クォ・ヴァディスの紹介:1951年アメリカ映画。1895年に出版されたポーランドの作家ヘンリク・シェンキェヴィチの同名小説をハリウッドが映画化した歴史スペクタクル大作です。暴君ネロがキリスト教を弾圧していた時代のローマ帝国を舞台に、キリスト教徒の女性を愛してしまったローマ軍司令官の苦悩と愛を壮大なスケールで描きます。「クオバディス」とはラテン語であなたはどこに行くのか? という意味。
監督:マーヴィン・ルロイ 出演者:ロバート・テイラー(マーカス・ヴィシニウス)、デボラ・カー(リジア)、ピーター・ユスティノフ(ネロ)、レオ・ゲン(ペトロニウス)、パトリシア・ラファン(ポッパエア)、フィンレイ・カリー(ペトロ)、バディ・ベア(アーサス)、レオ・ゲン(ペトロニウス)、マリーナ・ベルティ(ユーニス)、フェリックス・アイルマー(プラウティウス)、ノラ・スウィンバーン(ポンポニア)、ピーター・マイルズ(ナザリウス)、ロザリー・クラッチェリー(アクテ)、ジョン・ラドック(カイロ)、アーサー・ウォルジ(クロトン)、エルスペス・マーチ(ミリアム)、ロベルト・オッタヴィアーノ(フラビウス)ピエトロ・トーディ(ガルバ)、ソフィア・ローレン(リジアの奴隷)、エリザベス・テイラー(キリスト教徒)ほか
映画「クォ・ヴァディス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「クォ・ヴァディス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
クォ・ヴァディスの予告編 動画
映画「クォ・ヴァディス」解説
この解説記事には映画「クォ・ヴァディス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
クォ・ヴァディスのネタバレあらすじ:起
西暦64年、皇帝ネロ(ピーター・ユスティノフ)がキリスト教徒を弾圧していた時代のローマ帝国。3年に渡る英国への遠征を終えたマーカス・ヴィニシウス司令官(ロバート・テイラー)率いる第14軍団が首都ローマに凱旋しようとしていました。
しかし、ネロは他の軍が到着してから凱旋式を行うとしてマーカスの軍にその場で待機するよう命じ、納得がいかないマーカスは、副官のフラビウス(ロベルト・オッタヴィアーノ)に軍を任せて単身ローマに向かいました。
マーカスは明日の凱旋式まで待つよう指示され、その夜の祝宴に招かれました。叔父でネロの側近であるペトロニウス(レオ・ゲン)と会ったマーカスは元老院ではガルバ将軍(ピエトロ・トーディ)の支持が高まっていることを知らされ、その後引退した将軍プラウティウス(フェリックス・アイルマー)の屋敷に向かうよう告げられました。
マーカスはプラウティウスの屋敷で彼の妻ポンポニア(ノラ・スウィンバーン)や逞しい体を持ちながらも戦いを嫌う奴隷アーサス(バディ・ベア)に会い、そして亡きリジア王の王女でプラウティウスの養女であるリジア(プラウティウス)と会って心を奪われました。
やがてローマにキリストの使徒ペトロ(フィンレイ・カリー)が来ることを知ったプラウティウスは喜び、リジアは部屋で密かに祈りを捧げました。
クォ・ヴァディスのネタバレあらすじ:承
翌日、マーカスの軍は他の軍団と共に凱旋式に臨み、ネロの新しい妻であるポッパエア(パトリシア・ラファン)はマーカスに興味を抱きました。マーカスはスペインから連れて来られた女奴隷ユーニス(マリーナ・ベルティ)を与えられましたが、マーカスの心は既にリジアに向いていました。
ネロの許可を得たマーカスはリジアを無理に祝宴に誘い求愛しましたが、リジアはマーカスを受け入れず、アーサスと共に姿を消しました。
翌日、プラウティウスの元を訪ねたマーカスはまだリジアが戻っていないことを聞かされますが、その際に「ネロは滅びる」と言われました。マーカスから事情を聞いたペトロニウスはプラウティウス一家がキリスト教徒であることに気付き、占い師のカイロ(ジョン・ラドック)や部下の剣闘士クロトン(アーサー・ウォルジ)と共にリジアの行方を探し、リジアがペトロの主催するキリスト教徒の集会に参加しているところを発見しました。
しかし、その場にいたアーサスはリジアらを逃がし、マーカスを叩きのめすとクロトンを殺してしまいました。マーカスはキリスト教徒のミリアム(エルスペス・マーチ)と息子ナザリウス(ピーター・マイルズ)の家に運ばれて介抱を受け、潔くリジアのことを諦めて去ろうとしましたが、リジアは初めてマーカスに心を開き、二人は愛を確かめ合いました。リジアはマーカスにキリスト教に改宗するよう促しますが、マーカスはどうしても受け入れることはできず、結局リジアの元を離れることにしました。
クォ・ヴァディスのネタバレあらすじ:転
その頃、ネロはローマの街を焼き払って新たな首都を建設する計画を立てていました。傷心のマーカスはポッパエアに誘惑され、ペトロニウスは何やら嫌な予感を抱いていました。そしてネロはローマの街に火を放ち、マーカスは馬を走らせてローマ市内に向かうと行き場を失った人々を避難させ、ようやくリジアを見つけ出しました。ミリアムは命を落としており、マーカスはリジアをアーサスとナザリウスに任せると市民を広場へ誘導しました。
ネロはポッパエアから放火はキリスト教徒の仕業にすればいいと提案され、ペトロニウスの反対を押し切って実行することにしました。ユーニスと惹かれ合っていたペトロニウスは自分は側近でありながらネロの暴走を止められなかったことを悔やみ、マーカスからガルバを次の皇帝にすべきだと提案されて受け入れることにしました。その際、ペトロニウスはマーカスに、ポッパエアがリジアを妬んでいること、ネロは放火の罪をキリスト教徒に擦り付けようとしていることを伝えました。
マーカスはリジアの元に急ぎましたが、既にリジアやプラウティウスたちは護衛隊に捕らえられており、マーカスも護衛隊に捕らえられてしまいました。ネロはキリスト教徒を闘技場に集め、ライオンに食い殺させようと目論んでいました。
その頃、ナザリウスを連れてローマから脱出したペトロは途中で神の光と遭遇していました。「主よ、どこに行かれるのか(クォ・ヴァディス)」と問いかけるペトロに、神はナザリウスの口を通じて「ローマの市民が私を求めている。見捨てるなら、自分はもう一度十字架にかけられるためにローマに向かう」と伝えました。
一方、ローマではペトロニウスはネロへの決別の手紙を書き残し、ユーニスと共に服毒自殺を遂げていました。ネロはキリスト教徒たちを闘技場に集めて虐殺を始め、キリスト教徒たちは恐怖に怯えていましたが、その時ローマに舞い戻ったペトロはネロの時代の終焉と“主は永遠”であることをキリスト教徒たちに呼びかけ、自らは捕らえられましたが大いにキリスト教徒たちは勇気づけられました。
クォ・ヴァディスの結末
ネロはマーカスとリジアの処刑を決め、ポッパエアはまずリジアを猛牛の餌食にすべきだと考えました。その頃、獄中ではマーカスとリジアがペトロの祝福を受けて結婚式を挙げていました。マーカスはリジアのためにキリスト教に改宗する決意を固めました。
その後、ペトロは皇帝への反逆罪で逆さ磔の刑に処されました。処刑場に連行されたプラウティウスはネロこそが放火犯だと市民に訴えながら火あぶりの刑に処され、市民のネロへの怒りは遂に頂点に達しました。
翌日、リジアとアーサスは競技場に連行され、ネロとポッパエアの元に連行されたマーカスはリジアの最期を見届けさせられることになりました。しかし、アーサスはリジアを守ろうと必死で猛牛に立ち向かい、死闘の末に猛牛の息の根を止めました。目論見が外れたネロはマーカスとリジアを殺せと命じますが、マーカスとリジアはフラビウスらマーカスの部下たちに助けられました。
マーカスからネロの悪行の数々、そして間もなくガルバが新皇帝に即位すると告げられた市民は一斉に蜂起、ネロの宮殿になだれ込みました。追い詰められたネロはポッパエアを絞め殺し、部屋に逃げ込みましたが、かつての愛人でキリスト教に改宗していたアクテ(ロザリー・クラッチェリー)からせめて最期だけは皇帝らしくしてほしいと促されたネロは彼女の手助けで自害しました。
その後、自由の身となったマーカスはガルバが新皇帝としてローマに入城するのを見届け、リジアやアーサス、ナザリウスと共にシチリアに向かって旅立っていきました。
以上、映画「クォ・ヴァディス」のあらすじと結末でした。
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