Presents うに煎餅の紹介:2007年日本映画。角田光代の短編集「Presents」の一つを映画化したシリーズ第2弾。先に就職した彼女と留年中の彼氏とのラブストーリー。監督は、数々のアーティストたちのプロモーションビデオを手掛けた石井貴英。この作品が映画監督デビュー作となる。
監督:石井貴英 出演者:戸田恵梨香(松下羽月)、平岡祐太(高野悟)、黄川田将也(安田健介)、ほか
映画「Presents うに煎餅」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「Presents うに煎餅」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
Presents うに煎餅の予告編 動画
映画「Presents うに煎餅」解説
この解説記事には映画「Presents うに煎餅」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
Presents うに煎餅のネタバレあらすじ:起
お洒落をした松下羽月(戸田恵梨香)が、うれしそうに街を歩いています。OL一年目の羽月には、大学2年の時からの彼氏・高野悟(平岡祐太)がいます。留年を重ね、いまだに学生をしている悟。そんな悟から電話が掛かってきました。
ハイテンションの悟は、言いたい事だけ話すと電話を切ってしまいます。その後も何度も何度も電話をかけてくる悟。気がつくと待ち合わせの時間が迫っていた羽月は、待ち合わせ場所のペットショップに走って向かいました。
この3か月前、羽月は悟といつものように居酒屋デートをしていました。支払いはいつも割り勘。しかも羽月のほうが先に社会人になっていたため、多く払うこともありました。この先も学生のままでいそうな悟からは何の危機感も感じられず、どうしてこんな男と付き合っているのか羽月は自分でもよくわからないでいました。自分の恋愛人生は間違えた…と後悔する羽月は、間違ったのは恋愛だけではないと考えています。
なぜなら憧れの文房具メーカーに入社したのはいいのですが、理想の仕事とはかけ離れた雑務だけの毎日で、羽月はうんざりしています。文具のデザインをしたくて会社に入った羽月は、悶々とした日々を過ごしていました。
Presents うに煎餅のネタバレあらすじ:承
仕事の愚痴を悟にこぼしていた羽月でしたが、ある日「いい加減そんな話聞き飽きたわ…」と悟に言われてしまいます。それからは悟から連絡はなく、羽月はこれからは仕事に生きることを決意。
膨大な書類をホッチキスで止める羽月でしたが、このままただ年を重ねることへの恐怖を感じ、恋愛に生きることに方向転換します。毎日のように合コンに参加し、様々な男性を見た羽月は、世の中には奢ってくれる男性がいることを知りました。
そしてついに理想の男性と出会った羽月。相手は雑誌の編集社で働く安田健介(黄川田将也)です。彼は様々な店を知っており、やさしくて気遣いもある安田に羽月はどんどん惹かれていきます。悟とは行ったこともないような素敵なバーに連れて行ってもらう羽月。安田は羽月の容姿を褒めるなど、女性が喜ぶ言葉を掛けてくれます。
悟とは似ても似つかぬ安田の言動に、羽月はもうメロメロです。女性としての幸せを感じるようになった羽月は、自分磨きを始めて、料理にも挑戦しました。一方的に悟から電話を切られた日から、彼とは連絡をとっておらず、羽月の中では悟とのことはもう終わっていました。
Presents うに煎餅のネタバレあらすじ:転
バレンタインデーが近づいたある日、久しぶりに悟から電話が掛かってきます。バレンタインデーの日に食事に行こうと誘われた羽月ですが、「その日は予定があるから、次の日だったら会ってやってもいいけど」と言って電話を切りました。
そしてバレンタインデーの日、羽月は安田とデートを楽しみます。本命チョコを安田に渡した羽月は、翌日居酒屋で会った悟に小さなチョコを渡しました。いつまでもお気楽な学生の悟に、社会人たるものを教える羽月。「社会に出るとあんたにもわかるよ!」と話す羽月に悟は怒り出します。「二度と俺にわからないとか言うなよ!」と怒って店を出ていく悟。追いかけてきた羽月に悟は「人ってさ、色んなこと忘れるよな…」と言い、去っていきました。
そしてホワイトデーの日がやってきました。羽月は安田に高級レストランに連れて行ってもらいます。そこは芸能人が来るような素敵なレストランで、羽月は初めて食べるご馳走に満足していました。食事を終えると、安田はバレンタインデーのお返しだと言って、ピアスをプレゼントしてくれました。キラキラと輝くピアスを見た羽月は、うれしいはずが悟のことを思い出してしまいます。
帰り際、安田に「家に来ないか?」と告白された羽月は「ごめんなさい」と言って、もらったプレゼントを返して安田の前から走り去りました。安田と恋人同士になりたかった羽月。それをどうして断ったのか、彼女自身もよくわかりません。ただ、羽月の耳にはピアスの穴がなく、そのことを笑って安田に言えない羽月がいました。
Presents うに煎餅の結末
家に帰った羽月が自宅のポストを開けると、そこには悟からのプレゼントのうに煎餅が入っていました。『チョコのお返し。飴よりもうに煎餅のほうが好きだろ』と書かれており、それを見た羽月は急いで悟に電話をかけます。
この日、悟はずっと羽月の部屋の前で彼女の帰りを待っていました。しかしなかなか帰ってこないので、ポストにうに煎餅を入れて近くの公園で待つことにします。まだ寒い3月の寒空の下、寒さに震えながら悟はずっと羽月を待っていました。その後、プレゼントを見た羽月から電話が掛かってきます。
悟が公園にいることを知った羽月は、急いで公園へと向かいます。遊具に腰かける悟に後ろから抱き着く羽月。二人で仲よくうに煎餅を食べます。この先の人生にいくつのYES・NOの選択があるのかはわかりません。それでも社会に出るということは、ときめかない男に恋をすることなのかもしれないと考える羽月でした。
以上、映画「Presents うに煎餅」のあらすじと結末でした。
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