幻の女の紹介:1944年アメリカ映画。妻と喧嘩をして家を出た男がバーで行きずりの女と知り合うが、その晩妻が殺される。男のアリバイを証明するはずの女を見たと言うのはその男ただ一人だった。コーネル・ウールリッチがウィリアム・アイリッシュ名義で発表した同名の小説の映画化。監督は『らせん階段』、『殺人者』等のロバート・シオドマク。
監督:ロバート・シオドマク 出演者:フランチョット・トーン(ジャック・マーロウ)、エラ・レインズ(キャロル・リッチマン)、アラン・カーチズ(スコット・ヘンダーソン)、トーマス・ゴメス(バージェス警部)、フェイ・ヘレム(アン・テリー)、エライシャ・クック・Jr.(クリフ・ミルバーン)ほか
映画「幻の女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「幻の女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
幻の女の予告編 動画
映画「幻の女」解説
この解説記事には映画「幻の女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
幻の女のネタバレあらすじ:起・その女は存在しない
エンジニアのスコット・ヘンダーソンは、バーで偶然出会った、目立つ帽子をかぶった女を誘って二人で劇場に行く。夫婦関係を修復するために妻と行くつもりだったショーのチケットをもっていたが、妻に拒絶されてアパートを飛び出してしまったからだ。ショーの後、二人は名を名乗り合うこともなく別れる。
妻のマルセラが待っているはずのアパートにいたのは、バージェス警部を始めとする刑事たちだった。妻が絞殺されていたのだ。スコットは容疑者として逮捕される。
犯行時間にスコットは帽子の女といっしょにいたが、昨夜、彼と接触したーバーテンダーもタクシーの運転手も女のことを覚えていない。
観客席の女が自分のステージ衣装である帽子と全く同じデザインの帽子をかぶっていることに気づいて怒っていたスター女優のエステラ・モンテイロさえ、女の存在を否定する。スコットは裁判で死刑判決を受ける。
幻の女のネタバレあらすじ:承・幻の女を見た
スコットの経営する会社の秘書だったキャロルは、スコットに面会して彼を励まし続けた。そして彼のために幻の女を探す。まず、バーに通う。バーテンダーは彼女の刺すような視線に不安を感じる。
ある夜、店じまいの後でキャロルはバーテンダーの跡をつける。いらついたバーテンダーは何者かに買収されていることをほのめかすが、直後に自動車に轢かれて死ぬ。
だが、バージェス警部がキャロルを助け始める。もっとましな嘘をつけばよいのに、帽子の女の話をスコットが続けるのはそれが真実だからだと、彼は気づいたからだ。
キャロルは普段と違う挑発的な服装をして、劇場の楽団のドラマーであるクリフに近づく。警部からの情報によるとクリフも、スコットと一緒にいた女の存在を否定していたからだ。
クリフはつい、人に500ドルを渡されて帽子の女はいなかったと嘘をついたことを話してしまう。クリフのアパートから逃げてキャロルはそのことを警部に電話で告げるが、刑事たちが来る前に、クリフを金を渡した男が現れて絞殺してしまう。
幻の女のネタバレあらすじ:転・幻の女を探す
スコットの親友で、マルセラが殺された晩に仕事のために南米に旅立っていた彫刻家ジャック・マーロウがスコットの面会に来る。キャロルもジャックを歓迎する。クリフを殺したのが彼であることを知らず…。
ショーの打ち上げパーティーも済み、ブラジルにエステラ・モンテイロが帰国する朝、モンテイロの付け人がもっている帽子の箱を見て、キャロルはモンテイロの帽子のデザイナーを知る。
デザイナーの店を訪れたキャロルとジャックは、その店の店員が得意客のアン・テリーのためにモンテイロの帽子をコピーしてしまったことを知る。
キャロルとジャックはアン・テリーの屋敷を訪れる。アンは婚約者が急死したショックで心を病みスコットのために証言することはできなかった。例の帽子は結婚式のために作らせたものだったが、「あなたが愛する人のために被るのね」とキャロルに帽子を貸してくれた。
幻の女の結末:真犯人が側に
すぐ警察に行こうと言うキャロルをジャックは、バージェス警部と彼の家で落ち合うことになっていると嘘をついて彼の家に連れていく。だが、キャロルはその家の引き出しの中に、クリフの部屋に彼女が置いて出てしまった書類とバッグを見つける。
クリフ、そしてマルセラを殺したのはジャックだ。勘づかれたと知ったジャックは告白する。事件の日、彼はマルセラと南米へ駆け落ちするはずだったが、土壇場で彼女がそれを拒否した。からかわれていたことを知って逆上して彼女を殺した。その後、スコットの跡をつけて彼が接触した人たちを買収して彼に罪をなすりつけたのだ。
ジャックがネクタイでキャロルも絞殺しようと、彼女を追い詰めた時に警部がやってくる。ジャックは窓を破って外の岩場に落ちて死んだ。
釈放されたスコットは新しいオフィスで仕事を再開する。バージェス警部がオフィスに来た日、スコットは録音機に秘書のキャロルへの伝言を残して外出する。「今晩一緒にディナーをしよう、明日も、次の日も、毎晩」。
以上、映画「幻の女」のあらすじと結末でした。
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