あの日のように抱きしめての紹介:2014年ドイツ映画。第二次世界大戦後、収容所から帰ってきた女性に待ち受けていた愛する夫の裏切り、本当の妻だと信じてくれない夫でした。救いを求め続けるラストはなんとも言えない喪失感につつまれます。
監督:クリスティアン・ペッツォルト 出演:ニーナ・ホス(ネリー)、ロナルト・ツェアフェルト(ジョニー)、ニーナ・クンツェンドルフ(レネ)、ミヒャエル・マールテンス、イモゲン・コッゲ、キルステン・ブロック、ほか
映画「あの日のように抱きしめて」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「あの日のように抱きしめて」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
あの日のように抱きしめての予告編 動画
映画「あの日のように抱きしめて」解説
この解説記事には映画「あの日のように抱きしめて」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
あの日のように抱きしめてのネタバレあらすじ:起
第二次世界大戦が終わったドイツで声楽のネリーは生還できましたが、顔がひどく損傷してしまいました。しかし愛する夫のピアニストであるジョニーとの再会のために元通りの顔にすることにこだわり、無事整形手術を終えました。しかしドイツに戻ってから、自分の顔が以前と異なる状態になっていたことに気付き深く悲しみ、友人のレネはパレスチナに移住しようと言いますがジョニーのことが諦めきれませんでした。しかしレネから衝撃の事実を告げられました。ジョニーは逮捕されましたがネリーがユダヤ人であることを密告し、自由の身になったのいうのです。しかもネリーの財産も今狙っているとのことでした。
あの日のように抱きしめてのネタバレあらすじ:承
そしてついにジョニーと再会しましたが、ジョニーはネリーが死んだと思いこんでおりネリーに似ている人としか思わず、妻の代わりになってくれ、財産が欲しいとまで言い出しました。しかしネリーはなおジョニーを愛していたのでその条件を飲んだのでした。ネリーはエスターという偽名を名乗り、ジョニーを本名であるヨハネスと呼ぶことになりました。ジョニーは筆跡練習をさせるように言いますが、もちろんネリーは完璧に書けました。それでもなお本物のネリーだと信じようとしないジョニーに失望していました。
あの日のように抱きしめてのネタバレあらすじ:転
ジョニーはネリーに二人で行ったパリ旅行で買った華やかな服を着せますが、ネリーは収容所帰りに見えないと言いました。ジョニーは気にしてないと言いましたが、ネリーは泣き出し収容所がどんなに辛い場所だったか、過酷だったのかを話しました。しかし、ついネリーは我に返り人から聞いたと付け加えてしまいました。しかし実際その服を着るとあまりにも妻に似ているのでジョニーは絶句しましたが、それでもなおネリーは死んだのだと思っていました。
あの日のように抱きしめての結末
そしてネリーは隣人からやはり自分が逮捕されたのはジョニーが密告したからだという事実を聞かされました。ジョニーの計画は列車からネリーが降りたところで友人らと感動的な再会をし、生還手続きを踏むというものでした。その直前にレネに会いに行きますが、なんと自殺していたのでした。ネリーへの遺書にはなんとジョニーはネリー逮捕の直前に離婚届を出していたのでした。これは決定的な裏切りとしかもう思えませんでした。その後ジョニーに収容所帰りと見せかけるため囚人番号を入れることを提案しますがネリーは拒みました。そして計画の日、列車から降りて友人らに温かく迎えられましたがネリーは無言を貫きました。ジョニーは困ってしまい、ネリーに愛の言葉をささやきながら仲のよい夫婦を演じていました。そしてネリーはジョニーの伴奏で歌を歌いたいと言いました。戸惑いながらもジョニーはピアノを弾き始めると、そのネリーの歌声を聞いたジョニーは本当の妻であることにようやく気付いたのです。そしてよく見たら腕に残されている囚人番号も目に入りました。ショックでジョニーは演奏をやめてしまい、友人らも困惑しはじめました。歌を歌い終わったネリーは一人でその場を去ったのでした。
ラストシーンが衝撃的です。ネリーの歌声にハッとし、腕に刻まれた囚人番号を観て確信し、その場にいる人たち皆が凍りつく瞬間は恐怖としか言いようがありません。”スピーク・ロウ”の歌声が美しいだけにさらに恐ろしいです。かつての妻と再会しても本人だと気がつかない夫なんて、信じられないなと思いますが、愛とは?、裏切りとは?考えさせられる映画でした。