パンチラインの紹介:1988年アメリカ映画。ごく普通の主婦ライラが、子供の頃からの夢だったスタンダップ・コメディエンヌになるため、10才も年下の人気コメディアン、スティーヴンにパンチライン(オチ)のコツを教わる。どんどん実力をつけていくライラ。ついに2人は、オーディション番組でライバルとなるが。『フォレスト・ガンプ』(1994)で親子を演じたサリー・フィールドとトム・ハンクスが、友人以上恋人未満の微妙な男女を演じたコメディ映画。
監督:デヴィッド・セルツァー 出演:サリー・フィールド(ライラ)、トム・ハンクス(スティーヴン)、ジョン・グッドマン(ジョン)、キム・グライスト(マデリーン)、マーク・ライデル(ロメオ)、ポール・マザースキー(アーノルド)ほか
映画「パンチライン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「パンチライン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「パンチライン」解説
この解説記事には映画「パンチライン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
パンチラインのネタバレあらすじ:起
ニュージャージーに住むライラは、家事と子育てに大忙しの専業主婦です。人を笑わせることが大好きな彼女は、一流のスタンダップ・コメディエンヌになるのが夢。夜な夜なコメディクラブのステージに立ち、笑いの修行に励んでいます。しかし毎回、客席から返ってくるのは野次と失笑。保険のセールスマンで生真面目な夫のジョンも、ライラに才能などあるわけがないと渋い顔です。なんとか笑いがとりたいライラは、密かにコメディ・ライターから下ネタジョークを買ってクラブで披露。ところが客に先にオチを言われてしまい、一気に寒い空気に。そんなライラと正反対なのが、クラブで実力ナンバーワンのコメディアン、スティーヴンです。コメディの道を選んで厳格な父親から勘当された、落ちこぼれ医大生のスティーヴン。彼のパフォーマンスは、いつでも客に大うけでした。ある夜クラブに、テレビ局からマデリーンという女性がやって来ます。スティーヴンのステージを見たマデリーンは、「あなたには才能がある」と言います。「数日中に、抜き打ちでクラブにスカウトが来る。あなたなら大スターになれるわ」。うぬぼれが強いスティーヴンは、「人をよこすなら、俺がいるうちにさっさと来い」と挑戦的に答えます。
パンチラインのネタバレあらすじ:承
自分の才能のなさに絶望したライラは、スティーヴンにアドバイスを求めます。いつもは単なるオバサンと小馬鹿にしていたスティーヴンですが、ライラの熱心さにほだされて、「主婦なら主婦らしく、日常のネタをジョークにするべきだ」とアドバイスします。一方、毎日コメディのことばかり考えているライラに、ついに怒りが爆発した夫のジョン。「お前のジョークなんか誰も笑うもんか!」と言い放ちます。傷ついたライラは家を飛び出し、大泣きしながらタクシーでクラブへ向かいます。その頃クラブの楽屋では、スティーヴンが出番待ちをしていました。支配人が言います。「大物らしい男たちが、お前を見に来ているぞ」。ついにスカウトが来たと、スティーヴンは緊張しつつステージへ上がります。しかし客席にいたのはスカウトではなく、スティーヴンの父親と兄でした。うろたえるスティーヴン。父親の冷たい視線が、おちこぼれの息子に注がれます。いつものジョークも出てこず、しどろもどろのスティーヴンは、ついにステージの上で泣き出してしまいます。父親と兄は、失望した表情で足早に出ていきました。ステージを下りるスティーヴンを、ライラが抱きしめ慰めます。真夜中のボーリング場で、2人は初めて心を開いて語り合いました。コメディをあきらめようと思うと言うライラに、スティーヴンは「やめちゃだめだ。君には才能がある」と言い、彼女をタクシーに乗せ知らないクラブまで連れて行くと、強引に飛び入りステージに立たせます。がちがちに緊張するライラでしたが、スティーヴンのアドバイスを思い出して主婦ネタを繰り出し、次第に観客を笑いの渦に巻き込んでいきます。数軒のクラブを回って夜明け近く、スティーヴンはタクシーでライラを家まで送ります。スティーヴンのおかげで自信がついたライラは、心からありがとうと言います。「僕と駆け落ちするかい?」とスティーヴンが聞きます。彼は、ライラに魅かれていました。2人はキスをします。ライラはとまどいながらおやすみを言い、タクシーを降りました。
パンチラインのネタバレあらすじ:転
マデリーンが、2週間後にクラブでオーディション番組をやるとスティーヴンに言います。優勝すれば、有名トーク・ショ―に出演できるのです。スティーヴンはライラに電話をかけ、オーディションを受けるように言います。夫の理解なしに、これ以上は続けられないと悩むライラ。気分転換に美容室へ行きますが、パーマのかけすぎでとんでもない爆発ヘアになってしまいます。帰宅しておいおい泣くライラを、ジョンは優しく慰め、娘たちも「世界一素敵な髪型よ!」と言って抱きしめます。温かい家族に包まれて、今の幸せをひしひしと感じたライラ。旦那と別れて、自分とジョークに溢れた家庭を作ろうと言い出すスティーヴンに、友達でいましょうと告げます。激しく傷ついたスティーヴンは、雨の中、ジーン・ケリーのダンスを真似ておどけながら去って行きます。そしてついにオーディション当日。出場すると心に決めたライラは、家を出る前に娘たちに言います。「人を心から笑わせている時、ママは自分が特別に思える。全ての夢を叶えるのは無理でも、努力はするべきよ」。ライラの話を聞いていたジョンは言います。「僕も見に行っていいかい?」。ライラの顔は輝き、「いいわ」と答えます。
パンチラインのネタバレあらすじ:結
オーディションが始まりました。候補者が持ちネタを次々と披露していく中、ライラの緊張は高まります。スティーヴンは、「ぶちかませ」とライラにエールを送ります。ライラは実力を出し切り、審査員たちを大爆笑させてステージを下ります。ライラの素晴らしさに驚いたジョンは、精一杯大きな拍手を送りました。ライラの後に続いたスティーヴンは、ライラの余韻に押されて、なかなか笑いを起こせません。心配そうに見つめるライラ。しかし途中からなんとか盛り返し、爆笑に次ぐ爆笑。最後は、審査員と客席から大歓声を浴びました。全員のステージが終了し、審査が開始されます。楽屋には緊張が張り詰めます。支配人が結果を伝えます。優勝はライラでした。しかしライラは、「優勝はスティーヴン以外ありえない」とあっさり言い、いそいそと楽屋から出ていきます。ライラの辞退で再投票が行われ、その結果スティーヴンが優勝します。スティーヴンは複雑な表情ですが、スターへの可能性を手にしたのです。本当の優勝がライラだったと聞いたジョンは大喜びします。ライラは、「でもいい。私には良い家庭があるもの」と微笑みます。2人は手を取り合い、笑いながら家路に向かうのでした。
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