サムソン 神に選ばれし戦士の紹介:2018年アメリカ,南アフリカ映画。旧約聖書のエピソードのひとつを基に映画化された『サムソンとデリラ』(1949年)を最新鋭のCG技術などを駆使してリメイクした一代スペクタクル巨編です。紀元前の古代イスラエルを舞台に、神に怪力を授けられた男サムソンが圧政に立ち向かう様を圧巻の映像で綴ります。
監督:ブルース・マクドナルド、ガブリエル・サブロフ 出演者:テイラー・ジェームズ(サムソン)、ビリー・ゼーン(バレク王)、ジャクソン・ラスボーン(ラッラー)、ケイトリン・レイヒー(デリラ)、ルトガー・ハウアー(マノア)、リンゼイ・ワグナー(ジルコニス)、ブランドン・オーレ(アシュドド)、フランシズ・ショルト・ダグラス(タレン)、グレッグ・クリーク(カレブ)ほか
映画「サムソン 神に選ばれし戦士」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「サムソン 神に選ばれし戦士」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
サムソン 神に選ばれし戦士の予告編 動画
映画「サムソン 神に選ばれし戦士」解説
この解説記事には映画「サムソン 神に選ばれし戦士」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
サムソン 神に選ばれし戦士のネタバレあらすじ:起
紀元前1170年。
古代イスラエルでは、神に仕えるヘブライ人は、ダゴンの神を崇拝するペリシテ人の王バレク(ビリー・ゼーン)とその息子ラッラー王子(ジャクソン・ラスボーン)による圧政に苦しめられていました。特にラッラーは傲慢な性格で人を人とも思わず、情け容赦なくヘブライ人を斬り捨てては民衆に恐怖を植え付けていました。
そんなヘブライ人の唯一の希望は、神から超人的な力を授けられた男・サムソン(テイラー・ジェームズ)でした。イスラエルの12氏族のひとつダン族の出身であるサムソンは父・マノア(ルトガー・ハウアー)や母・ジルコニス(リンゼイ・ワグナー)のもと、弟・カレブ(グレッグ・クリーク)と共に育てられました。
物心ついた頃から特別な存在だと言われてきたサムソンは、神と三つの誓い「死体に触らない」「酒を飲まない」「髪の毛を切らない」を交わすことで力を授かっており、誓いを忠実に守って自らを律する生活を送ってきました。しかし、その時はサムスンは、この誓いに何の意味があるのか理解していませんでした。
そんなある日、ペリシテ人の闘士がヘブライ人を罵っていることを聞いたサムソンは、その闘士と戦うことにし、神の力で闘士を打ち破って大金を稼ぐことに成功しました。しかし、この出来事はサムソンの噂を聞きつけていたバレク王とラッラーが、彼の力がいかほどのものかを見るために仕組んだことだったのです。バレク王はラッラーに、反乱の火種は前もって消しておくべきだと告げました。
サムソン 神に選ばれし戦士のネタバレあらすじ:承
サムソンはペリシテ人でありながらもラッラーの奴隷にされていた女性・タレン(フランシズ・ショルト・ダグラス)に一目惚れしました。それからというもの、サムソンは密かにタレンと逢瀬を繰り返し、彼女との結婚を考えるようになりましたが、マノアとジルコニスはタレンがペリシテ人であることから結婚に反対しました。
森へ入ったサムソンは神に不満を訴えると、そこにライオンが現れて襲い掛かってきました。素手でライオンを倒したサムソンは神に叱られていると感じて自らの行いを恥じました。
一方、ラッラーの妻デリラ(ケイトリン・レイヒー)はサムソンとタレンの情報を嗅ぎつけ、この二人を結婚させればサムソンを操れるとラッラーに進言しました。ラッラーはサムソンとタレンの結婚を認め、二人は晴れて夫婦となりましたが、ラッラーはサムソンを挑発して衣を30着用意するよう命じました。
タレンを人質に取られたサムソンはやむなく命令を聞き入れますが、サムソンはペリシテ軍の陣地を襲撃して兵士を殺し、衣を30着奪ってラッラーの元に戻りました。しかし、サムソンはこの時点でラッラーの策略に乗せられて「死体に触れない」「酒を飲まない」という誓いを破ってしまっており、更には兵士を殺した罪で追われる身となりました。
サムソンはペリシテ軍の畑に火を放ち、ラッラーにタレンを解放するよう求めましたが、ラッラーは返すと言っておいてタレンとその父を高い塀の上から突き落として殺害してしまいました。山の洞窟に逃げ込んだサムソンは深い悲しみに暮れましたが、ラッラーは卑劣にもマノアを人質に取り、投降しなければ故郷の村全てを焼き払うと脅してきました。
カレブの説得に応じたサムソンは自ら投降しますが、そもそも約束など守るつもりのないラッラーは、マノアを殺害してしまいます。怒りを爆発させたサムソンはラッラーの兵1000名を一人で壊滅させました。ラッラーはバレク王からサムソンを始末できなかった責任を問われてエジプトへ左遷されました。
サムソン 神に選ばれし戦士のネタバレあらすじ:転
時は流れ、サムソンは村を率いる存在となって人々を守っていました。しかし、ラッラーがエジプトからイスラエルに舞い戻ると再び圧政は熾烈さを増していきました。サムソンは飢えに苦しむ人々のため、自ら都のガザに乗り込んでバレク王と交渉することにしました。
バレク王を平和的に説得できるまでは村に戻らないと固く決意していたサムソンは、ガザの宿に泊まっていたところに、ラッラーの横暴さに嫌気が差して王宮から逃げてきたデリラが現れて危険を知らせてきました。すぐさまサムソンはペリシテ軍に追われる身となり、デリラと後で合流する約束をして二手に分かれました。
サムソンはペリシテの兵士たちとの戦いで傷を負いながらも、神に祈って怪力を得ることで何とかガザからの脱出に成功しました。デリラと心を通わせ合ったサムソンは結局バレク王を説得できぬまま村へと戻り、ジルコニスに自らの無力さを嘆きました。
カレブは既にペリシテ軍と一戦を交える覚悟を決めていましたが、サムソンはカレブの説得を聞かずに村を飛び出してしまいました。
サムソンはデリラと再会を果たし、彼女と一緒に遠方へ逃れようと約束しました。サムソンの誠実さに心を惹かれていたデリラは意を決してラッラーの元に戻り、サムソンを見逃してほしいと懇願しますが、ラッラーはデリラを脅すとサムソンに眠り薬を飲ませ、力の源である髪の毛を切らせてしまいました。
こうして三つの誓いを全て破ることになってしまったサムソンは神の力を失い、反撃もできずにペリシテ軍に捕らえられてしまいました。ラッラーは捕らえたカレブの前でサムソンを痛めつけ、熱した剣でサムソンの両目を潰してしまいました。
サムソン 神に選ばれし戦士の結末
ラッラーはサムソンとカレブを地下牢に繋ぎ、拷問にかけて力の源を吐かせようとしましたが、サムソンはただ「神を信じろ」と言うのみでした。その一方でラッラーは長年自分のことを認めてこなかったバレク王を殺し、自ら新たな王となりました。
サムソンは密かに面会に訪れたデリラに、カレブの解放を頼みました。そしてサムソンは解放されることとなったカレブに「神の神託が聞こえた」と告げ、ヘブライの民を率いて蜂起するよう命じました。
サムソンは見せしめとして広場に連行されて拷問を受けました。サムソンは最後の力を振り絞って神に祈りを捧げると、空にはたちまち暗雲が立ち込め、再び超人的な力を取り戻したサムソンはペリシテの宮殿を支える太い柱を破壊しました。
宮殿はたちまち大崩壊を始め、逃げ遅れたラッラーは瓦礫の下敷きとなって死亡しますが、同時に、神との約束を果たしたサムソンも命を落とし、天へと還っていきました。この日は英雄の最期の日であると共に、ヘブライの民が圧政から解放された記念の日ともなりました。
サムソンの遺志を継いだカレブはその後もヘブライの民を率いてペリシテ人に立ち向かいました。そしてヘブライの民が真に解放されたのは、一介の羊飼いだったダビデが身を起こしてペリシテ軍に勝利した時でした。
以上、映画「サムソン 神に選ばれし戦士」のあらすじと結末でした。
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