリオンはほろ苦い恋を抱え、まだ続く夏を過ごすのだった。
監督：エリック・ロメール 出演者：アマンダ・ラングレ（ポーリーヌ）、アリエル・ドンバール（マリオン）、パスカル・グレゴリー（ピエール）、フェオドール・アトキン（アンリ）、シモン・ド・ラ・ブロス（シルヴァン）ほか
この解説記事には映画「海辺のポーリーヌ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
舞台は夏のノルマンディー地方。15歳の少女ポーリーヌは、離婚を控えた年長の従姉マリオンと共に避暑地の別荘へやって来ました。海辺に出た２人は、マリオンの昔の友人ピエールと再会します。そこへ彼の知人で民族学者のアンリもやって来ました。
アンリは軽快なトークですぐにポーリーヌ達との距離を縮め、皆を別荘に招きます。食事を終えた４人は恋愛話に花を咲かせました。アンリは自由を愛していると話し、マリオンは「愛に燃えてみたいわ」と語ります。ピエールは終始不機嫌で、ポーリーヌは幼い恋を口にするのを嫌がりました。
それからカジノに繰り出した４人。ピエールは今もマリオンを愛していることを告げますが、強く拒絶されてしまいます。マリオンは嫉妬深いピエールから見えないように、こっそりアンリにキスをしました。
その夜、アンリはポーリーヌ達の別荘に泊まります。翌朝ポーリーヌがマリオンの部屋を覗くと、彼女はアンリと裸で眠っていました。海辺へ向かったポーリーヌは、シルヴァンという少年と出会います。マリオンはアンリを訪ね、愛を確かめ合いました。
面白くないピエールは、アンリは遊び人でマリオンも遊び相手の１人に過ぎないのだと忠告します。マリオンはピエールの嫉妬に辟易しつつ、ポーリーヌを口説いてみてはどうかと提案しました。
翌日、ポーリーヌはシルヴァンと再会し急速に距離を縮めます。アンリに招かれた２人は、彼の外出中に水着のままベッドで戯れ合いました。それを、アンリを訪ねて来たマリオンが目撃します。マリオンはポーリーヌを心配しますが、事情を聞いたアンリは問題無いだろうと言いました。
翌日。ポーリーヌとマリオンは、モン・サンミッシェルへ向かいます。その隙にアンリはキャンディー売りのルイゼットと別荘で浮気をしていました。通りかかったピエールが、窓から見えた裸のルイゼットに眉をひそめます。
２階の浮気を１階で黙認していたシルヴァンは、マリオンの来訪に気付いて慌ててアンリに伝えに行きました。シルヴァンとルイゼットが一緒に浴室から出て来るのを見たマリオンは、２人が男女の関係にあると誤解します。アンリもこれ幸いとその誤解を訂正しませんでした。
ピエールはアンリの浮気をマリオンに告げますが、浮気したのはシルヴァンだと言われ悔しさに歯噛みしました。ピエールはマリオンから口止めされますが、ポーリーヌにシルヴァンの浮気について話してしまいます。ポーリーヌは酷いショックを受け、悲しみに沈みました。
ところがその後、ピエールがルイゼットから真実を聞き出します。シルヴァンは浮気の濡れ衣を着せられたと知りアンリに激怒しました。アンリはもうマリオンに飽きたけれど、泣かせたくもないのだと勝手なことを言い出します。何も知らないマリオンは、用事が出来て１日ほどパリに戻ることになりました。
ポーリーヌが別荘で１人過ごしていると、ピエールがやって来ます。そしてシルヴァンは浮気していないこと、本当に浮気していたのはアンリの方だということを聞かされました。２人は急いでシルヴァンを探しますが見つからず、レストランで食事にします。
ピエールは「君らは なぜ 魅力に乏しい連中に飛びつく？」と尋ねました。ポーリーヌは「私たちには魅力的なのよ」と答えます。マリオンへの未練を断ち切れず、そのくせ彼女が自分を選ぶのを待ちたいと話すピエール。ポーリーヌは、ピエールは結局愛しているのではなく愛されたいだけなのだと言いました。
その後、偶然にも同じレストランにいたアンリとシルヴァンを見つけます。アンリは、浮気騒動はマリオンが誤解しただけだと弁明しました。シルヴァンも揉め事を増やしたくなかったので言いなりになっていたと謝ります。ポーリーヌは一応許しますが、皆卑劣だと怒りました。
その夜、ポーリーヌはアンリの別荘に泊めてもらいます。翌朝、アンリに女性から電話がかかって来ました。マリオンよりそちらに興味を引かれてしまったアンリは、彼女のいるキブロンへ向かうことにします。ポーリーヌにマリオンへの手紙を託し、もう戻らないと告げるアンリ。ポーリーヌは不快感を顕にし、卑怯だとアンリを罵りました。
午後、帰って来たマリオンにポーリーヌはアンリの手紙を渡します。明らかにショックを受けているマリオンに、ポーリーヌはもうパリへ帰ろうと提案しました。２人は帰り支度を済ませ別荘を出ます。
マリオンは、ルイゼットと浮気したのはアンリの可能性もあるので、ポーリーヌはその可能性を信じれば良いと励ましました。ポーリーヌはマリオンに真実を告げませんでした。ただ明るく笑顔で頷き、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「海辺のポーリーヌ」のあらすじと結末でした。
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