赤い手帳の紹介:2011年フランス映画。フランスの小さな村を訪れていたミステリー小説家は地元のスター、キャンディスが遂げた不可解な死に興味を寄せます。彼女の死の真相を突き止めようと取材を重ねるうち、キャンディスとマリリン・モンローの人生が極似していることが明らかになっていき…。フランス発のスタイリッシュなサスペンス映画です。
監督:ジェラール・ユスターシュ=マチュー 出演者:ソフィー・カントン(キャンディス)、ジャン=ポール・ルーヴ(ルソー)、ギヨーム・グイ(若い憲兵)、オリヴィエ・ラブルダン(小隊長)、クララ・ポンソ、エリック・リュフ、ほか
映画「赤い手帳」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「赤い手帳」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
赤い手帳の予告編 動画
映画「赤い手帳」解説
この解説記事には映画「赤い手帳」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
赤い手帳のネタバレあらすじ:起
ミステリー小説家のルソー(ジャン=ポール・ルーヴ)は、スイスとの国境沿いにある極寒の村ムートへやってきました。翌朝、テレビをつけると村の無人地帯の雪の中で、地元の美人スター、キャンディス(ソフィー・カントン)の遺体が発見されるというニュースが、大々的に報じられています。
ルソーはこの謎めいた事件に惹かれ、次の小説の題材にできないかと考え始めます。そして何か手掛かりを得ようと、事件現場へやってきますが、待機していた若い憲兵(ギヨーム・グイ)から立ち去るよう警告されます。警察はキャンディスの死を自殺として片付けようとしていましたが、ルソーは彼女の死にどこか不自然さを感じていました。
諦めきれないルソーは遺体安置所に潜り込み、キャンディスの遺体と対面します。彼女の左目の下には殴られたような傷跡が残されており、腕には注射痕がありました。小隊長(オリヴィエ・ラブルダン)から事件を嗅ぎまわらないよう警告を受けるルソーでしたが、独自に取材を続けます。
キャンディスの自宅へ忍び込んだルソーはそこで日記を発見します。日記は数冊に及んでいましたが、どういうわけか2009年以降の日記は発見されませんでした。ルソーがキャンディスのカウンセリングを担当していた精神科医ジュリエットに会いに行くと、ジュリエットはマリリン・モンローを敬愛していたキャンディスが、マリリンと自分の人生を重ね合わせているようなところがあったと告白します。
偶然にもキャンディスとマリリンは同じ6月1日生まれ。キャンディスにとってマリリンは理想的な自我とも呼べる存在でした。ルソーは日記を読みながら、キャンディスの過去を辿り始めます。
赤い手帳のネタバレあらすじ:承
貧しき生まれながら美貌に恵まれていたキャンディスは、スキー選手の夫と結婚し、主婦として平凡な暮らしをしていました。1999年、キャンディスは勤務先の商店にやってきたカメラマンからスカウトされ、モデルとして働きはじめます。その後はチーズのCMに採用されるほど人気者へ。一気にスターへの階段をかけ上がっていきます。キャンディスはセミヌードに挑戦するなど活躍の場を広げていきますが、スキー選手の夫はキャンディスの仕事を軽蔑します。
キャンディスは次第に夫から暴力を振るわれるようになり、夫婦関係は破綻します。五年後、キャンディスはお天気キャスターの仕事に抜擢されていました。ほどなくして局で出会った書評家のシモンと恋に落ちますが、この関係も長くは続きませんでした。
ルソーのもとを訪ねてきた若い憲兵は、キャンディスの顔に残された傷が殴られたものであることを明かします。事件を自殺として片付けたい上層部に対して、若い憲兵もまたルソーと同様、他殺を疑うようになっていました。そしてルソーに捜査に協力してほしいと語りかけます。
ルソーはキャンディスが通っていた美容室を訪ね、生前の彼女について質問します。美容師によるとキャンディスは地方議会に強いコネを持っており、映画への出演も決まっていたと言います。キャンディスの葬儀へ行ったルソーは書評家シモンから、キャンディスがルソーの小説の大ファンであったことを知らされます。
赤い手帳のネタバレあらすじ:転
ホテルへ戻ったルソーはシャワーを浴びようとして感電し、意識を失います。オーナーのベティの応急措置により一命を取り留めますが、何者かに命を狙われているのではないかと不安を覚えはじめます。シャワーの配線がペンチで剥がれていたのです。
若い憲兵はキャンディスが死の直前に訪れたというクラブの防犯カメラ映像を見せます。そこには店に入ろうとするキャンディスを尾行する二人の若い男が写っていました。市場に買い物へ出掛けたルソーはそこで地方議会の議長ビュルドーの姿を目にし、キャンディスが彼の愛人だったのではないかと推測を立てます。スターになったマリリンが選んだ最初の夫はプロ野球選手で、キャンディスの最初の夫はスキー選手。マリリンの二番目の夫は劇作家で、キャンディスの次の恋人は書評家。そしてマリリンの最後の恋人が大統領であったとされていることから、キャンディスの最後の恋人も政治家なのではないかと直感が働いたのです。
ルソーと若い憲兵はキャンディスの携帯の通話記録を調べますが、不自然にも死の直前の記録が消されていました。さらに詳しく調べると、キャンディスが死の直前ジュリエットへ助けを求める電話をしていたことが判明します。別の日、ルソーが運転をしていると、急にブレーキが効かなくなり、木に激突するという事故に巻き込まれます。助手席に座っていた若い憲兵は重症を負いました。憲兵はパリに早く帰るようルソーに助言します。キャンディスの家を訪れたルソーは、壁の絵画の裏に隠されていた日記を発見します。それはキャンディスが死の直前まで綴っていた赤い日記でした。
赤い手帳の結末
2009年、キャンディスはクラブでビュルドーに口説かれ、関係を持ちます。愛される喜びを知ったキャンディスはビュルドーに夢中になっていきますが、ビュルドーは二人の関係が公になることを恐れます。
やがてキャンディスはビュルドーの弟から別れを迫られます。事件のあった夜、クラブで飲んだ後自宅へと戻ってきたキャンディスを待ち構えていたのはビュルドー兄弟でした。キャンディスは不倫の発覚を恐れた兄弟から日記を渡すよう迫られましたが、拒絶した結果、毒殺されたのです。その姿はキャンディスを尾行していた熱狂的なファンの青年シャルルマーニュと友人のジュリアンに目撃されていました。
こうして事件の真相は明らかになりました。権力を悪用したビュルドーが罪に問われることはありませんでしたが、その後、何者かによって暗殺されました。ルソーは赤い手帳という題名で小説を書き始めます。
そして村を離れる日がやってきます。出発の支度をしていると、ベティから今日届いたという手紙を渡されました。それはキャンディスが生前に送ったルソーへのファンレターなのでした。
以上、映画「赤い手帳」のあらすじと結末でした。
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