Presents 合い鍵の紹介:2006年日本映画。直木賞作家・角田光代の12編の短編集「Presents」の1編を映像化。広末涼子と玉山鉄二がダブル主演をつとめた切ないラブストーリー。クリスマス目前、編集プロダクションで働く由加里は、8年間付き合った彼氏の博明から突然の別れを告げられ…。
監督:日向朝子 出演者:広末涼子(由加里)、玉山鉄二(博明)、安田顕(美容師)、有村実樹(美加)、ほか
映画「Presents 合い鍵」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「Presents 合い鍵」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
Presents 合い鍵の予告編 動画
映画「Presents 合い鍵」解説
この解説記事には映画「Presents 合い鍵」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
Presents 合い鍵のネタバレあらすじ:起
編集プロダクションで多忙な日々を送る28歳の由加里(広末涼子)には、8年間交際している彼・博明(玉山鉄二)がいる。博明は由加里とは同い年で、フリーカメラマンをしていた。お互い忙しくて最近はなかなか会えないでいる。
クリスマスが近づいたある日、部下の女子社員から「彼氏にはクリスマスプレゼントに何をあげるんですか?」と尋ねられる由加里。由加里は何も考えていないと答える。それを聞いた女子社員は驚愕。彼氏がいない女子社員はラブラブなクリスマスを過ごすことを夢見ており、由加里のことを羨ましがった。
その翌日、博明から「話したいことがあるんだ…」と電話が掛かってくる。久しぶりに博明と会うことになり、うれしそうな由加里。お洒落をして待ち合わせの公園へと向かう。ベンチで座っている博明を見つけた由加里が駆け寄る。うれしそうな由加里に比べて、暗い表情の博明。
今まで仕事を優先して会う時間を作れなかったことを詫びる由加里は、「これからは博明をもっと大事にするから」と言い、「仕事は順調?」と尋ねる。すると博明は突然立ち上がり、一人で歩き始めてしまった。
Presents 合い鍵のネタバレあらすじ:承
黙々と歩く博明の後ろを走って追いかける由加里。突然、博明は由加里のほうを振り返ったかと思うと、「好きな人ができたんだ。別れてほしい」と言い出す。由加里は驚きのあまり、言葉を失ってしまった。
その後カフェに入り、博明は好きになった相手の女性について話し始める。博明が好意を抱く女性も、博明と同じフリーのカメラマンをしている。博明より3つ年上だ。「彼女の個展を見た時に感動した」と話す博明。彼女への熱い思いを語る博明をじっと見つめる由加里。動揺する由加里には、彼の話の内容が入ってこない。
女性とは話しも趣味も合うのだと話す博明に、由加里は「私達別れられるかな?」と言う。これまでも色々なことを乗り越えてきた二人。しかし博明の中では、由加里と別れることをすでに決めている。「由加里とは、いつも別々の方向を向いていて、一歩踏み出す時には違う方向に行ってしまうんだ…」と告げる博明。由加里は「別の方向を見ていても、お互いに応援はできるよ」と話す。
「由加里とは何かを作り上げることはできない。俺にはもう無理」と言われ、由加里は自分も写真を始めようかと言い出す。「そうじゃないんだ…」と言われた由加里は、「博明が決めたことなら仕方がないね」と、ようやく別れる決心を伝えた。博明が喫茶店を出て行く。その姿をいつまでも見つめる由加里。しばらくその場から動くことはできなかった。その後バスに乗った由加里は、一人静かに泣いた。
Presents 合い鍵のネタバレあらすじ:転
翌朝、由加里は会社に休むことを電話で伝える。その後、博明の私物を整理する由加里。二人の思い出の品もすべて処分してしまう。その後美容院に行った由加里は、「思いっきり短くしてください」と美容師の男性に注文。由加里がこの美容院に通い出して8年。
それは博明との交際期間とちょうど同じで、8年間の時間の溝は埋められると思うか由加里は美容師の男性に尋ねてみた。すると美容師は、時間の長さは関係がなく、密度ではないかと答えた。
その後、会計を済ませる由加里はカバンから財布を取った時に博明の家の合鍵を落としてしまう。それを急いで拾い上げ、コートのポケットにしまう由加里。美容院を出た由加里は、歩道橋の上で合鍵を取り出すと顔の前でかかげてみた。そして昔のことを思い出す由加里。
博明とつき合っていたあるクリスマスイブの日、会社で辛いことがあった由加里は博明の携帯に電話を掛ける。しかし繋がらないために家に押し掛けることにした由加里。博明は部屋にはおらず、由加里は外で待つことにした。しばらくすると博明が帰ってきた。彼は急いで由加里を部屋に入れると、コンビニに買い物に出かけてしまう。
帰りの遅い博明が帰ってくると、彼はクラッカーをならして「メリークリスマス!」と由加里を驚かせる。時計の針は12時を過ぎており、すでにクリスマスになっていた。二人で楽しく一緒にクリスマスを祝った。
Presents 合い鍵の結末
翌日、目が覚めると博明はすでに仕事に出かけて部屋にはいなかった。その代わりにクリスマスプレゼントが置いてあった。人形のキーホルダーがついた合鍵だった。嬉しそうに合鍵を手にする由加里。部屋を出ようとすると、玄関のドアに『合鍵持ったか?元気出していけよ!』と博昭からの手紙が貼られていた。
そのことを思い出した由加里は、鍵を返すためにカフェで手紙を書き始める。封筒に鍵を入れる。しかし店員があやまって封筒を落としてしまった。封筒から転げ落ちる鍵。クリスマスの曲が流れてきて、由加里は鍵を返すことをやめた。
いつか博明の顔を思い出せないくらい時間がたったとしても、鍵がひょっこり出てきたときには大事なことを告げるかもしれないと思う由加里。カフェを出た由加里は空を見上げて、世界も恋も捨てたものではないと感じた。そしてさっそうと街を歩く由加里がいるのだった。
以上、映画「Presents 合い鍵」のあらすじと結末でした。
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